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医者、経営者…将来○○にさせたい!なりたい職業に近づく学校選び

医者、経営者…将来○○にさせたい!なりたい職業に近づく学校選び

私立の受験を考えたとき、小学校まで・高校まで・大学までの三通り、そして無宗教共学・宗教共学・無宗教別学・宗教別学の四通りと、三通り×四通りの組み合わせがあります。小学校、中学校、高校のどこから何度受験させるか、保護者にとっては悩みどころですね。

さらには、医者、弁護士、経営者、子どもに願う将来の職業によっても学校選びは変わってきます。そこで、伸芽会の牛窪基久先生に、「なりたい職業に近づく学校選び」について、お話をうかがいました。

牛窪先生写真
牛窪基久先生(伸芽会教育研究所 情報室室長)
受験指導歴35年。楽しいお話しでお子様や保護者から親しまれる人気教師。慶應幼稚舎、暁星小学校に約300名、横浜雙葉小、精華小に約300名など、合格実績多数。

医者や経営者に人気なのはどこ?

まず、問い合わせとして男女問わず圧倒的に多いのが「医者にさせたい」というもの。早い方では妊娠中からのお問い合わせも…。

慶應義塾幼稚舎(小学校)が人気があるのは、大学が総合大学でさらに医学部まであるからです。成績が悪い場合留年はしますが基本的には振り落とされず、大学まで進むことができます。慶應の倍率が高いのは、ブランドであるということだけでなく、内部進学で成績によって好きな学部が選べることにあります。医者にしたい人はもちろん、三田会という慶應の太いパイプがありますから、経営者を目指す人にも大変魅力的でしょう。

同窓会組織としては早稲田の稲門会もつながりは強いですが、早稲田には医学部がないということもあり、毎年倍率では早稲田実業学校初等部より慶應幼稚舎のほうが上になっています。
慶應では、入学辞退が出るというのは極めて稀です。バブル期などは他のお坊ちゃんお嬢様系ののんびりした一貫校も人気でしたが、今は苦戦を強いられているようで、ますます慶應などに人気が集まるかもしれません。

弁護士や研究者を目指すなら、あえて中学受験をするという選択も!

一度受験して高校や大学まで進学できる一貫校は依然として人気がありますが、最近は例えば男の子を弁護士や研究者にさせたい(=高い学力が必要な職業)場合の傾向として“あえて途中から外に出る”中学校以上が女子校の小学校も人気です。理由は入学した男子が必然的に中学受験せざるを得ないので、小学校高学年から男子だけを集めて進学クラスを作るなど、学校のバックアップ体制が整っている場合が多いということ。内部進学できないという危機感から高い学力が維持できるというわけです。

例えば都内では目黒星美学園小学校トキワ松学園小学校が中学以上が女子のみの学校として挙げられます。

神奈川だと精華小学校、洗足学園小学校、捜真小学校。精華小学校は保護者がお医者さんや歯医者さんの比率が高い印象です。公立小学校ですと保護者や先生の価値観が様々なので、中学校受験を考えるのなら受験をしやすい私立小学校から入るという選択肢もあります。

また、大学だけは自分で選びなさい、と思う親御さんは高校まである雙葉学園や白百合学園、桐蔭学園を目指したりしますね。

海外で活躍させたい場合は? 安易な気持ちでインタースクールを選ぶと危険!

最近では、将来海外で活躍してほしいと願い、英語だけの幼稚園(インターナショナル・プリスクールなど)に入れる方も増えています。
ご家庭でも親御さんが英語を話す、海外で暮らす予定があるなど本格的な英語教育を目指される場合は別ですが、安易な気持ちでなんとなく選んでしまうと危険を伴うこともあります。実際に聞いた話では、日本の小学校受験を気にしはじめてから気付くと、童謡も知らない、手遊びも知らない、園庭がないところが多いので外遊びも知らないといった場合が多いのです。それで移りきれなくなってご相談に見える方も多いです。

私立小学校では、国語と英語をバランスよく指導する学校が多く、なんとなく通じるだけの英語を身につけても評価はされません。しかし海外転勤して現地の学校に通っていた子などは、日本の子よりもはるかに礼儀正しいこともあります。海外のコミュニケーションの基本、顔を見て話すというのが厳しくしつけられているからでしょうか。
幼児期から英語を学ぶ際は、日本語や日本の文化を学ぶ基盤作りも大事にしてあげてください。

 

いかがでしたか? 高い学力維持のために、あえて中学は外の学校を受験さざるを得ない女子校系統の小学校を選ぶ、というのがとても新鮮でした。男の子を持つ母親として、今後の学校を選ぶ選択肢がまたひとつ増えました!

著者プロフィール

ママ向けファッション&ライフスタイル誌などを中心に活動中の30代半ばのライター。3才の男児の母。

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