立教小学校に受かる子どもの特徴と試験内容
2024年現在、立教学院の創立150周年を記念して新校舎を建設中の立教小学校。この記事では男子難関校の一つである立教小学校の試験内容、どんな子が合格するのか、さらに家庭での対策について、伸芽会の飯田道郎先生にお話を伺いました。
目次
立教小学校の特徴
立教小学校は、日本で3校の私立男子小学校であり、大学(院)までの約20年間の一貫連携教育を掲げる立教学院の小学校の一つです。
立教小学校の具体的な特徴は以下の通りです。
※出典:教育の特色_立教小学校 https://prim.rikkyo.ac.jp/feature/index.html(2024年10月時点)
特徴1 敬愛と感謝の心を育むキリスト教教育
イギリス国教会を母体にした聖公会の教えを継承しているため、キリスト教の精神に基づいた愛の教育と心の教育で豊かな人間性を育みます。毎朝の礼拝はもちろん、イースター、収穫感謝、クリスマス、設立記念日には全校が講堂に集まり、合同で大礼拝を献げます。
特徴2 国語力を高める日記教育
キリスト教ならではの英語教育はもちろんですが、読書や読み聞かせの時間、1年生から始まる日記指導など「国語力」にも力を注いでいます。国語教育はすべての勉強の基礎であり、自己表現にも不可欠な力と考えているためです。うるおいのある人間関係を育てるために、朗読や劇活動を通して自分を表現する学びも行っています。
特徴3 共に生きる力を育てる体験学習
立教小学校では春(イースター礼拝、六大学野球応援)、夏(観劇やキャンプ)、秋(遠足や運動会、収穫感謝礼拝)、冬(クリスマス礼拝、お餅つき)など、年間を通して毎月のようにさまざまな行事を行っています。臨海学校では泳ぎの特訓をし、規律に対するけじめや厳しさを身につけるなど、強くたくましい男子を育てる質実剛健な学校生活を送ることができます。
立教小学校に合格する子どもの特徴
立教小学校に限らず、男子難関校に合格するのは共通して元気な子が多い印象です。入学すると男の子だけの環境になりますから、おとなしくて従順な子(依頼心が高い子)よりも、ある程度活発に自己表現できることは求められる力だと言えます。他にも、
・やるときはやる(メリハリがある)
・初対面の先生が見ている試験中でものびのび遊べる
・初めて取り組むことにも馴染むスピードが速い
・自信を持って自発的に取り組める
といった特徴があります。
たとえば、先生のお手本を見てその通りに行う運動考査で、周りをチラチラ見ながらやるのではなく、わき目を振らず自信を持ってスタートできる子はそう多くありません。
自分で判断して、自信を持って迫力ある行動ができる男の子は、立教小学校のみならず名門小学校にも合格している子が多いと感じます。
立教小学校に合格する家庭の特徴
私立の男子小学校は全国に3校ありますが、立教小学校はその一つです。
男の子がどういう子であるかを熟知している学校ですから、入学されるご家庭にも男の子の特性を理解した関わりを期待していると言えます。
たとえば、5~6歳の男の子の特性を理解した関わりとしては、
・男子は、自分の行動を周りがどんなふうに見ているかに気づけるとぐんぐん伸びる!
・言うことを聞かないのは、「人と違うことをしてみたい」という男子特有の目立ちたい心理であることが多い
・負けず嫌いな子には「かっこいい負け方」を教えてあげるとよい
・「これができたらもっと好きになっちゃう」など男子をやる気にさせる魔法の言葉を使う
なども有効です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
・小学校受験の難易度を幼児教育のプロが解説! 第2回 男の子編
・【男の子の育て方】ママの悩みにプロが説く「魔法の言葉」とは?
立教小学校の入試対策
立教小学校では、ペーパー試験がなく、個別テストと集団テストがあり、考査日前に父母面接が行われます。先述した通り、男の子を熟知した立教小学校では「遊びの中にその子のすべてが表れる」と考えているからです。
だからといって「ペーパーテストが苦手な子でも合格する」わけではありませんし、「話が聞ければいい」「運動ができればいい」「不器用でもいい」というわけではありません。
では、それぞれのテストで学校側が見ているポイントを解説していきましょう。
【個別テスト】
毎年、絵本などの読み聞かせ問題があります。プロジェクターで絵本やDVDを観た後に、そのお話について個別に聞かれるという形式は立教小学校の特徴的な試験です。
最近では、パターンブロック、碁石、パズルなどを使って解答する構成や数量、推理・思考などの問題がよく出題されます。
ここでのポイントは、「1回でわからなくても大丈夫」ということ。試験官は、あえてつまずくシチュエーションを作って、「こう言ったらわかるかな?」などと双方向のやりとりをする中で、「的確に修正できるか」「コミュニケーションがとれるか」を見ています。
これは、授業でも「わからない」「わかった」などと言語化できる子に入学してほしいと思っているためです。
【集団テスト】
集団テストでは、模範体操やダンスもよく出題されます。運動テストでは、近年はかけっこが多いですが、走る速さだけではなく、「体力や気力」「最後まであきらめずに走り抜く姿勢」「待つときの態度」なども見られているようです。
ここでのポイントは“場をわきまえられるかどうか”です。たとえば、「次は僕の番だから前を見て待っていよう」「待ち時間におしゃべりしている子がいるけれど僕はやめておこう」など、周囲にアンテナをはって状況把握ができるかです。
また、校内には伝統的な置き物や作品が展示してありますが、移動中に「余計なものに触らないで試験に集中できるか」も重要です。「すごいね!」などと小声で感想を言うのはOKですが、止まってじっと見たり、触ったりするのはNGです。
【父母面接】
立教小学校の父母面接では志望理由などはあまり聞かれません。それよりも、
「お仕事にかける情熱や社会人としてのポリシー」
「学生時代に取り組んでいたこと」
「お休みの日の過ごし方」
「子どもに対する期待」
など、フランクに答えられそうな質問で、親御さんの人柄やご夫婦のバランス、学校への本気度を見ています。
また、親御さんから聞いたお子さまの特徴と行動テストで先生が見た姿がずれていないかのチェックもしています。
家庭学習で気をつけたいポイント
・普段から会話を楽しむことが面接対策になる
立教小学校にペーパーテストがないからと言って対策不要ということではありません。さまざまな体験を通して、考える力を養っていきましょう。
また、お子さまとの面接練習も、「ママはこう言ったら怒る」と萎縮しながら無理矢理やらせていると、それが本番で出てしまいます。
普段から自然と楽しい会話ができている子は本番でもわかりますし、合格するのはそんなご家庭のお子さまたちです。
・読み聞かせは関心を持って聞けるかで差がつく
さらに、試験対策としてご家庭でも読み聞かせをされると思いますが、ただ回数を重ねればよいのではなく、お子さまが「どんな話かな?」と関心を持って聞けるかが大切です。
ご両親とのお話や絵本の読み聞かせで、「頭の栄養」「心の栄養」をたくさん与え、お手伝いや身の回りのことを任せ、自立に導いてください。
もちろん、強さだけでなく、守るべき対象や弱者にやさしくできる受容の心と骨太さを兼ね備えてこそ、立教小学校が求める真の人間力につながるのだと思います。
絵本は「これを読まなくてはいけない」というものではありませんが、昔からあるものだけではなく、幅広いジャンルのものを読むとよいでしょう。
たとえば、気鋭の作家さんが手掛けた、お相撲さんが主人公のユニークな絵本『たぷの里』(さく・え:藤岡拓太郎 ナナクロ社)、しかけ絵本が楽しい『ぱらぱらどうぶつえん』(作:やまはたマリー 大日本絵画)などもおすすめです。
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SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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