この時期をどう過ごすかで合否が決まる!? 「小学校受験1ヵ月前の過ごし方」

小学校入試本番まであと1ヵ月。直前期になるとママがイライラしたり、不安になったり、あらぬ噂に振り回されてしまったり、または子どもがスランプに陥いりさらにママが落ち込むのは、この時期のあるあるです。とはいえ、子どもたちは試験の前日はもちろん、試験でも伸びるのも事実。そんな直前期をどう過ごすかで合否は変わってくると言っても過言でもありません。そこで、幼児教室 伸芽会の先生方にお聞きした「小学校入試1ヵ月前の過ごし方」をまとめてみました。
目次
入試1ヵ月前に最も重要なのは“家庭の安心感”
「子どもにとってこの時期一番大事なことは家庭の安心感です。ママとパパが仲良しでなくては、お子さんも“家族って大事だな”と感じられないはずです。また、パパやママから互いの愚痴を聞かされている子は両親への不信感を抱きます。何も子どもの前で全てを正直に言うことはありません。愚痴を言いたくなることもあると思いますが、少なくともお子さんの前では仲良しを演じてあげてください」(伸芽会飯田先生)
特に直前期は、家族の距離を近くするよう意識して、“家族でいる楽しさ”をお子さんに伝えてあげましょう。それが結果的に面接でお子さんが「家族の素敵なエピソードが言えた」につながるかもしれません。お子さんの前で「ママのこと好きだよ」「いつもありがとう」などの言葉も効果的です。
合否のカギは直前期のパパにあり!
家事、育児、試験対策に加え、直前期は面接や親の準備もあり、ママはいっぱいいっぱい。そこでパパにお伝えしたいのは、ママへの感謝の気持ちを言葉に出して伝えること。
「多くのご家庭では、パパよりもママの方が圧倒的にお子さんといる時間を作っています。これは“ママに時間がある”のではなく、“時間を捻出してくれている”のです。そこを忘れてはいけません。その上で、落ち着いて共感してあげてほしいのです。
また、ママがついあれこれやらせすぎてしまい直前期にスランプに陥るということはよくあります。この時期こそ休みの日にあえて家族で楽しい予定を入れたり、お子さんやママをリフレッシュさせてたり息抜きさせるのもパパの大事な役割です」(伸芽会飯田先生)
1ヵ月前の過ごし方「学習編」「生活編」
1ヵ月前の過ごし方のポイントを「学習編」と「生活編」に分けてご紹介していきましょう。
【学習編】
ポイント① 完璧を求めすぎない!
1ヵ月前となると、できないことに目が行きがちですが、試験本番で満点を取って合格する子はいないことを肝に銘じて、完璧を求めず、今できることを精一杯やればいいというスタンスを家族で徹底しましょう。
ポイント② 花マルに始まり花マルで終える
難しい問題ばかりをやらせたい気持ちもわかりますが、基礎8割、応用2割のイメージで。最初と最後には得意な問題で「できた!」と自信が持てるよう、花マルに始まり花マルで終えるよう意識しましょう。
ポイント③ やりすぎはスランプのもと。適度に息抜きを!
この時期お子さんにとって一番怖いのがストレスです。1時間ママとの学習時間があったら、20分はパパが一緒に遊ぶ、散歩にいくなどお子さんを受け止める時間を作ってあげてください。プロのサッカー選手は試合前日に最もハードな練習はしませんよね。入試も同様です。心身ともにコンディションの調整をしないと試験本番にダメージが残りやすくなってしまいます。ストレスからスランプに陥ることもあるので、思い切って休んで1日おでかけして気分転換するのも効果的です。
【生活編】
ポイント① 「切羽詰まっていない男子」には動画を見せてやる気ムードに
「特に男の子に多いのが、本人が直前期でも切羽詰まっていないケース。ママはそれにもイライラしてしまいますから、その場合はパパが“来年から小学生なんだから今ちょっと頑張ってみようよ!”と声がけしたり、過去のお子さんの動画を見せて“このとき〇〇君かっこよかったよね。それを小学校の先生に見せてあげない?”などとやる気になるムード作りを意識してください。もちろん、そのためには普段の生活でパパがダラダラしていてママに怒られるなんてことがないよう、子どもにとってかっこいいパパでいることが第一です」(伸芽会飯田先生)
ポイント② 他の子と比べず自信を持たせる
「直前期は、体調管理に気をつけるのはもちろん、受験を意識しすぎて子どもを追い込まないよう、家族が団結して乗り越えていくことが大切です。また、新しい環境への期待感を持たせることも子どものモチベーションアップになるでしょう。
さらに、提出書類は早めに準備する、人と比べずに子どもに自信を持たせる、これも忘れてはいけない大事なポイントです」(伸芽会佐藤先生)
ポイント③ 試験を見越した朝方の生活に慣らしていこう
「秋は運動会などの行事も多いので体調が崩れやすい時期です。睡眠時間や栄養をたっぷりとって、規則正しい生活を心がけましょう。また、試験は午前中から行われますから、朝から頭働くよう、家族みんなで意識的に早起きをする習慣をしていきましょう」(伸芽会佐藤先生)
1週間前にチェックしたいこと
あと1週間と焦りがちですが、この時期の子どもたちは試験前日まで伸びます。学習や生活習慣は崩さず、落ち着いて普段通りを心がけましょう。
とはいえ、当日うっかりして忘れ物がないよう持ち物チェックリストを作ったり、当日の交通手段のシミュレーションなども余裕をもって行いましょう。もちろん、子どものことでいっぱいいっぱいになりがちですが、面接がある場合は大人の準備も忘れずに。
以下の「先輩ママたちからのアドバイス」を参考に準備してみてください!
・当日の子どもの服装のサイズ確認をする(お父さんの服装や髪型確認も忘れずに!)
・天気予報を見て雨具や防寒具を家族分用意する
・下のお子さんがいる場合は預け先なども確認する
・試験中の待ち時間が長い場合は時間をつぶせる本(大人用子ども用)などがあるといい
試験前日~当日の「OKな声がけ」と「NGな声がけ」
本番前日や当日は大人も子どもも緊張するもの。そこで親が意識的に伝えたいこと、伝えてほしくないことをまとめてみました。
【OKな声がけ】
「パパとママが選んだ学校は素敵な先生だから安心して」
「いつも通り普通にやればいいよ」
「全問正解で受かる子はいないよ」
実際に合格者に満点を取る子はいません。失点が少なければいいのです。ですから、何事も興味をもって普段通りやればいいのです。ですから、親御さんはお子さんに自信を持たせて、できる限り普通に過ごしましょう。
「お兄さんお姉さんになったわね」と今までやってきたことを認めた上で、「それをそのまま学校の先生たちに見せてくればいいんだよ」と伝えましょう。
【NGな声がけ&行動】
「今日さえ頑張れば明日から何もしなくていいよ」
「気合いで頑張れ!」
「緊張のあまりママが般若顔&速足」
「『今日で試験は終わりだから、今日さえ頑張れば明日から何もしなくていいからね』。純粋な男子などは、『じゃあ今日からやらない!』と本番を投げ出しかねません。また、大人と違って6歳の子に『気合いだ!』と言っても期待に応えようとはならず、プレッシャーになるだけです。さらに、子どもよりママの方が緊張しすぎてガチガチの般若顔でお子さんの手を速足で引っ張って試験会場に入られる光景を見ることがあります。ママの顔が怖いと子どもは不安になります。緊張していても笑顔で送り出してあげましょう」(伸芽会飯田先生)
【交通手段や朝ごはんもいつも通りで】
「面接試験では『今日何を食べてきましたか?』と朝ごはんのメニューを聞かれたり、『ここまで何で来ましたか?』と交通手段を聞くことがあります。もちろんいつも通りで構いませんが、子どもは正直に話しますから、『特別にタクシーで来ました』『時間がなくてコンビニのおにぎりです』などと言われて焦らないよう、頭の片隅に置いておくといいでしょう」(伸芽会佐藤先生)
合否の受け止め方
これは家庭によって考え方が異なると思いますが、以下の3点に注意しましょう。
①真実をありのまま伝える必要はない
②子どものせいにしない
③近隣の学校の悪口を言わない
「私は、何も子どもに『〇〇小学校は不合格だった』と正直に伝える必要はないと思っています。国立には試験にくじ引きがありますから、たとえば私学にだってくじ引きがあると言ったっていいんです。『ごめん、ママがくじはずしちゃった』だっていい。いずれ大きくなったらバレるかもしれませんが、何も6歳の子に本当のことを伝えてモチベーションを下げて別の学校に入学させることはないのではないでしょうか。
さらに、結果的にわが子が地元の公立小学校に通うこともあるかもしれませんし、そこに近所のお友達も多く通うことになるはずですから、近隣の『〇〇小学校はよくない』などの悪口は決してお子さんに言わないようにしましょう」(伸芽会飯田先生)
小学校受験が小学校は義務教育ですからどこかの学校には必ず行くことになります。ですから、「この学校に行かなきゃダメ」と家族で追い込まないことが肝心です。伸芽会の先生方も「余裕を持って頑張らせたご家庭の方が、いい結果になっていることが多い」と話します。
「子育てはまだまだこれからが本番です。F1レースで例えるならば、合格は予選に勝ってポールポジションにいるだけ。本当のレースはこれからです。小学校受験がお子さんを傷つけることのないよう、メリットになってほしいと思います」(伸芽会飯田先生)

1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+、朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。
佐藤眞理先生(伸芽会教育研究所 主席研究員)
幼児教育指導歴35年。子どもの潜在的な力を引き出す指導と適格なアドバイスで、有名小学校や幼稚園に多数の合格者を送り出している。著書に『伸芽会式 子どもを伸ばす家庭教育「5つの力」(講談社)』。
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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