幼児教室に通わないと入れない!? 過熱する港区の私立幼稚園事情とは?
最近は、名門一貫校の附属幼稚園ではなく、近所の私立幼稚園でも面接や簡単な試験があり、“幼児教室に通っていないと受からない”という最近の幼稚園事情をご存じですか?
特に港区にその傾向が高く、「若葉会幼稚園」や「愛育幼稚園」などの人気園は倍率が10倍近いこともあるそう。そんな港区で激化する私立幼稚園事情について、幼稚園受験を長年指導する幼児教育のエキスパートの先生にお話を伺いました。
目次
港区で私立幼稚園受験が激化する理由とは?
港区は土地柄、教育熱心な家庭が多く、幼児教育に関しても小さいときから通わせて、よりよい環境を整えてあげたいと考えている親御さんが多いのが特徴です。彼らの多くが目指したいのは、広尾にある慶應義塾幼稚舎(小学校)。そこに入れるために、少しでも有利な幼稚園を、となるわけです。
そんな受験を見据えたママたちに最も支持されているのが「若葉会幼稚園」と「麻布山幼稚園」、次いで人気なのが「愛育幼稚園」や「麻布みこころ幼稚園」です。他にも数園ありますが、試験日が異なるこれらの幼稚園を皆が3~5校受けますから、人気が集中する園は倍率が10倍近くになるわけです。
特に「若葉会幼稚園」と「麻布山幼稚園」を目指す方たちは、教育も積極的ですから早いうちから幼児教室に通います。そうすると、受験者のレベルも必然的に上がるため、「たまたま近所だったから申し込んだ」程度では合格が難しいという状況なのです。
人気が集中する港区私立幼稚園の特徴と向いている子とは?
以下はあくまで経験に基づく私の印象ですが、これらの園の特徴と向いている子についてお話します。(※費用の目安は2018年5月現在のものです。HP調べ)
子どもを一人前として扱うしつけで慶應義塾幼稚舎に多数合格!「若葉会幼稚園」
「若葉会幼稚園」は一言でいうと、自立のためのしつけが特徴。週に4日ある給食は完全間食(残すと別室で食べ終わるまで頑張る)がルール。一人一人を一人前に扱い、工作も発表も運動も地道に努力を重ねます。
こうした幼い時期の徹底したしつけが、後に慶應義塾幼稚舎に多数合格者を出す理由とされています。園側も園の教育方針に賛同する方を望みますので、親はしっかりとその方針に寄り添っていく必要があります。
こういう方針の園では、子どもが合う合わないの適正を見極めることがとても大切です。
仏教の教えを重んじるメリハリ活動。「麻布山幼稚園」
「麻布山幼稚園」は活動にメリハリがある園で、専門の先生による習字や絵画、工作などの造形活動にも熱心な仏教系の幼稚園です。お祈りの時間があったり、仏様を意識した幼稚園生活となります。
また、入園のための試験を3日間行うほど受験者数が多いのも特徴で、そこでは子どもと言うよりも両親の教育方針や考え方が問われます。「なぜここを選んだか」、「どこに共感したか」はとても重要なポイント。また、親が参加する活動も熱心で、共働きの親御さんも積極的に参加することが望まれます。
http://link.netcommons.net/azabusan/htdocs/
のびのび子どもらしく!「愛育幼稚園」
「愛育幼稚園」は、自由保育を重んじ、“子どもが子どもらしくいられる場所”を大切にしています。とにかく子ども主体で遊ばせることに重きをおき、泥んこ遊びを一日中している子もいるほど。
のびのびとした子どもらしい子が求められる傾向にあり、保護者にも、「わが子に幼稚園生活を楽しんでほしい」というご家庭を望んでいるように思います。
http://www.boshiaiikukai.jp/aiiku-y.html
子どもの個性を大切に!「麻布みこころ幼稚園」
「麻布みこころ幼稚園」は、キリスト系の教えを重んじ、一人一人の子どもの個性を大切に育てる幼稚園です。あたたかい見守り型の幼稚園ながらも、受験にも対応できるような丁寧な所作を教えてくれるので、小学校受験を視野に入れた親御さんにも人気があります。
http://tokyo.catholic.jp/catholic/kindergarten/k1/
幼稚園受験に幼児教室はなぜ必要か
前述した通り、小学校受験を意識した方に加え、いわゆる名門一貫校の附属幼稚園を目指す港区在住の方もこれらの私立幼稚園を受験します。全体として幼児教室に通って幼稚園受験を目指す方が多いので、レベルが高くなっているというのが現状です。
もちろん、自宅だけで子育てされている方でも合格しているお子さんはいらっしゃいますが、各園の考え方や方針、求める親子像の正しい情報を集め、わが子に向いている園を親が冷静に見極めるのは至難の業だと思います。その点、幼児教室は受験の実績がありますので、そこを相談できるというメリットがあります。
また、自宅だとどうしても甘えが出てきてしまうので、母子分離の練習や課題に取り組むのはとても大変ですが、幼児教室だとお友達や先生がいるので「やらない」「ヤダ」という子はほぼいません。自然と経験値を上げられる、という点も幼児教室に通う魅力の一つだと思います。
幼児教室ではどんなことをしているの?
小学校受験とは違い、これらの私立幼稚園の受験では特別な事は問われません。生活習慣や話を聞く力などをさまざまな課題や体験を通して学んでいきます。
たとえば、ある1歳児クラスでは、まず先生が何をしているのかをよく見て、話を聞く力を育てます。それが試験で課題を取組む際にも大事な基礎となるからです。
授業では、小さな子でも理解しやすいよう、積み木を積むなどのお手本の動作もゆっくり、所作は丁寧にするよう心掛けます。先生1人が子ども2人を見る体制のため、出来たことをすぐに認めてあげられたり、的確なアドバイスが出しやすい環境です。
特に幼稚園受験を目指す1~2歳児には、こうした少人数制の教室の方が、その子のペースで、確実な成長を感じやすいと思います。
合格するためには何歳から通うべき?
個人差はありますが、1歳の誕生日から通っている子の方が、2歳になってから通う子よりも合格の結果が出やすいのは事実です。2歳の4月の時点からでも合格する子もいますが(母子分離はできている場合)、2歳の11月が試験なので、1年間は準備期間に充てるといいですね。
特に早生まれの子は、「月齢が遅いからまだ無理かな」などと思わず、早い時期から教室に慣れさせることが重要です。
幼稚園受験で合格を勝ち取るために親がすべきこと
なぜ、週1~2回の授業でよいか。それは、1~2歳の子に最も必要なのは家庭で過ごす両親との密な時間であり、試験で見られるのも親と子の関わりであるからです。幼稚園受験で見られるのは、子どもというより親が大切と言われるのはそのためです。
特に、最近よく目にするのが、親が電車やバスの中で携帯ばかりいじっていたり、一緒に遊ぶ時間が少なかったり、目上の方や初対面の方にも友達のように話をしたり、敬語をしっかりと話せないお母さんたち。まずは親としての自覚をきちんと持つことが大切です。
必要なのは、親の意識を変えること!もちろんパパの意識もです(笑)!!
それと、幼児教室を複数掛け持ちすることは幼い子にはストレスがかかり疲れてしまうので、できれば信頼できる教室とご家庭の二人三脚で準備される方がいいと思います。
いかがでしたか。「子どもにとっていい環境を作るためには、教室選びはもちろん、何よりしっかりとした家庭の基盤作りが大切です」という先生の言葉が印象的でした。
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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