「褒める」のではなく「認める」ことで子どものやる気はUPする!
「子どもをむやみに叱るのはよくないという考えは一般的ですが、実はただ褒めるというのもあまりよくないんです」と話すのは伸芽会教育研究所で幼児教育35年になる桑名先生。幼児期の子どもに必要なのは、ただ「褒める」のではなく自己肯定感を育てるための「認める」子育てなんだそう。家庭学習や習い事を持続させたいと悩むお母さん必見! 子育てのヒントになる言葉が満載です。
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「褒める」と「認める」の違いがきちんと分かっていますか?
「よくできたね」「上手になったね」「偉いね」と褒めた場合と「書き順も正しく書けるようになったね」「雑巾がこんなに強く絞れるようになってすごいね」「最後まで一生懸命走れて頑張ったね」と言われた場合、どちらが子どもに伝わっていると思いますか? 答えはもちろん後者です。前者はいわゆる“褒め”になるのですが、少し上から目線な感じがしませんか? 一方、後者は具体的な言い方で子どもを“認める”というもの。こう言われてはじめて、子どもも「そうか、これがよかったんだ!」と褒められポイントを理解します。抽象的に褒められても、子どもは何がよかったのか、伝わっていない場合が多いんです。
具体的に褒めることで自己肯定感をUPさせる!
上記のように、具体的に褒めることで子どもは親や大人に「認められた!」という気持ちが芽生え、自信をつけていきます。これが自己肯定感(やる気の一歩)につながると私は思っています。
たとえば、お手伝いは幼児期の身体や心の発達にとてもいい効果をもたらすとお話ししましたが(※11月記事参照)、そのお手伝いに“認める”言葉を足してみてください。
「お箸をきちんと正しい向きで並べられるようになったね」「みんなの分の靴を揃えてくれて助かったわ、ありがとう」…。
幼児だって家族という社会で生きているのですから、何か役割りを与えられて「自分も家族の役にたっている」と感じることはとても大事なことです。親切心からなんでも親が手出し口出ししていると、気づかないうちに子どもの自主性を奪っていることもあります。忙しいお母さんにとっては、お手伝いしてくれてもはじめは二度手間になったり時間がかかったりするかもしれませんが、子どもをできると信じでお願いし、できたらきちんと認めてあげることを徹底すると、子どもはやる気に満ち溢れてきます。ぜひチャレンジしてみてください。
ときには親子で交渉することも忘れずに!
そうはいっても、子どもだって人間ですから、その日疲れていたり気分がのらないときは、お手伝いや約束を守りたくない日もあります。ですが、その際に「約束でしょ!やりなさい」と強制するのではなく、「今日は疲れて眠くなっちゃったんだね。じゃあ、明日少し早く起きて頑張ろうか?」と親子で交渉(状況を認めてあげる)するようにしましょう。そうすることで、子どもも親にやらされているという意識ではなく、自発的にやる意識が芽生え、「お母さんは僕のことを分かってくれていて、言うことを聞いてくれるんだ!」という自己肯定感にもつながります。
とはいえ、毎日決めたワークや習い事の練習などはきちんと守らせたいのが親心。「なんでやってくれないの!」「やるって約束したじゃない」と感情的に怒ってしまうこともあるでしょう。そんなときは「ごめんね、ママ言い過ぎた」と後できちんと謝ることも忘れずに。この魔法の言葉で「いいよ」とすぐに関係を修復できるのは親子であるからこそです。
怒りは30秒たつと薄れると言われています。一呼吸おいて、「あなたはどうしたらいいと思う?」と一方通行にならないよう冷静に話を聞いてあげることが大切です。
「お父さんに叱られないように頑張る」「お母さんに褒められたいからやる」というのは何かをはじめるきっかけにはなりますが、長い目でみると持続しません。子どもはあるとき、褒められること(叱られることにも)に慣れてしまい、それだけではやる気が出なくなってしまいます。
いかがでしたか? 幼稚園や小学校受験でも、求められるのは「自分で状況を判断して行動できる子」と桑名先生。そのために、大人は日々の生活の中で子どもを認め肯定してあげながら、考える力を養ってあげたいですね。