幼児教室のプロ直伝!「小学校受験直前の今、先生からパパにお願いしたいこと」
幼稚園・小学校受験を直前に控えた秋口は、ママがどうしてもイライラしがち。なぜなら、家事、育児、仕事など通常のママ業務に加え、子どもの試験準備(仕上げ、苦手課題の克服、振り返りなど)、夫婦で共有すべき願書や面接対策が発生するからです。
これらをママ一人で抱えると必ずパンクしてしまうでしょう。
そこで、出番となるのがパパなのです。これまで多くのお子さんの入試に携わってこられた伸芽会教育研究所の飯田先生に、直前期のパパにしてほしいことなど、具体的なアドバイスをいただきました。
1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+、朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。
目次
入試前のママは不安でいっぱい
__これまで多くの受験生を見てきた飯田先生が感じる、直前期あるあるとは?
長年多くの小学校受験のご家庭を見てきましたが、直前期になるとママがイライラしたり、不安になったり、あらぬ噂に振り回されてしまったり、または子どもがスランプに陥いりさらにママが落ち込むのは、この時期のあるあるです。
理由は簡単。幼児教室にお子さんを連れていき、そこで他のお子さんとわが子を比べて落ち込んでしまい、それでも家庭学習を頑張らせて、家事も育児もこなして(兄弟がいる場合はそのお世話も)のがママ一人だとしたら、絶対にパンクしてしまうのは当然です
その結果、ご主人に「なんで私だけが!」などときつく当たってしまうこともあるでしょう。でもいちいちぶつかり合っていては時間も体力も無駄使いだと思いませんか?
それらをどう回避するか、合格へ導く鍵はパパが握っていると言っても過言ではありません。そこで、今回はママとお子さんへの秘策とともにパパにしかできない、入試直前時にぜひお願いしたいことをお伝えしたいと思います。
夫婦間と子どもの前では、スタンスを変えていい!
まず私がおすすめしたいのが、「夫婦間と子どもの前でのスタンスを変えるべき」ということです。受験に関する日頃の愚痴や悩み事相談などの本音は子どもが寝てからに。お子さんが起きているときは、夫婦仲良くいてください。子どもにとってこの時期一番大事なことは家庭の安心感! ママとパパが仲良しでなくては、お子さんも「家族って大事だな」と感じられないでしょう。また、パパやママから互いの愚痴を聞かされている子は両親への不信感を抱きます。何も子どもの前で全てを正直に言うことはありません(合否結果もそうです)。少なくともお子さんの前では「仲良し」を演じてあげてください。
何より、直前期は家族の距離を近くするよう意識して、家族でいる楽しさをお子さんに伝えてあげてください! それが結果的に面接でお子さんが「家族の素敵なエピソードが言えた」につながるかもしれません。お子さんの前で「ママのこと好きだよ」「いつもありがとう」などの言葉も効果的です。
入試直前期にパパがとってほしい3つの行動
__では、入試直前期にパパがとるべき理想的なスタンスとは?
日頃の家事、育児、試験対策に加え、直前期は面接や親の準備もあり、ママはいっぱいいっぱいです。そこでパパにお伝えしたいのは、「受験生のご家庭の多くが、パパよりもママの方が圧倒的にお子さんといる時間を作っている」という事実。ママには時間があるのではなく、時間を捻出してくれているのです。そこを感謝することを忘れてはいけません。
その上で、落ち着いて共感してあげてほしいのです。
その1 噂話には「それ全部真面目に聞かなくていいんじゃない?」でOK
特に、受験生のママは、ママ同士の情報に振り回されがちですが、それらは自分が落ち着くためにざわつかせることも多々あるので、すべてが正しいとは限りません。
(例「お兄ちゃんお姉ちゃんがいないと受からない」と言う噂→では最初のお子さんはどうやって受かったの?など)
パパは、そこを理解した上で「それ全部真面目に聞かなくていいんじゃない?」というスタンスでいてください。とはいえ、ママたちは日々そうした心理合戦で疲れていますから、たとえ仕事で忙しくても話を聞いてあげてください。
その2 完璧を求めず、今できることを精一杯やるだけ
また、直前期は特にできないことに目が行きがちですが、「試験本番で満点を取って合格する子はいない」ことを肝に銘じて、完璧になんかならないから、今できることを精一杯やればいいんだというスタンスを家族に徹底してください。
その3 夫婦で「誰に似たんだろうね」の嫌味は言わない!
さらに、夫婦でわが子のマイナスな点を見つけて「誰に似たんだろう」の押し付けはしないようにしましょう。むしろ「ここはママに似てよかったね!」「ここはパパに似てよかったね!」と言い合える夫婦関係を目指しましょう。
パパからママへ「入試は通過点だ」と意識させて
__パパからママに対して意識したいこととは?
入試はあくまで通過点だとママに意識させてあげてください。わが子の人生がこの入試で終わるわけではないので特別切羽詰まる必要はありません。とはいえ、人生のひとつの転機であることは事実。ママがついあれこれやらせすぎてしまい直前期にスランプに陥るということもよくあるので、入試の前の休みの日にあえて家族で楽しい予定を入れたり、ママをリフレッシュさせてあげるなど、息抜きさせるのもパパの大事な役割です。
パパから子どもへ「ストレスを溜めないよう、コンディションを整えてあげて」
__パパから子どもに対して意識したいこととは?
お子さんのタイプや性別でも異なると思いますが、代表的な2タイプをご紹介します。
タイプ① 切羽詰まっていない男子にはやる気がでるムードを演出して!
特に男の子に多いのですが、本人が直前期でも切羽詰まってないケースが多いです。ママはそれにイライラしてしまいますから、その場合はパパが「来年から小学生なんだから今ちょっと頑張ってみようよ!」とやる気にさせたり、過去のお子さんの動画を見せて「このとき〇〇君かっこよかったよね。それを学校の先生に見せてあげたら?」などとやる気になるムード作りを意識してください。もちろん、そのためには普段の生活でダラダラしていてママに怒られるなんてことがないよう、子どもにとってかっこいいパパでいることが第一です。
タイプ② やりすぎはスランプのもと。パパが息抜き役に!
この時期お子さんにとって一番怖いのがストレスです。1時間ママとの学習時間があったら、20分はパパが一緒に遊ぶとか、話をするとか公園に散歩にいくとか、お子さんを受け止める時間を作ってあげてください。例えば、サッカー選手は試合前日に最もハードな練習はしませんよね。入試も同様です。心身ともにコンディションの調整をしないと試験本番にダメージが残りやすくなってしまいます。
パパへのお願い「家族でハッピーになれる入試をサポートしてあげて」
__入試直前期のパパに向けて改めて、飯田先生からメッセージをお願いします!
お子さんはパパとママ二人の子どもです。そんな愛すべきわが子が幸せになるためには夫婦仲が良いことが一番です。入試直前期は、どうしてもイライラしたりピリピリしたムードが漂いがちですが、家族で悪口を言ったりするのではなく、「今まで頑張ってきたものやできたことが本番でも発揮できるように頑張ろうね」と家族一丸となってハッピーに向かえるよう意識してみてください。お子さんが選手、ママがコーチだとしたらパパは勝負の采配を握る監督です。家族全員を冷静に俯瞰で見て、入試という試合でいい結果がでるよう全力でサポートしてあげてください。
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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