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2018年度名門私立小学校入試シンポジウム前編「合格するために年中の今すべきこととは?」

2018年度名門私立小学校入試シンポジウム前編「合格するために年中の今すべきこととは?」

先日都内のホテルにて「2018年度名門私立小学校入試シンポジウム」が大盛況のなか行われました。もうすぐ年長になる息子を持つライターが実際に参加し、当日の内容をレポートします。

ずばり、合格するために今何をするべきか?

参加者は、ほとんどがこの秋受験予定の保護者で、子どもの性別はほぼ半々。シンポジウムでは、伸芽会のベテラン教師と、名門小学校の先生3名が登壇し、貴重なお話を聞くことができました。

まず最初に登壇したのは、3000人以上の子どもたちを名門校に送り込んできた伸芽会教育研究所所長の飯田道郎先生。

プロフィール
飯田道郎

1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。


先生によると、受験を秋に控えた今やるべきことは

1.最新情報の確認をする
2.合格までの計画を立てる
3.レベルを上げる

という3つ。秋の受験本番まで時間が限られるなか、体験の幅をどれだけ広げられるかが鍵とおっしゃいます。入試までを逆算し、「1日単位」でスケジュールを立て、1日の生活レベルを上げることが大事なのだそう。まさに1日1日が勝負なのです。

「レベルを上げる」…具体的に何が必要?

レベルを上げるとは言っても何が必要なのでしょうか? 飯田先生が重要視されているのは「お手伝い」。家でお手伝いしていない子は、集団で遊んだ後のお片づけの動きが鈍いのだそう。「慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部でも、一次試験のペーパーの次は行動観察があり、非常にウェイトが高いです。そこで社会性や協調性を見るという流れは近年変わっていません」(飯田先生・以下同)。
年長の女の子では、家で与えられた役割を「自主的に」夏休みまでにこなせるようになるのが目標になるといいます。ただ、「僕は30年以上見てきていますが、男の子に関してはそこまで求めません。お手伝いをしようと思って掃除機の蓋を開けてみたりするのは男の子の特性。ママの仕事を増やさなくなれば、合格は近いです」

とはいえ男女ともに自分のことは自分でやるのが、有名校に合格するためには必要だとおっしゃっていました。お話を聞いて、日々の積み重ねなのだと実感しました。

合格するための到達目標レベルとは?

本番の試験では、耳で聞く情報から課題をクリアしなければなりません。「相手が話し始めたときに相手に集中しなければならない。それをクリアしていくには、体験の絶対量が必要になるわけです。体験も、上から押し付ける形ではなく、子ども自身に前向きにトライさせて、自信を作っていけた家庭が合格を勝ち取っていきます」

そして、普段通っている幼稚園・保育園を最大限に活用する重要性も説かれました。「実は年長さんになる前が大事です。このときに担任からどんな評価を受けているかで、年長の1学期の子どもの過ごし方が決まってしまう。園の先生からいつも頼りに・あてにされている子は、それだけ体験が豊富になっていき、秋までに差が出るのです。伸芽会では、リーダー的な存在として活躍する機会を均等に与えています」

園では長い時間を過ごします。基礎的な生活習慣を身につけるのはもちろん、あと一歩を踏み出せる自信をいかにつけられるか? 効果的に1学期を過ごすためにも、最初のうちが肝心なようです。

親の姿を子どもは見ている

新しい学習指導要領でも明確に打ち出されている通り、語彙力を高めることも大事だそう。そして、状況を判断し、相手を気遣うことができるかも、試験を通して見られているといいます。

状況判断をして協調性を発揮し、人間として相手を気遣う。幼児には通常要求されないことを、要求したい。合格した子たちはそこまで到達しています。ただ課題をクリアするだけではいけないということです。子どもたちは最初に模倣するものですから、まずは大人が周囲を気遣う姿勢を見せるということですね」

子どもの前に、まずは親の行いなのですね。皆さん熱心に聞き入っておられました。
後半では、立教小学校・青山学院初等部・東洋英和女学院小学部の先生方のお話をまとめていきます。

後半はこちら

著者プロフィール

ママ向けファッション&ライフスタイル誌などを中心に活動中の30代半ばのライター。3才の男児の母。

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