【5歳の男の子の特徴】おすすめの習い事や接し方、自立心を育む非認知能力の伸ばし方
5歳は幼稚園・保育園でいう年長の学年。特に男の子は女の子に比べてまだまだ幼く感じる部分が多いので、「あと1年で小学生」と思うと、親御さんは、さまざまなことをさせたいと焦る時期かもしれません。そこで、今回は5歳の男の子の特徴や、この時期に育んでおきたい非認知能力の伸ばし方について、伸芽会で36年幼児教育に携わってきた飯田道郎先生にお話を伺いました。
1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+、朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。
目次
5歳の男の子の発達の特徴
運動能力の向上
5歳児になると、道具を使いこなす巧緻性も発達し、歩く速度も大人と同じくらいになり、ブランコのたち漕ぎや自転車にも1人で乗れたり、逆上がりができるようになったりと運動能力が飛躍的に向上するとき。とはいえ、安全意識はまだ不十分なので、大人が注意深く見守りながら、身体的な活動を楽しんでいきましょう。
社会性が育ち始める
社会性が育ち始めることで、他者の気持ちを想像できるようになります。その結果、自分の感情のコントロールもうまくなり、公共の場で静かにするなどマナーを意識できるようになったり、自分より小さい子や高齢者への思いやりの心も生まれます。
理解力・記憶力が向上する
時間や曜日が概念から理解できたり、大小・重さの比較ができたり、文字の読み書きに興味を示したりと、理解や記憶が格段にアップするとき。そのため、「料理を人数分とりわける」など、少し複雑な指示やお願いも可能になっていきます。
中間反抗期が始まる子も
言語能力の発達するため、自分の気持ちを文章のように話せるようになります。お口が達者になってくる分、言い訳や口答えも増え、親を悩ます行動をとることもあります。2~3歳の第一次反抗期(イヤイヤ期)と第二次反抗期(思春期)の間である5~10歳頃の反抗期は「中間反抗期」と呼ばれています。親は感情的にならず成長している証ととらえ、子どもの気持ちに向き合うことが大切です。
5歳の男の子のお悩みあるあると解決法
思い通りにならないと泣いて癇癪を起こす
「もっと遊びたい」「違うテレビが見たい」「お菓子が食べたい」……。それが叶わないと、すぐに“泣き落とし”へ突入。そんなお悩みが多いのも5歳の特長です。大事なのは、「泣けばいい」から「泣いても仕方ない」に持っていくこと。「これだけだよ」「特別ね」と泣き落としのメリットを感じさせずに、「自分で気持ちを落ち着けられたね」とほめてあげることがポイントです。
今まで平気だったことが急に怖いと言いだす
5歳くらいになると、妙にビクビクするようになるのは、色々なことが分かってきた成長の証でもあります。ヘビやクモ、暗い所や高い所、注射、夜のトイレなどの恐怖症が作られてしまうのは、実は親の影響であったりします。親が子どもに世の中の危険について教えることは、しつけの大事なプロセスですが、「〇〇しないと鬼くるよ」など恐怖心をあおるようなことは避けましょう。
兄弟に急にいじわるなことをする
自我も発達し、自分のやりたいこと、ルールやこだわりも出てくる一方、自己コントロールが未熟なため、想い通りにいかないことから意地悪な行動をしてしまうこともあります。思い通りにならないと怒りが爆発したり興奮して話せないときは、抱きしめたり深呼吸させて一旦落ち着かせ、感情のコントロールを練習しましょう。
5歳の男の子におすすめの遊びや習い事
運動系習い事で発散させよう!
中間反抗期のモヤモヤやストレスを発散する方法として、おすすめなのが習い事です。
特に男の子は幼稚園や保育園だけでは体力を持て余す元気がありますから、体を動かす習い事やお友だちとの関わりが学べる習い事はこの時期にぴったりなのです。何を選ぶかはお子さんにもよると思いますが、男の子に人気の体操、サッカー、空手、スイミングといった運動系の習い事でも、小学校入学までに身につけたい「社会性」「コミュニケーション能力」「協調性」は十分に養えるはずです。
五感を刺激する外遊びも積極的に挑戦しよう!
また、脳の9割が完成されると言われる2~5歳は、自然での感覚遊びを取り入れるチャンス。キャンプなど非日常な体験もおすすめです。土や砂を使って造形したり、草花や虫を観察したり、川の流れの中に魚を追ったり、木々の葉の擦れ合う音を感じたり五感もフルに使い、感性が豊かになっていくことは、想像力や発想力を高めることに繋がり、また感性の豊かさは、相手の気持ちへの理解や、思いやりの気持ちを育むことも助けます。
5歳の男の子へのNG声掛け&接し方
最近では、脳科学の観点から見ても、男女では脳そのものが違うという研究が発表されていますが、特に気をつけたいのが、男の子への親からの声掛けです。
ママ友の前で、「うちの子ったら隠れてこんなことして男の子らしくないのよ」と話したり、「そんなんじゃ、いい男になれないぞ!」とお父さんが叱ったり、「お姉ちゃんは5歳でできたのに」と比べるなど……。
親からすればちょっとからかったつもりでも、男の子は自尊心を傷つけられて、「どうせ俺なんて」と習い事や学習など、すべてにおいてやる気がダウンしかねません。
男の子だけに限ったことではありませんが、他人や兄妹とは決して比べないことは心に留めておいてください。
他にも、
・大人がルールを守る姿を見せる
・自分で考えて行動させる声掛けをする
・異年齢の人と触れ合う
・頭ごなしに否定したり説得はしない
こともポイントです。
5歳の男の子の非認知能力を伸ばすには?
非認知能力とは、一般的に後天的に身についてくる能力で、人としての生きる力、頑張る力、回復力、コミュニケーション能力、協調性、自制心や抑制力、感情をコントロールする力、発想力や創造性など、目に見えない能力を言います。活動量がぐんと増える5歳の今こそ、この非認知能力を伸ばし、小学校に向けた自立心を養っていきましょう。
「非認知能力は何かをしたらすぐに獲得できるわけではなく、幼児期の“種まき”が大事なんです」と、伸芽会教育研究所の飯田先生。中でも、5歳男の子への種まきの方法として、以下の3つを挙げていただきました。
Point1 子どもは失敗して気づく!
Point2 親がすぐに諦めないこと
Point3 非効率的なことにも意味がある
子どもは自分で気づいて初めて学びを獲得します。「何回言ったら分かるの!」と何度も親に叱られたところで、それはBGMになっているだけ。ですから、親は先回りして失敗を回避するのではなく(もちろん身の危険が及ぶことは除きます!)あえて失敗する経験をさせて、次はどうすればいいかを一緒に考えましょう。
ずばり、男の子の親御さんに最も必要なことは“根気”だと言えます。男の子はお母さんから見ると一見無駄で非効率に見える行動がかなり多いと思います。ですが、彼らの根拠のない自信や「やってみたい!」といった行動こそが、自分ならではの考えにたどり着いたり、「できた」という自信や最後までやりぬくといった非認知能力の獲得のベースなのです。非認知能力は学びの基礎であり、この土台がしっかりしているかどうかで、小学校以降の学びが変わってくると言っても過言ではありません。
私立男子一貫校で育まれる非認知能力
最後に、伸芽会教育研究所の飯田先生に、私立の男子一貫校で育まれる非認知能力についてお聞きしました。
日本には現在、暁星小学校(東京)、立教小学校(東京)、精道三川台小学校(長崎)と私立男子一貫校が3校ありますが、これらがすべてキリスト教の学校だということ御存じでしょうか。キリスト教とは、人を敬い、社会のために奉仕する「サーバントリーダー」型の教育ですから、彼らが災害時のボランティアでも自然に動けるのはもちろん、卒業後に患者に寄り添い人を助ける医療従事者につく人が多いのも納得です。
また、共学校だと女子が下級生をお世話する姿をよく目にすると思いますが、男子校には女子はいません。ですから、縦割り活動でも、男子が下級生の面倒を見るのが当然となります。下級生に頼られることでその喜びを知り、男子の自己肯定感が増すのも男子一貫校ならではの魅力だと言えます。
さらに、脳科学的に見ても、男子は女子より1年半ほど脳の発達が遅く、18歳で男女差がなくなるそうです。つまり、発達の男女差がある小中高の時期に別学で学ぶことで、男女それぞれの自立度が高まり、非認知能力が育まれると言えます。男女別学の一貫校でも大学から共学になる学校があるのはそうした理由があるのではないでしょうか。
まとめ
5歳児は大人っぽい一面も出てきますが、まだまだ甘えたい盛りです。そのバランスを取ろうとして、保育園や幼稚園などでいい子なほど、家でワガママや暴言をはく場合があります。それは、「ここなら言っても大丈夫、素を出してもいいんだ」と安心して甘えている証拠です。
そんなときは甘えたい気持ちを受け止めつつ、ダメなことはダメときちんと教えるようにしましょう。また、5歳男児の非認知能力を家庭で育みたいという場合は、幼児教室を活用するのも手。小学校受験をしてもしなくても、小学生になるために必要不可欠な非認知能力をぜひ幼児期のうちに育んでいきましょう。
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SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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