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子育て

5歳女の子(年長)の特徴とは?子どもの成長を伸ばす接し方

5歳女の子(年長)の特徴とは?子どもの成長を伸ばす接し方

保育園・幼稚園の年長クラスにあたる5歳女の子。女の子特有の中間反抗期の特徴や親が接する際に意識したいこと、タイプ別で取り入れたい習い事、さらに小学校受験を視野に入れた非認知能力を伸ばす働きかけについてもまとめてみました。お話を伺ったのは、伸芽会の大西眞紀先生です。

5歳女の子の身体的成長目安

まず、日本の5歳の女の子の身長・体重の平均(中央値)は、5歳(0~6ヵ月)の身長が107.3㎝、体重が17.64kg、5歳(6~12ヵ月)だと、身長が110.5㎝、体重が18.64kgとされています。(平成22年乳幼児身体発育調査より)
※個人差はあります。この調査が2024年9月時点で最新版となります。

5歳女の子の能力発達の特徴

5歳の子ができるようになることに関しては、以下の通りです。

【生活面】
身の回りのことはほぼ1人でできるようになります。箸を使ってこぼさず食べられ、食事のマナーやルールも守れるようになってきます。また、汗を拭く、衣服の調整、手洗いうがいなど、自分で気づいて行うようになります。

【言語】
言語能力や記憶力がさらに高まり、ダジャレやしりとりなどの言葉遊びも楽しめるようになります。自分の気持ちを単語ではなく文章にして伝えたりして、言葉で伝える嬉しさを感じる時期です。文字の読み書きに興味を示す子も増えてきます。

【理解力】
課題活動の中で、自分の行うことがわかり、見通しをもって自分の役割に取り組もうとします。話の内容を論理的に理解し、同時に記憶できるようになります。また、図形や曜日、時間の概念も理解できるようになります。

【運動面】
向かい合ってボールを投げたり、ジャングルジムを上まで登ったり、ブランコの立ちこぎをしたりと、高度な運動遊びもできるようになってきます。

【社会性】
マナーやルールがより意識でき、危険なことも自分なりに判断できるようになります。自分の感情のコントロールがうまくできるようになってくるため、友達とのつながりを感じながら自分の力を発揮し、友達とやり遂げた満足感も味わうようになります。さらに、自分よりも小さな子のお世話をして思いやりの心を持てるようになってくるときです。

【巧緻性】
ハサミやノリなどの道具を正しく使い、絵画では人間や動物の体も描けるようになり、体験を絵で表現することができるようになります。また、道具も自在に操れる時期なので、お手伝いでは、たとえば「このカレーはどの道具を使ってどのお皿に盛りつけたらいいかな」「お箸じゃなくて何が必要かな?」といった道具を選択判断することもできますし、「このお料理を人数分お皿に取り分けてね」とお願いすることで数量の感覚も身につきます。


5歳女の子の中間反抗期の特徴

言葉で意志を伝えることが未熟な2歳頃から見られる、第一次反抗期(イヤイヤ期)と第二次反抗期(思春期)の間にある反抗期を中間反抗期と呼びます。一般的には5~10歳頃とされ個人差はありますが、発達の早い女の子などは5歳頃から見られます。具体的には、
●ちょっとしたことでも癇癪を起こす
●親に対しての口答えが激しく、言葉で反抗するようになる
●気に入らないことがあると聞こえないふりをする
●親に隠し事をしたり、嘘をついたりする 


など、大人を悩ませる行動をとることが多くなりますが、これらは自立心が芽生えた成長の証とも言えます。
また、こうした反抗的な態度の裏には、甘えたい気持ちが隠れている場合もあります。
「自分でやりたい」という本人の意思を尊重しながら、ひとりの人間として愛情をもって接することが大切です。

タイプ別、5歳女の子におすすめの習い事

才能を開花させるためには、ゴールデンエイジと言われる 10 歳前後までが習い事を始めるのに適した時期と言われていますが、特に女児は5歳を超えると、精神性が育ち、自分が整っていく感覚や磨かれていく心地よさ、同じ目標を持つ友達と心を通わせる嬉しさを感じられる子が多いものです。

最近ではさまざまな習い事があり、何をさせたらよいか迷われる方もいらっしゃると思います。そんなときは、お子さまのタイプに応じて選んでみてはいかがでしょう。

【活発な女の子】には所作や体、脳内が整う感覚が養える整う系の習い事
囲碁、茶道な
活発な女の子で、少し落ち着きを身につけたい場合は、順序だてて考え、手順通りに物事を進める囲碁や茶道がおすすめです。脳内が整い美しい所作も身につきます。 【活発な女の子】には所作や体、脳内が整う感覚が養える整う系の習い事
【繊細な女の子】には自由な発想と自己表現を楽しむ自己表現系の習い事
フラワーアレンジ、乗馬、料理教室など
繊細で型にはまることへの反抗心が芽生えた女の子は、慈しみの気持ちが育っている証とも言えるため、“心のひだ”が育つ植物や動物と触れ合う習い事がおすすめです。 【繊細な女の子】には自由な発想と自己表現を楽しむ自己表現系の習い事
【競争意識が穏やかな女の子】には、自分の憧れの目標に向かってコツコツ頑張る芸術系の習い事
ピアノ、バイオリン、バレエなど
女子は男子と精神面の成長を比較すると競争意識の自覚が穏やかで、打ち負けたときの経験が克己心(こっきしん。己に打ち勝つ心、欲望を抑制しようとする意志という意味)につながりにくいお子さまが多いようです。その点では、ピアノやバイオリンといった芸術系の習い事は、競争意識をモチベーションにせず、自分の憧れる目標に向かってコツコツ頑張れるお子さまに向いているでしょう。 【競争意識が穏やかな女の子】には、自分の憧れの目標に向かってコツコツ頑張る芸術系の習い事
【競争意識が高い女の子】には成果が分かりやすいスポーツ系の習い事
水泳、体操、空手、ダンス、フィギュアスケート、テニスなど
努力した成果が勝敗として目に見えるスポーツ系の習い事は、どちらかと言えば体を動かすのが好きな活発な女の子におすすめです。 【競争意識が高い女の子】には成果が分かりやすいスポーツ系の習い事

「発表会や大会があるか」もポイント
習い事では、発表会や大会があるかどうかも意識したいポイントです。人前で成果を披露する場では克己心が問われますが、小学校以降の集団・社会生活でとても大切な力となるためです。
特に集団で行う発表会では1人が怠けると崩れてしまいますから、失敗や成功も含めて仲間とともに気持ちを共有するよい経験となるはずです。

また、努力して何か1つの習い事を極めた女の子は、勝ち負けを経験し、切磋琢磨するライバルの存在を心に持つことで、自分の努力も相手の成果も認められるフェアプレイ精神が育まれていきます。すると、小学校高学年以降で実力に対するプライドが高すぎる子になりにくいのです。


5歳女の子への接し方、3つのコツ

ポイント① 5歳女の子にIメッセージは要注意!
2~4歳の善悪がまだついていない子にはIメッセージ(お父さんやお母さんはこう思ったよ)は有効ですが、5歳をすぎた女の子には注意が必要です。

特に、期待に応えたい女の子の場合は、まじめさや共感力の高さから、「お父さんやお母さんを悲しませないように、喜ばせるために」と自分の本音よりも親の期待を優先してしまうことがありますから、感情の言葉を絡めずに事実だけを言葉にする伝え方を意識するとよいでしょう。

NG→「〇〇ちゃんの靴が脱ぎっぱなしで、お母さんは悲しい」
OK→「〇〇ちゃんの靴は脱ぎっぱなしだね。きちんと揃えてください」

とはいえ、「あなたが可愛い」「あなたが大好き」「(だからこそ)心配している」という心からの愛を伝えるIメッセージは別ですので、伝えてあげてください。

ポイント② 女の子に過度な称賛は不要!
5歳くらいになると、女の子はその場の空気を読めるようになり、親の思惑を見抜いてしまう子もいますから、褒めたとしても「本心で言っていない!」と逆効果になることもよくある話です。

ですから、「すごい!天才だね!」など過度な称賛をせずに、日常をよく見て、何気ない表情や行いに気づいたときに、それを和やかな言葉に出せるといいでしょう。

ポイント③ 秘密や空想は暴かないこと!
5歳くらいによく見られる、小さな秘密や空想を大切にしているタイプの女の子には、決してそれらを暴かないようにしましょう。反対に論理的なタイプの女の子の場合は、面倒臭がらずに物事の因果関係を納得がいくまで話し、一緒に調べるのが効果的です。



5歳女の子が小学校受験を視野に入れるなら伸ばしたい力

一般的に習い事では、「くじけない心」「問題を見つけて解決する能力」「やりぬく力」「想像する力」「コミュニケーション力」「行動する力」「我慢する力」を伸ばすことができます。そのためには、楽しさだけでなく習い事に目標意識を持てるような家庭のサポートが大切です。

また、小学校受験で難関校に合格するお子さまは、課題に対しての「興味・関心」「積極性」「集中力」「持続力と忍耐力」「反応」が高いということが共通しており、これは非認知能力の高さそのものと言えます。

特に女の子は習い事の選び方でも触れた「所作や体、脳内が整う感覚の体験」「自由な発想と自己表現を楽しむ体験」を積み、段取り力と共感性を高めたいですね。

たとえば、共感性を育むおすすめの絵本『やさしいライオン』(フレーベル館・やなせたかし/作・絵)などの読み聞かせの後に、心に残った場面を描くという課題で、お母さんとのふれあい場面を描く子もいますが、ライオンが民家の壁を突き破り市民が驚いたという場面を描く子もいます。共感性の高い子がどちらかは、お分かりでしょう。


5歳女の子の非認知能力を伸ばす働きかけ

女の子の非認知能力を養うためには、将来欠けていると困ることを習い事などで補うことも有効ですが、何より、人生に欠かせない「共感性」は、慈しみや思いやりや謙虚さが表れるため、親の情緒の影響が大きいとされています。

ですから、親御さんは日頃から「くじけない心」「問題を見つけて解決する能力」「やりぬく力」「想像する力」「コミュニケーション力」「行動する力」「我慢する力」を意識して、お子さまが頑張った時には「あなたにはくじけない心・やりぬく力があるのね」、うまくいかない事柄を吐露した時は「自分でそれが問題だと気づいたんだね」「想像が膨らむね」「お話を聞いてあげたね・自分から話しかけたね(はにかみ屋さんへ)」「すぐにお友達になったね(ハキハキさんへ)」、など具体的な非認知能力を言葉にして本人に届けることが大切です。

この非認知能力は、小学校受験でも問われる力であり、難関小学校に合格されるお子さまは非認知能力が高い子が多いとも言われています。詳しくはこちらの記事もご覧ください。

5歳女の子の「こんなときどうする?」3大お悩みの対処法

これまで多くの5歳女の子と接してきましたが、親御さんのお悩みは大きく「おてんばすぎる」「恥ずかしがりや」「気分にムラがある」の3つです。もちろんこれらは個性ではありますが、その後の人生で困らない程度に整えてあげたいものです。最後に、それぞれの対処法をお伝えしたいと思います。

おてんばすぎる女の子の対処法
大胆さは否定せずに、食事や着替えの所作などの躾の部分だけはしっかりとしましょう。克服するのにおすすめの習い事は、囲碁や茶道です。

恥ずかしがりやな女の子の対処法
まずは、親が「この子は恥ずかしがりやなんです」と人前で言わないことです。
フォローしたいときは、「恥ずかしいのかな? そのお顔も可愛いよ」などと肯定してあげるとよいでしょう。克服するならば、発表会がある習い事がおすすめです。

気分ムラがある女の子の対処法
「花瓶の水を毎日1度変える」「玄関の靴を家族分揃える」「郵便物を取る」など、毎日淡々とできるお手伝いの役割を与えてみましょう。

年度初めに自分の目標と家族のためにやりたい仕事を、家族で1つ決めると取り組みやすくなります。

気分にムラがある子は芸術脳タイプなので、音楽やアート系の習い事で才能は開花しやすいですが、小学校受験や就学に向けて整えたい場合は、スポーツで目標を定めて反復練習するような習い事がおすすめです。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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