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幼稚園無償化となる今後、あえて私立を選ぶ理由とは?

幼稚園無償化となる今後、あえて私立を選ぶ理由とは?

芸能人のお受験事情もいろいろ聞こえてくる昨今。芸能人に限らず、「小さいうちにお受験をしてエスカレーターに乗せたい」という需要は未だ根強くあり、教育予算に余裕がある家庭は幼児教育にこそお金をかけます。

実は長い目で見ると費用対効果が高いと言われる幼児教育。もし、今後本当に幼稚園が無償化されたとしたらどうでしょう(財源や所得制限の話はさておき)。これまで幼稚園や小学校受験を意識していなかったご家庭も、幼稚園費用の浮いたお金を習い事や幼児教育にまわせるかもしれません。

そこで今回は、昨今の幼児教育の是非や、親が注意すべきことを考えてみます。幼児教育のプロである伸芽会の中西先生に聞いた「これからの幼稚園受験の合格のために必要なこと」も必見です!

教育費は6才までにかけるべし!?

中学受験や大学受験で塾に行かせるなど子どもの年齢が上がるほどに教育費をかけるのが一般的。でも、著書『学力の経済学』でおなじみの中室牧子先生によれば、“教育費は6才までの費用対効果がもっとも高い”のだそう

頭が柔らかい幼児期にこそ、たくさんの伸びる種を与えてあげるのが効果的であり、質の高い幼児教育を受けた子は大人になってから経済的・社会的に成功していることがアメリカの調査でも明らかになっているそうです。

そう聞くと、親心としては幼児のうちに投資をしなくては!という気持ちになりますね。大きくなってからできることを探すより、幼児期のうちにいろいろ挑戦しておいたほうがよさそうです。

著者の周りでも、フルタイム共働きであっても小学校受験を考えている人が増えていることに驚かされます。共働きだからこその資金的な余裕を、教育に振り分ける人が増えているのでしょう。

「女の子は愛嬌」が子どもの可能性をつぶす!?

「女の子だから、いい大学にいかなくても愛嬌があれば…」そんな古い考えがまだあるのは、日本の「ジェンダーGAP(男女格差意識)」が大きいからかもしれません。

先日、世界経済フォーラム(WEF)が発表したジェンダーGAP指数は、日本は144ヵ国中111位。先進国のなかではもっとも男女間の差が大きいという結果が出ています

日本でも、近頃大企業などを中心に、ダイバーシティ意識改革の一環として女性活躍を取り入れているところが増え、まだまだ少ないキャリア志向の女性は昇進しやすいとも聞きます。

となると、これからは、ママにも子どもに対して幼児期からのジェンダーGAPの意識改革が必要になってきそうです。将来の子どもの活躍を願うなら「女は愛嬌」という考えは封印して(あったほうがいいですけどね!)、むしろ女の子だからこそ教育に投資をすればリターンが大きくなるのではと思います。

前述の中室先生によれば、「女の子は数学が苦手だからできなくてもしょうがない」というのはNGワードなんだとか(その言葉に影響され本当に伸びなくなってしまうそう)。うちは男の子なので、「男は国語が苦手でも仕方ない」とは言ってはいけないということですね。

プロがアドバイス!これからの幼稚園受験で合格を勝ち取るための3つの心構え

そんな幼児期の先行投資の最たるものが幼稚園受験でしょう。取材や実体験を通じて、幼稚園は園によって方針や内容が本当にさまざまだと痛感しています。思えば幼稚園は、就学前の大切な時間を過ごす黄金期。人気幼稚園にはそれなりの理由があるものです。

そこで、最後に「幼稚園受験で合格を勝ち取るための3つの心構え」を伸芽会の中西先生にお聞きしました。

その1 幼稚園受験は8割型親(特に母親)が見られている!

子どもはたった6日でよくも悪くも大きく変わります。それだけ、幼児は伸びしろがすごいんです。この大切な時期をどこで過ごさせるか、それを決められるのは親ですが、親が受験に大きく関われる時期は、実は幼稚園と小学校しかありません。中学以降になってしまえば、本人の資質のほうが大きくなるからです。

さらに、ペーパー試験などが加わる小学校受験とは異なり、幼稚園受験は8割型親が見られています。もっと言えば、お母さんで決まると言っても過言ではありません。たとえば、試験で本人がぐずっても、お母さんがどう対応しているかのほうが見られています。

幼稚園側もどれくらい親御さんが園を信頼して預けているかを見ていますから、そこに行かせたい明確な理由や熱意を伝えられるかも大きいですね。

その2 わが子の長所、どう伸ばしたいかを夫婦で明確にしておく!

幼稚園・小学校受験は、子どもに将来どんな教育を受けさせたいかを家庭内で話し合い、実現できる最大の契機となります。また、わが子のいいところはどこで、どう伸ばしたいかを夫婦で明確に意識することも合格には欠かせない要素です。

長所を知るためには、一人っ子の場合は特に、幼児教室や習い事をさせてみることも有用ですね。英語や体操などいろんな習い事がありますが、どれがよくて悪いということではなく、どう関われるかが大事です。

その3 信頼できる学校選びのコツはわが子が通う姿が想像できるかどうか

受験は合格したら終わりではありません。名門校に入学してエスカレーターに乗れたら一丁上がりとはいかないもの。

たとえば、小学校受験の最難関校のひとつ、慶應義塾幼稚舎の場合、6年間担任とクラスが変わりません。児童ひとりひとりをきちんと見て指導してくれるといったいい面もありますが、人間ですから、先生やお友達と合う合わないが出てくることもあるでしょう。

何かトラブルがあったときに信頼できる学校であるかどうかは、とても大きい。それは幼稚園も同じこと。まずは、わが子を託せる信頼できる学校や幼稚園を選ぶことが大切というのはそういうわけです。

その際、噂やネットの情報を鵜呑みにせずに、実際に足を運び、そこに通う子どもや親の様子を見て、そこにわが子が通う姿をシンクロさせられるかどうかを大切にしてください。いくつか見ていくと、ピンとくる学校が必ずあるものです。

託児での教育も行い、共働き夫婦には仕事のない日に面談を行うなどしてフォローしているという伸芽会。専業主婦でないと幼稚園・小学校受験は難しいと思っていた筆者には目からウロコでした。

これまで長年中高生を長く見てきた中西先生が「未知なぶん、これほどやりがいのあるものはない」と話す幼児教育。すぐ結果が出るものではありませんが、取り戻せない幼児期に親として何をしてあげられるか、幼児を育てる親としてとても考えさせられます。

著者プロフィール

ママ向けファッション&ライフスタイル誌などを中心に活動中の30代半ばのライター。3才の男児の母。

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