「小学校受験をやってみよう！」そう決意したら、まずは何から始めればいいのでしょうか。ここでは基本的な４つのポイントをお伝えしていきます。小学校受験は最初が肝心です。後々後悔しないためにも、しっかりと準備をしていきましょう。

その１　将来どんな子に育ってほしいかを夫婦で話し合う

小学校受験＝学校選びと思いがちですが、そのためにまずやるべきことは、「教育方針を夫婦で話し合うこと」。教育方針と言うと難しく考えてしまうかもしれませんが、「のびのびと自由な環境で興味のあるものを見つけてほしい」、「規律を守りながらやさしい子になってほしい」、「自主性と創造性を身につけてほしい」、「海外で活躍できる子になってほしい」……。お子さんの性格を考慮しながら、将来どんな子に育ってほしいかのビジョンを決めていきましょう。ここが夫婦でしっかりと合致していると、学校選びや願書、面接対策などでも、ブレなく正しい選択ができるようになります。

また、知り合いに私学に通うお子さんがいる場合は、実際にその親御さんやお子さんに会って話を聞いてみると「うちの子もこんな子になってほしい！」という理想の姿がきっと見えてくるはずです。

その２　広い視野で学校見学や説明会に行く

将来わが子に求める姿から家庭の教育方針が定まってきたら、次は学校選びです。家庭の教育方針と似た学校を見ていきましょう。

このときに注意したいのが、30年前のご自身の経験や学校名のブランドで選ばないこと！ たとえ小学校受験経験者といえども、状況は大きく変わっている場合があります。新しい気持ちで、まずは気になる学校の説明会や見学に行って広く情報を収集しましょう。

それまでなんとも思っていなかった学校でも、説明会に参加して校長先生の話を聞く中で「ぜひ通わせたい！」となる場合もあります。一方で「こういう方針の学校はうちには合わない」と再確認できる機会でもあります。先入観にとらわれず、ぜひ通える範囲の学校には広く足を延ばしてみてください。

また、いくら親が気に入っても通うのは子どもです。わが子が通う姿が想像できる学校を選ぶようにしましょう。

学校見学の開催時期は春～夏にかけての週末が多いので、共働きのご家庭はご夫婦で手分けしてもいいですが、情報や雰囲気を共有すると言う意味で、可能な限りご夫婦で行かれることをおすすめします。

年少のうちから2度3度行く中で志望校を決定される方も少なくありません。学校によって事前登録や予約が必要な場合や、コロナ対策でオンラインでの説明会を実施している学校もあります。事前にHPなどでよく確認をしてみてください。

その３　志望校の試験に沿った対策をしていく

年中の夏までに第一志望の学校が決まっていることが理想ですが、家庭の教育方針が固まっていればそこまで焦ることはありません。

志望校が決まったら、ペーパー試験のありなしなど試験内容も見えてきますから、それに合った対策をしていきます。志望校に強い（または合格実績のある）幼児教室に通ったり、試験に運動がある場合は体操教室、絵画制作がある場合は工作教室などに通う場合もあるでしょう。

もちろん、家庭での日々の対策も必要不可欠ですから、そこは幼児教室の先生と一緒に課題を見つけて、コツコツと取り組んでいきましょう。

その４　家族の生活習慣を見直す

家庭の教育方針、志望校が決まったら終わりではありません。忘れてはいけないのが、「生活習慣の見直し」です。小学校受験では年相応のできて当然なことが見られます。ですが、この“当たり前のこと”を未就学児に身につけさせることが難しいのです。

たとえば、

・規則正しい生活をしている（週末も早寝早起き）
・家族以外の人に自ら挨拶ができる
・人の話を最後まで聞ける
・着替えなどの身支度が自分でできる（服をたためる）
・ぬいだ靴を揃えられる
・正しい姿勢で椅子に座れる
・食事のマナーが身についている
・おもちゃや文房具などを使ったら元の位置に片付けられる

など。今何ができていて何ができないかをチェックして、ひとつずつできるようにしていきましょう。

ここでポイントとなるのが、上記のことをお子さんだけができればいいのではなく、家族全員ができるようになること！　チェックシートを壁に貼ったり、できたらポイントシールを貼るなどして、楽しみながら家族みんなで取り組んでみてください。

▼小学校受験ビギナーのために、情報をわかりやすくお届け！
第1回「小学校受験って何？受験のメリットとは？」
第2回「公立・私立・国立小学校の特徴と選び方」
第3回「小学校受験の試験は何をするの？試験対策とは？」
第4回「幼児教室ってどんなところ？」
第5回「失敗しない学校選び「共学・男女別学・宗教系」のメリット・デメリットを知ろう」
第6回「実際にどんな人が小学校受験をしているの？ 最新動向をプロが解説！」