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幼稚園受験の園選びと必要な対策、小学校受験との違いを解説!

幼稚園受験の園選びと必要な対策、小学校受験との違いを解説!

「幼稚園受験は小学校受験に比べてペーパーテストがないので難易度という視点では楽」という声もありますが、一方で「親の考えや子どもとの関わりが見られるので親の負担が大きい」というのも事実です。

そこで今回は、伸芽会で幼稚園受験クラスを担当している熊倉孝子先生に、幼稚園受験をする・しないの決め方やする場合の対策、園選びのコツ、小学校受験との違いについて教えていただきます。

幼稚園受験のメリット

__幼稚園受験のメリットを教えてください。
まず、幼稚園受験をする目的としては、大きく2つのご家庭のタイプが考えられます。

・タイプ1 高校や大学までの一貫校を受験することでのびのびとした学童期を過ごしたいと考えるご家庭
・タイプ2 小学校受験を見据えて受験に必要な生活環境を求めているご家庭

それぞれのタイプ別の主なメリットとしては以下の通りです。
【タイプ1のメリット】
・一貫校ならではの人との関わりや教育内容の充実
・キリスト教教育や理想とする教育方針がしっかり身につく
・受験にとらわれず、将来の選択がゆっくりできる

【タイプ2のメリット】
・親の意識が高く、生活習慣や礼儀も身につけることができる
・小学校受験をするご家庭も多く、自分に合った小学校選びができる

などがあげられます。

幼稚園受験に向いている子どもとご家庭の特徴

幼稚園受験に向いている子どもとご家庭の特徴
__幼稚園受験に向いている子どもや家庭の特徴はありますか?

【求められる子どもの特徴】
・一定の母子分離ができる
・年齢相応に身の回りのことができる
・人の話を聞く姿勢がある
・簡単な課題ができる

園によって求めるレベルはさまざまですが、たとえば試験会場で「泣いたらダメ」ではありませんが、試験中ずっと泣いていると、学校側もその子がどんな子かわからないので、「入園準備がまだ整っていない」と判断される可能性はあります。

また、月齢差が大きい時期なので、生まれ月を考慮した試験を行う園もありますが、入園後は一緒に生活することを考えると、ある程度集団の中で困らない力が求められます。

【求められる家庭の特徴】
・幼稚園受験に興味がある
・園の教育に共感できる
・謙虚な気持ちがある
・ご両親が一致した考えで子と共に成長する気持ちを持っている

幼稚園受験の場合、生まれてわずか2年足らずですからどの子もさほど差はありません。子どもよりも重要なのは“親の覚悟”です。なぜなら、幼稚園受験は小学校受験や中学受験と違って家庭生活が問われるからです。

園によって求められるしつけを生活の中に落とし込んで向き合える時間を作れる覚悟があるかが一番のポイントとなります。

幼稚園受験の対策を始める時期と必要な対策

幼稚園受験の対策を始める時期と必要な対

__幼稚園受験の対策を始めるには、いつ頃からどのような対策をすればいいでしょうか?

<始める時期について>
幼児教室での幼稚園受験対策は、2歳児(3月までに2歳になる歳)の11月からが一般的ですが、1歳から始める子もいます。

「たった1歳から何ができるの?」と思われるかもしれませんが、早くから外の世界を知ることは発達においてもよい刺激になりますし、自立を育み、母子分離が早く進みます。

家の中だとどうしても甘えてしまう年齢ですが、集団の授業を通して見違えるように成長していきます。

<幼稚園受験対策クラスはどんなことをするの?>
まずはお教室に慣れる練習から始めます。伸芽会の幼稚園受験対策コース(2歳児)では、週に1回の授業の中で、制作・歌・運動などの活動を楽しみながら、「見る力」「聞く力」「挨拶やお礼」「順番を守って並ぶ」といった生活習慣を繰り返しながら身につけ、幼稚園受験で問われる社会性や協調性、積極性を伸ばしていきます。

幼稚園受験では、「親子遊び」「親子面接」など、親子一緒の課題があります。誰かに見られながら遊ぶというのは、緊張しますし、普段見慣れない紺色の洋服を着ていたりしますから子どもにとっても特殊な環境です。そのため、伸芽会では2歳児クラスから月4回のうち1回を「親子参加の授業」にして、親子の関わりを見ながらアドバイスしています。

ちなみに、親子遊びの考査では、「子どもと同じ目線で遊べるか」「放置しすぎ、手出ししすぎていないか」「わがままが出たときにどう声をかけて気持ちの切り換えができるか」などが見られています。

・幼稚園受験が激化する港区の幼稚園受験事情に関しては、こちらの記事をご覧ください。
幼児教室に通わないと入れない!? 過熱する港区の私立幼稚園事情とは?

幼稚園受験対策で親が注意したいこと

幼稚園受験対策で親が注意したいこと
__幼稚園受験対策において、親が注意するべきポイントを教えてください!
2歳児はイヤイヤ期もありますが、多くのご家庭が「子どもに振り回されすぎている」と感じます。そのため、親は普段から以下のようなことを心得ておきたいですね。

・時間がないからと手出し・先回りしすぎない
・気持ちにも時間にも余裕をもって、子どもの頑張っている姿をほめる
・子どもに「できた!」という感覚を体験させる
・子どもがあきらめずに頑張れる声掛けや工夫をする
・他の子と比較しない

また、2歳児とはいえ、親の表情をよく見ていますから、直前期に親が不安そうにしているとわが子にも伝わってしまいます。子どもの前では動揺したり不安がったりするのは控えましょう。

幼稚園側も課題で100点をとる子がほしいわけではありません。課題を通じて「楽しもうとする姿」「目を見て話を聞ける子」「上手下手ではなく一生懸命取り組む気持ち」などを見ているのです。

幼稚園受験を失敗しない園選びのコツ

幼稚園受験を失敗しない園選びのコツ<

__わが子にあった園選びのコツを教えてください!

その① 家庭の教育方針を決める
まずは、「一貫校でのびのび育てたい」「小学校受験を見据えた園で対策をしてほしい」「グローバルな教育を受けさせたい」「キリスト教教育で思いやりのある子にしたい」など、ご家庭の教育方針から幼稚園に求めることを決めていきます。

その② 説明会に行く
春頃開催される説明会に行き、①と幼稚園の教育方針がマッチするかを見ていきます。先生方のお話に共感できるか、宗教教育の場合その教えに賛同できるか、園が求めるしつけのレベルや試験内容、さらに親の行事参加や送迎時間などもチェックしておきましょう。

その③ 体験保育や見学会に行く
ご自分で実際に園のようすを見てイメージと一致するか確かめてみましょう。

・園選びや説明会についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
わが子に合った幼稚園、小学校を選ぶ3つのポイント
幼稚園・小学校説明会の注意点・確認すべきポイント【伸芽会監修】

幼稚園受験と小学校受験の違いは?

__幼稚園受験と小学校受験の違いを教えてください

【子どもの負担】
幼稚園受験では課題が少ないため、「子どもの目標に到達しなければ」という負荷も少ないと言えます。とはいえ、小学校受験より募集人数が少なく狭き門であることは間違いありません。

一方、小学校受験では ペーパーテスト、集団テスト、運動テストなど試験内容が多岐に渡るため、時間をかけて努力する姿勢や、生活習慣や絵画制作も一定レベルまで達することが求められます。

【親の負担】
一般的に幼稚園受験は親の比重が8割だと言われています。なぜなら幼い幼児に完成されたものを求めることはできないので、親を見て「どんなことを大切に育てているか」を判断するからです。幼稚園受験では生活の中で心掛けること、生活全般の見直しが必要です。

一方、小学校受験では子どもと一緒に課題を乗り越える努力が必要となります。そして、両方の受験に共通するものとして「身の回りのことは自分でする」「物を丁寧に扱う」「目を見てお話ができる」「与えられた課題に一生懸命に取り組む」などがあります。

年齢や時期に応じた課題や手先のことを生活に取り入れることが大切です。生活スタイルと親の考え方で違ってくるものなので、どちらが合うかは幼児教室でご相談されるとよいでしょう。

__幼稚園受験や小学校受験をするか迷っている段階で幼児教室に行ってもいいのでしょうか?
もちろんです。伸芽会では、入会時点で幼稚園受験・小学校受験をするかが明確なご家庭ばかりではありません。

お教室やご家庭での様子、お父様とお母様が「何を大事にしているか」についてお話しながら、受験をする時期や、どんな学校が合っているのかなど、ご家庭にとって最善の選択を一緒に見つけるお手伝いをさせていただきます。

幼児教室で学ぶことはその子の成長の手助けになると同時に、わが子の将来を考えるきっかけになると考えています。まずはお気軽にご相談ください。

・実際に幼稚園受験をしたご家庭のエピソードは、こちらの記事をご覧ください。
幼稚園お受験ママたちのリアルお受験エピソード!ホンネで語る覆面座談会①

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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