小学校受験の定番「クマ歩き」で学校は何を見ているか
小学校受験対策をされている方には馴染がある「クマ歩き」。筑波大学附属小学校では毎回必須の課題ですが、それ以外にも多くの国立や私立小学校の運動考査などで取り入れられています。そこで今回は、伸芽会の受験体操クラスを指導されている大村先生に、小学校入試でのクマ歩きの注意点や学校側はクマ歩きを通してどんなところを見ているかについてお話を伺いました。
目次
クマ歩きとは?
「クマ歩き」とは、名前のとおり動物のクマのように手足を地面について四つん這いになって膝をつけずに歩く運動あそびのひとつ。腹筋と背筋も使いますし、手足を使って体をコントロールする体幹が重要なので、心身の発達を見る基礎的な運動です。
なぜ「小学校受験でクマ歩きをするの?」と思われるかもしれませんが、正しい姿勢やしっかりとした体幹は、学習する上での長時間椅子に座れるかどうかにも関わってきますし、学校生活でのケガ防止にもつながります。
運動が研究テーマでもある国立の筑波筑波大学附属小学校では毎回必須の課題なので、小学校入試では「筑波=クマ歩き」というイメージが強いようですが、実際は国立私立を問わず、多くの小学校入試でも運動考査の基本動作として出題されることが多いのです。
クマ歩きで学校側は何を見ている?
クマ歩きは一見見ていると簡単そうな動きですが、体の筋肉を上手に使わないとなかなか思うように進めないので、実際にやってみると大人でも難しいものです。
慣れないと、お尻が上がりすぎて前に進まなかったり、手足の進め方がうまくいかず転倒してしまったりします。
学校側は、クマ歩きを通して
・基本的な体力(手足の力)があるかどうか
・自分で体を上手くコントロールできるかどうか
・課題に取り組む姿勢
・集中力
国立・私立小学校別! 入試で出されるクマ歩き考査の特徴
慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部などでもクマ歩きは出題されることがありますが、サーキットや身体表現などの一つに組み込まれていることが多く、スムーズに歩ければOKです。
ただし、筑波大学附属小学校の場合は、学校側が「運動が好きで運動能力が高い子」を求める傾向があるため、クマ歩きというよりは“クマ走り”くらいのスピードであったり、「前転をしてからクマ歩き」などといったアレンジバージョンが課題になることもあります。
理由としては、筑波大学附属小学校はペーパー試験でも解く枚数が多く制作課題でも時間が短いなど、限られた時間の中で集中力や瞬発力を求めているからだと考えています。
早くできないと合格しないの?
必ずしもクマ歩きのタイムが早い子が合格するわけではありませんが、クマ歩きをやったことがある子とない子ではかなりの差が出ます。練習すれば確実に上手くなりますし、体幹が強化されますから、小学校受験を視野に入れている場合はぜひ練習しておくといいでしょう。
過去に、国立小の運動考査の「鉄棒で10秒ぶら下がる」という課題で、8秒で落ちてしまってもその試験に合格した子がいました。何が言いたいかというと、決してタイムだけではなく、取り組む姿勢ややり抜く態度を見て、先生たちが「教えてみたいな」と思う子を選んでいるのです。
家庭で練習する際の4つのポイント
クマ歩きを自宅で練習する際は、「右手が前のときは左足が前で交互に素早く動かして……」など頭で難しく考えたり、教えようとすると上手くいかなかったりします。大事なのは、あれこれ考えすぎずに足よりも「手」に意識を向けて手を体よりも前に動かすことです。
コツは以下の4点
① 進行方向を見る
② 顎をあげる
③ 内またにならない
④ 両手の平をしっかり地面につける
慣れないと前を見るのが怖くてどうしても手元を見てしまうので、そうするとお尻が高くあがりすぎて前のめりになってしまいます。さらに顎をあげることで腰が伸びてスムーズに進むことができます。
手はしっかり開いて手のひらを地面につけないと、手首を痛めてしまうかもしれませんので注意しましょう。
先述した通り、クマ歩きのポイントは「手」です。足は走ったり歩いたりすることで普段から鍛えられますが、幼児は特に上半身や手を使う経験が少ないもの。
日頃から、
・自分の荷物は自分で持つ
・手足車
・ぞうきんがけ
などを取り入れて、遊びながら手や上半身の力を鍛えていきましょう。
最初はゆっくり線の上をまっすぐクマ歩きで進んでいき、最終的には障害物をスムーズに曲がってこれるといいですね。その際にクマ歩きの様子を動画に撮ってみるのもおすすめです。親子でクマ歩きの動画を撮り合って「肘を伸ばすとかっこいいかもね」などとアドバイスしあって楽しみながら取り組んでみてください。
大村先生によるクマ歩きの模範演技はこちら!
伸芽会では会員限定で受験体操クラスを開講しています(池袋本部教室、自由が丘教室、飯田橋教室、吉祥寺教室、渋谷教室の5校)。年中年長の1回80分、月3回の指導となります。
運動能力の向上だけでなく、「目標達成に向けて努力する力」「人ときちんと関わる力」「感情をコントロールする力」などの育成を目指します。名門小学校合格に向けて、お子さま一人ひとりの個性に合わせた指導をいたします。お気軽にご相談ください。
https://www.shingakai.co.jp
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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