【ゼロから始める小学校受験】第5回 失敗しない学校選び「共学・男女別学・宗教系」のメリット・デメリットを知ろう
男女共学・男女別学・宗教系……。わが子に合う私立小学校とはどんな風に選べばよいのでしょうか。そこで、小学校受験のプロである伸芽会教育研究所の麻生先生に、男女別学と共学、さらに宗教系のメリット&デメリット、失敗しない学校選びのコツ、さらにどんな子に向いているのかを伺ってきました。
目次
学校選びは、わが子をどう育てたいかで決まる
__何を基準に志望校を選べばいいのでしょうか?
中には、学校の名前やイメージ、ブランドで選んでしまう方もいらっしゃいますが、それでは学校に対する熱意も伝わりませんし、何よりお子さんにとって本当に最良の環境であるかどうかわからないのではないでしょうか。
大事なのは、「わが子をどう育てたいか」の方針をはじめに決めること。規律正しく、のびのびと、メリハリのある、文武両道、グローバルな子に……。まずはご夫婦でどんな子になってほしいかをよく話し合うことが大切です。それから、そのご家庭の方針に合う学校を広く見ていけば、おのずと志望校が絞れてくるはずです。
学校見学は年中の冬までに一通りすませておこう
__志望校はいつ頃までに決めるべきでしょうか?
願書や面接など、学校による対策を考えると、遅くとも年長の春までには志望校を決めておきたいですね。年長の春からは日々の学習や課題、模擬テストなど実践的な対策に追われてきますので、年中のうちにある程度志望校を絞っておくとよいでしょう。そのためには、学校説明会や見学には年中や年少のうちから足を運んでおくと、余裕をもって準備ができます。
共学と男女別学のメリット・デメリットとは?
__共学と男女別学のメリット・デメリットについて教えてください!
男女別学というのは、男女の性差に合わせた教育ができるのが最大のメリットです。それぞれの性差に合わせたレベルでマナーやしつけに関する指導ができるのも魅力です。
さらに、異性の目を気にしなくていいので、たとえば男子校では、男の子が虫取りに熱中しても女子から冷やかされることはなく、今自分がやりたいと感じたことに思う存分取り組むことができます。
女子校では、さまざまな行事や日常生活において力仕事が必要な場合でも、女子だけで行いますし、リーダーシップを求められる場面も増えるので、自立した子になると言われています。
デメリットをあげるとすれば、異性との関わりが少ないことになりますが、これは習い事など別の場所で十分カバーできることだと思っています。とはいえ、共学を強く望まれる場合は、それがご家庭の方針となりますので、学校見学の際に何か違和感を感じることもあるかもしれません。入学後にもその違和感は増す可能性があるので、やめておいた方がいいかもしれません。
キリスト教系のメリット・デメリットとは?
__キリスト教などの宗教系学校のメリット・デメリットとは?
「神様からいただいた命を、誰かのために役立てましょう」という奉仕の心がキリスト教育の根幹となります。ですから、キリスト教の学校のメリットとしては、人格形成に関わる小学校の時期から他者への思いやりや規律を重んじた教育が受けられるため、社会に出てからも、人のために役立つ仕事をと考える方が多いことです。
また、見えないものに守られているという安心感の中で、広い視野を持ち他者を認められることで自己肯定感の高い子になると言えます。
「信者でないと入れないのか」と心配される親御さんも多いですが、決してそんなことはありません。キリスト教の教育に理解を示し賛同でした上で、一緒に親子で学びたいという気持ちを伝えられれば問題ありません。かつて、お寺のご住職のお子さんがキリスト教系の学校に入学された例もあります。
デメリットをあげるとするならば、学校によっては毎週日曜に協会へ礼拝しに行くというところもありますから、理解がない場合は負担に感じてしまうかもしれません。
小学校受験のプロによる、合う学校の見極め方
最後に、実際にどんなタイプの子がどんな学校に向いているのか、宗教のありなし、共学と男女別学の4タイプの学校別で、特徴をお聞きしました。
【無宗教系の共学に向いている子】
慶應義塾大学幼稚舎や早稲田実業学校初等部、成蹊小学校に成城学園初等学校といった、共学の無宗教系の学校は、自立や自由を尊重した校風が多く、活発で男女関係なく遊べる子が多くいます。
【無宗教系の男女別学に向いている子】
男女別学でも無宗教である女子校の日本女子大学附属豊明小学校や東京女学館小学校などは、比較的のびのびとした校風です。芯が強く、自分が納得するまでやり遂げる、正しいと思ったことを突き進める子が多くいます。
【宗教系の男女別学に向いている子】
雙葉小学校や聖心女子学院初等科、白百合学園小学校に東洋英和女学院小学部といったキリスト教系の女子校に向いているのは、楚々としていて一歩引いて見られる子。決しておとなしいというわけではありませんが、たとえば幼稚園や保育園の自由遊びの時間に、波長の合う女子だけで遊ぶことを好むお子さんが多くいます。
一方の暁星小学校、立教小学校といったキリスト教の男子校に向いている子ですが、両校共に校風が違うので、男の子の中で切磋琢磨させたいというご家庭であることが大前提となり、それぞれの教育理念に合致しているお子さんであることが大切です。
【宗教系の共学に向いている子】
共学の宗教系学校の代表的なものとしては青山学院小学校があります。ここは、正解が一つではない問題を試験に出すなど、型にはまっていない柔軟な発想が重んじられます。失敗を楽しめるへこたれない子、先を考えられる子などが向いていると言えます。
ただし、集団生活を送る上で、聞くべきときにきちんと話を聞く、相手を思いやる、協調するなどの基本的な学びや生活の姿勢は不可欠です。
【まとめ】
学校選びで大事なのは「どんな子に育てたいか」という家庭の方針。決して学校の名前だけで選ばないこと。宗教の有無、男女別学か共学かということだけでは、お子さんが向いているかどうか判断できるものではありません。広い視野で先入観にとらわれず、実際に出向いて考えてみること。また、見学に行った際に、その学校にお子さんが通っている姿が想像できるかどうかも志望校を決めるひとつの指標になるそうです。ぜひ参考にしてみてください。
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第1回「小学校受験って何?受験のメリットとは?」
第2回「公立・私立・国立小学校の特徴と選び方」
第3回「小学校受験の試験は何をするの?試験対策とは?」
第4回「幼児教室ってどんなところ?」
第5回「失敗しない学校選び「共学・男女別学・宗教系」のメリット・デメリットを知ろう」
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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