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共働き家庭が小学校受験で合格するために知っておきたいこと│大原英子さん対談【第2回】

共働き家庭が小学校受験で合格するために知っておきたいこと│大原英子さん対談【第2回】

言葉自体は知ってはいるけれど、いまいち実態がわからないという人も多い小学校受験。そこで、これまで数千人を超える親子にアドバイスをしてきた幼児教育コンサルタントで小学校受験専門「コノユメSCHOOL」を運営する大原英子さんにお話を伺います。第2回のテーマは「共働き家庭が小学校受験で合格するために知っておきたいこと」。伸芽会の託児サービス「伸芽’Sクラブ(しんが~ずクラブ)」責任者の梅國先生とのスペシャル対談でお送りします。

大原英子先生
幼児教育コンサルタント。東京大学卒業後、自身の母親が30年続けている受験絵画教室のメソッドを活かし幼児教室を創業。その後、株式会社コノユメを設立し、現在は私立小学校受験を目指すご家庭を応援する「コノユメSCHOOL」を運営し、早稲田実業学校初等部、慶應義塾幼稚舎・横浜初等部をはじめ難関小学校に合格者を送り出している。これまで指導してきた親子はのべ2,000人以上。SNSでも精力的に発信を行っている。
X(@ohara_konoyume)、Instagram(@oooohara00

伸芽会 伸芽’Sクラブ顧問 梅國寛先生  伸芽会 伸芽’Sクラブ顧問 梅國寛先生  
仕事と伸芽会式教育による受験対応型の育児を両立できる教育保育施設「伸芽’Sクラブ」の立ち上げメンバーで、現在顧問。プライベートでは、長女は海外の大学に進学、次女はテニスのジュニア選手として国際大会で活躍する2児の父。Instagram(@shinga_s_club

共働きでも小学校受験はできる!?

__お二人にお聞きします。共働きでも受験をおすすめしますか?
大原先生:共働きでも小学校受験はできますが、おすすめするかはそのご家庭が、お子さんの将来をどう考えどんな小学校を選ぶのかにもよります。

少子化の今は「子どもが学ぶ環境を選ぶ受験」になりつつあります。加えて、子育て世代の半数以上が共働きの時代ですから、共働きでも小学校受験をするご家庭が増えており、世の中的にも小学校受験のニーズは変わってきていると言えます。

とはいえ、小学校受験には時間とお金がかかります。働きながらの子育てだけでも大変なことですから、それに加えた受験準備は相当なものです。特にお母さんの負担が大きくなりがちなので、その覚悟を持って臨めるかは事前に考えていただく必要があると思います。

梅國先生:伸芽’Sクラブでお預かりする方の中には「質の高い幼児教育を与えたいけれど、受験をするかは決めていない」という方もいらっしゃいます。

多くの場合は小学校受験を誤解していることが多いので、客観的な事実や名門校に通わせる意味をお伝えした上で、最終的にはご家庭の判断になります。

加えて、私も子育てを経験して実感しますが、忙しい共働きだと、「気づいたらもう中学生!?」というくらい、子どもの成長はあっという間です。

中学生・高校生と、思春期の子としっかり向き合って将来のことを話すのは意外と難しく、夫婦喧嘩や親子喧嘩が勃発するご家庭も少なくありません。

ですから、「わが子にはどんな子に育ってほしいか、どんな教育を受けさせたいか、どんな校風が合っているか」を、小学校入学前に夫婦で話し合い共有できることは、子育てにおいてとても重要だと思っています。

これが、私が小学校受験をおすすめする理由のひとつです。

共働きの最大の悩み「時間がない!」をどう補うか

__その「時間がない!」をどう補えばいいのでしょうか?
大原先生:共働きの方からのお悩みでは、やはり「家庭学習の進め方」が一番多いですね。

保育園に預けて仕事から帰ってきてご飯にお風呂、寝かしつけをするだけでも大変な中で、どう受験準備の時間をやりくりするかは悩みどころです。おすすめは朝の時間の使い方。親子共に疲れている夜にお子さんの気持ちを盛り上げて課題をさせるのは至難の業ですから、朝に少しでも集中して取り組めるようアドバイスしています。

それと、家事を全部完璧にやろうと思わないこと。手を抜くことに罪悪感を感じないでほしいです。食事も愛情たっぷりの手作りが理想だけれど、疲れた時は「ご褒美だよ」といってデリバリーやお惣菜、コンビニだってOK。

お掃除の外注も活用しながら、自分の負担をいかに減らすかに注力してほしいですね。その分、土日は家族でおでかけできたほうがよっぽど効果的です。

梅國先生:忙しい日々でも家族で過ごす時間はできれば確保してほしいですが、たとえばクタクタの日曜日に朝から混雑した水族館や動物園に行くのも大変ですよね。

その点、伸芽’Sクラブでは平日のお預かりの間に、校外学習やピアノにバイオリン、体操、書道、プログラミングといった習い事も済ませられるので、共働きの方はそういったメリットを感じているようです。

共働きの小学校受験には「頼れる第三者」の存在が不可欠!

__改めて、仕事と伸芽会式の教育による受験対応型の育児を両立できる保育施設「伸芽’Sクラブ」の魅力とはどんなところでしょうか。
大原先生:働きながらでも受験準備が叶う伸芽’Sクラブは、本当に画期的なサービスでこの業界に風穴を開けたと思っています。

幼児教室は平日が中心で土日に模試が入ることも多く、さらに習い事もさせてあげたいけれど、土日が全部つぶれてしまうと家族のお出かけもできない。かといって、平日の午後早い時間の送迎は難しい。

だからこそ、平日の働いている間に小学校受験の準備や習い事をやってもらえると、親の負担は格段に減ると思います。共働きの小学校受験では「効率と優先順位」がキーワードになりますよね。

私が小学校受験をサポートするオンラインサービスを始めたのも、「お母さんがすべてやる必要はない」と思ったからなんです。

たとえば「ペーパーを読み上げる」「絵の描き方を習う」のは、お母さんじゃなくてもいい。
一方でわが子を褒めたり、一緒にお出かけしたり、お料理やお掃除などを一緒にするのはぜひ親と取り組んでほしいことなので、時間を有効活用してほしいですね。

梅國先生:「共働きでも小学校受験はできますよ」の受け皿が伸芽’Sクラブという位置づけです。

小学校受験にとって不可欠である体験遊びや生活習慣を普通の保育園だけで身につけるのは難しいので、そこをカバーできるようなプログラムを意識しています。

とはいえ、お預かりしているときはできても、家で全く復習や練習をしないと元に戻ってしまいますから、伸芽’Sクラブでは保護者のとのコミュニケーションをとても大事にしています。

毎日のお迎え時の個別対応にくわえて、電話や面談で日々の状況を共有しながら、その子の目標や課題を一緒に考え成長を促していきます。

大原先生:おっしゃる通り。お教室に通うだけじゃダメなんですよね。そこがまた共働きには難しい(笑)。

だからこそ、頼れる第三者の専門家(幼児教室など)がいるのは非常に大事だと思います。小学校受験って家庭での在り方を問われるものだからこそ、そこに対しての理解がある専門家が近くにいると、時間がない中でも右往左往せず効率的に対策できます。

その一方で、働いていると効率を求めて先回りしすぎる傾向もあるので、「今は学んでる最中だから見守って」など見通しをもって指摘してもらえるとよりいいですよね。

梅國先生:親は時間がないため、親は最短距離を進みたいと思いがちです。しかし、幼児期の学びに最短ルートはないので、「今はこれで大丈夫、こういうものですよ」と安心を与えることが幼児教室の役割だと思っています。

ご家庭の考えや親子の関係をわかっていないと、アドバイスが逆効果になってしまうこともあるので、ご家庭との信頼関係は大切ですよね。

大原先生:他にも、「上の子の受験準備につきっきりだと、下の子に何もしてあげられない」という声も聞くので、伸芽’Sクラブで下の子を見てもらって早めに受験準備をお願いするという使い方もありそうですね。

梅國先生:実際にそういう方もいらっしゃいます。送迎サービスもありますので、ご兄弟一緒にお預かりすることも多いですよ。

共働きは受験のメリットにもなる!

__共働きが受験のメリットになることはありますか?
梅國先生:ダブルインカムという経済的な面での強みに加え、ある意味受験を仕事のようにとらえ、やることさえわかってしまえば逆算したスケジュールを計画的に進めることができる人が多いという利点はあると思います。

大原先生:ほかには、仕事をしていると頭の中が「受験だけ」にならないのは利点かなと思います。朝から晩まで受験のことを考えていると、親御さんも苦しくなってしまいますが、働いていると、そうはいかないのがかえってメリハリをもって関われるのではないでしょうか。あと受験情報って中には本当か疑わしい“眉唾物”の噂や情報もあるので、お仕事で数字やデータを扱う方は、情報も客観的かつ冷静に見られるというメリットもあるかもしれませんね。

お父さんの参加をプレッシャーに感じなくてOK

__最近では、小学校受験のお父さんの参加が増えたと言われていますが、実際に感じる変化はありますか?
梅國先生:この10年でお父さんの参加は格段に増えましたね。

昔は、模擬面接に連れて来られた感満載のお父さんが多かったですが(笑)、最近は熱心な方が多く、面談にお母さんではなくお父さんが来られるご家庭もあります。

大原先生:熱心なお父さん増えた一方で「うちの夫は積極的じゃないから受からないんじゃないか」という相談もあります。

「受験準備は家族一丸となって」と聞き、焦って分担して夫婦喧嘩になるご家庭もあるようです。

私は、それぞれの家庭のベストを模索していただきたいと思っています。ひとつ懸念点をあげるとすれば、熱心になりすぎて“お母さんみたいなお父さん”にならないこと。

夫婦で同じ熱量で全力疾走では子どもが可哀そうですから、片方がヒートアップしたらもう片方がおさえる役割が理想だと思います。

梅國先生:夫婦の役割分担が理想ですが、バランスが取れていたらそれが一番ですよね。

ただ、学校によっては夫婦の参加や役割分担を聞かれるところもあるので、学校選びでも父親の参加加減を意識されると安心かと思います。

時間のない共働きはオンラインの伴走サービスもおすすめ!

__最近の小学校受験では集団の幼児教室に通いながらオンラインサービスも活用するのが主流なのでしょうか?
大原先生:実際に小学校受験でもオンラインサービスを活用される方は増えています。ただ、わが子に今何が必要かを見極めたり子どもとの相性もあるので、慎重に選ぶ必要はありますね。

もちろん対面でしか学べないこともありますが、行き帰りの時間はかかるし、行って満足してる人も多い。特に時間のない共働き家庭には、オンラインの伴走サービスは相性がいいと思います。

実際に私の生徒さんで「朝忙しい時間に10分、大原先生の動画で絵を描く」など、生活の中に組み込んで合格された方もたくさんいらっしゃいます。

私がひとつお伝えしたいのが「iPadもPCもまだ触らせたくない」というご家庭が一定数いらっしゃることです。

今の小学校では1人1台の端末が当たり前ですし、最近では小学校受験の試験でiPadで動画を操作する学校もありますから、やみくもに否定するのではなく上手に取り入れてほしいと思っています。

オンラインのメリットとしては、親が教えるとバトルになることも動画だと平和に進むこと。

私が運営する「コノユメSCHOOL」では描いた絵を送ってもらうことがあるのですが、スクール生は「先生に送る!」と楽しんで取り組んでいます。

誰かに褒めて認めてもらえる存在は子どもにとっても大事なんです。他にも毎週末にライブ講座で学校情報や親のメンタルのことなどを話していますが、まさに幼児教室の伴走役として叱咤激励してもらえる身近な親戚のような存在になれたらと思っています。

梅國先生:対面とオンラインどちらのよさもありますし、そういう活用の仕方もあるんですね。勉強になります。

合格のカギは親のメンタル「頑張っている自分を褒めよう!」

__最後に、共働きで小学校受験をされるご家庭に、メッセージをお願いします。
梅國先生:私は人生の初期設定は幼児期でほぼほぼ決まると思っています。共働きであってもなくても、子どもの人生や教育をどう選択をするかを考えることは子育てにおいてとても大事なこと。
小学校受験がその選択肢のひとつにあればうれしいです。

伸芽’Sクラブは、共働きで小学校受験をされるご家庭の“親子コンサルタント”であり“頼れる第三者の専門家”です。

もちろん受験のサポートも行いますが、お子さんをお預かりする保育施設として、お迎えの時に仕事やご夫婦の些細な愚痴を言えるような身近な存在としてもご活用いただければ幸いです。

大原先生:働いていると家事も教育も仕事も中途半端で達成感がない……などと不安に思うこともあると思いますが、やれてない自分に罪悪感を感じないでほしいですね。

まずは、あれもこれもそれもがんばっている自分を褒めてあげないと、子どもも笑顔になれません。

親も子もできないことはありますから、一緒に取り組むことが大事。後悔のないように頑張りましょう。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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