共働きでも小学校受験できる!? 【新連載】第1回 保育園児で小学校受験。合格の秘訣を経験者がアドバイス!
コロナ禍以降、私立小学校を検討するご家庭も増えています。とはいえ、実際のところ「共働きでも小学校受験できるの!?」と感じてらっしゃるご家庭も多いのではないでしょうか。そこで今回は、保育園に通わせながら小学校受験を乗り切った皆さんにアンケート調査をお願いし、合格の秘訣や夫婦の役割分担、学校選びのポイントまでをご紹介していきます。
目次
共働きでも小学校受験を決意する家庭が増えている理由
少子化にもかかわらず、小学校受験の受験者数はここ数年増加傾向にあります。特に新型コロナ感染拡大による学校の一斉休校でいち早くオンライン授業に対応した私立小学校への注目が高まり、コロナ禍でもお受験に挑む家庭が増えているといわれています。
実際に、共働き家庭が小学校受験を決意した理由を聞いてみると、
・中学受験の大変さを知り(経験して)回避したかった
・コロナ禍で子どもの教育について考えることが増え、教育理念に共感した学校で学ばせたいと考えた
・保育園が自宅から離れていて学区内の友達がおらず馴染めるか不安だった
という回答がありました。
「学区内の小学校の8割近くが中学受験をすると知り、フルタイムではそのサポートができないと実感した」「上の子の中学受験の実体験から、二人目は小学校受験を使用と思った」と過熱する中学受験を理由に早めに小学校から私立へと考えるご家庭も少なくないようです。
夫婦の役割分担はどうしたらいい?
小学校受験の対策は、学習面はもちろん、幼児教室の送迎や生活面、運動対策と多岐にわたるため、共働き家庭では夫婦の役割分担は必須です。
例えばこんな感じです。
【夫婦の多役割分担~学習・生活面】
・幼児教室の送迎は母親、模試や遠征講習などの送迎は父親が担当
・スケジュール管理とお勉強は母親がメイン。父親は休日の息抜きや運動課題
・学習と運動対策は父親、母親は生活面と下の子の面倒係
【夫婦の多役割分担~家事面】
・洗濯は父親、料理と掃除は母親
・朝食と食材の買い出しは父親、夕食と洗濯は母親
・料理のみ夫婦共同でその他はメインが母親で父親がサポート役
多忙な共働き家庭では、小学校受験をする以前から家事の役割分担が当たり前と考えている家庭が多く、その点は専業家庭よりも有利と言えるかもしれませんね。
1週間の家庭学習スケジュールの捻出方法
リモートワークが増えたとはいえ、平日の昼間は仕事をしていて子どもは保育園。多忙なワーキングマザーたちはどのようにして小学校受験対策の時間を捻出しているのでしょうか。ちなみに、幼児教室は「新年中(年少のの11月)から土曜日に週1回、直前期は2回」という家庭がほとんどでした。
タイプ1 毎日の隙間時間でルーティーン作戦!
平日土日問わず、毎日ペーパー15枚。巧緻性2~3個などをルーティーンにしてしまうと、子どももやるのが当たり前になります。「当初、帰宅後に学習していましたが、寝る時間が遅くなってしまったため、毎日6時に起きて保育園前に学習し、残りを帰宅後に行うことに。土日や夜時間がある時は、工作や絵画を娘と一緒にしていました」(Rちゃんの場合)
タイプ2 小受対策可能な保育園にペーパーはお任せ!
月~金は園で昼食後に20分程度ペーパー対策取り組んでくれるお受験対策型の保育園を活用したケース。「ペーパー対策は基本保育園にお任せして、土曜でお教室の授業で間違えたところや保育園のペーパーで間違えたところを家で30分ほど復習して定着させるようにしていました」(A君の場合)
タイプ3 苦手な運動面は登園前の公園で対策!
月〜金は毎朝ペーパーや巧緻性を10分(保育園でもペーパー対策あり)、帰宅後にペーパー15分のルーティーンに加え、登園前に30分ほど父親と公園遊び(鉄棒やケンパー、ボール投げなど)で苦手な運動面を強化していたというケース。「平日頑張る分土日は他の習いごとや、外遊びや家族でお出かけに時間を使うようにしていました」(Bちゃんの場合)
保育園がペーパーや運動課題を見てくれる、いわゆる「小学校受験対策園」であることも共働きにとっては大きな安心材料になるようです。
生活課題は日常の中にいかに楽しく溶け込ませるかがカギ!
平日の日中ほとんどを保育園で過ごす子どもたちにとって、生活課題を習慣化させるのは至難の業。共働き家庭では、どんな工夫をしていたのでしょうか。
・保育園の着がえ袋を風呂敷に!
「りぼん結びや風呂敷包みが上達するように、保育園のお着変え袋を巾着や風呂敷に変えて、日々の生活の中に取り入れました」(Rちゃんの場合)
・車移動のCDは季節の歌や童謡にチェンジ
「休みの日の車移動中の音楽も、野菜の季節を歌にしたものや童謡など受験仕様にして、家族みんなで歌ったりしていました」(A君の場合)
・動画も活用しながら巧緻性課題を強化
「娘は工作や絵画などが好きだったので、動画で楽しそうな季節に関係する工作や巧緻性課題に繋がるような工作を見つけては、遊び感覚で一緒にたくさん作ったり、親子でテーマを決めてお絵かきをして発表し合っていました」(Bちゃんの場合)
皆さん、忙しい毎日でも日々の生活の中で楽しみがなら受験対策を取り入れるよう意識されていたようです。そして「土日は基本的に仕事をしない」と決めて子どもと身体を使う遊びをされていたご家庭も多くみられました。大人側がメリハリをもって生活をすることで、限られた時間を有効活用できるのかもしれませんね。
共働き家庭が小学校選びで重要視した4つのポイント
共働き家庭ならではの、学校選びで重要視した4つのポイントをご紹介します。
ポイント① 女性の社会進出や自立への理解度
わが子には、将来男女問わず活躍できる社会を望む声が多く、母親が働くことを含めた女性の社会進出や自立を応援している学校であるかを重要視して選んだというご家庭も多いようです。
ポイント② 給食や学童の有無
共働き家庭には給食や学童があると理想的です。「できれば給食や学童ありが理想でしたが親のエゴではと断念。最終的にはどう育って欲しいか、わが家と雰囲気や校風が合っているかを一番重視た」という声も。最近では共働き家庭の増加に伴い、オプションでお弁当を出す学校も増えてきています。
ポイント③ 中学受験を回避できるか
小学校受験の目的が中学受験回避である場合は、教育方針やカリキュラム、学校の雰囲気を考慮した上で、「内部進学率が高い学校か」「中学受験を回避でき高校まで進学できる学校か」どうかも事前によくチェックを。
ポイント④ 保護者が平日に学校へ出向く頻度
「ある学校はコロナ禍でも頻繁に学校見学会やオンライン説明会を行ってくださったのですが、週末平日を問わず行われるため、入学後もこの感じで参加が求められるのであれば共働きには厳しいと判断しました」というケースも。PTAを含む保護者参加の頻度は学校説明会などで必ず確認しておきましょう。
小学校受験における共働きのメリット・デメリット
小学校受験を経験され合格を勝ち取った共働きのご家庭に、改めて「共働き受験のメリット・デメリット」をお聞きしました。
【メリット】
・働いていることでスケジュール管理がしっかりできる
・文章を書き慣れている(願書対策などでも役立つ)
・面接に慣れている(面接で時事的なことを聞かれてもある程度返せる)
・両方働いているので、どちらか片方に受験対策を任せるということになりづらい
(夫婦で一つの大きなミッションとして取り組める)
【デメリット】
・時間の捻出が困難で、仕事をセーブしないと親の寝る時間を削ることになる
・専業主婦の子の家庭学習時間の多さを聞いて動揺しないよう、強いメンタルが必要になる
・自分のことは二の次で受験以外のことは出来なくなる
・面接や説明会など、会社を休むことが増えるため職場の理解が必要
「大変とは聞いていたけれど、ある程度は想定の範囲内でした」という方も。先を読んで早め早めに準備をしておけば、複数のタスクをこなすなどのスケジュール管理が慣れていたり、日頃から面接に慣れているワーキングマザーにとってはメリットになるとも言えます。
共働きでも小学校受験をしてよかったこと
最後に、共働き家庭の皆さんに、「共働きでも小学校受験してよかったこと」をお聞きしました。
・受験で生活スタイルが自然といい方向に矯正されました
「受験がなければ、わが家の場合は子育てをもっとかなりないがしろにしていただろうと想像できます。受験メソッドに沿って親子で自然体験等を重ねるうちに、結果的に自然な形で生活全体がいい方向に矯正されていきました」(A君のお母さま)
・「時短・効率」を重視した子育てを改めるきっかけに
「フルタイム共働きで夫婦ともに激務だったので、“時短・効率”を重視した親本位の子育てをしていました。しかし、受験を通じて子どもと向き合って成長を見守ることや、日本の行事、季節の遊び、自然体験など未就学児にとって大事な時間をきちんと全力で向き合って過ごすことができるようになったことが一番よかったことです」(Bちゃんのお母さま)
・家族の総力戦! 濃い時間を過ごせました
「仕事をしているとわが子と過ごす時間が少なくなりますが、短いからこそ密度を濃く過ごすことができました。苦労もありましたが、わが子の多くの成長を近くで感じられる幸せな時間でした。小学校受験は家族力が大事と言いますが、まさに家族が一つになれると感じました」(Rちゃんのお母さま)
いかがでしたか。やはりポイントは「限られた時間をどう有効活用するか」「集中して取り組めるか」にあるようですね。自分の家庭に置き換えて、これらの生活のイメージができるか、ご夫婦で話し合ってみるのもよさそうですね。
次回は、幼児教育のプロに「共働きでも小学校受験」についてお話を伺う予定です。
お楽しみに。
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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