青木裕子さんの育児法と小学校受験 著書『3歳からの子育て歳時記』を紐解く

青木裕子さんの育児法と小学校受験 著書『3歳からの子育て歳時記』を紐解く

現在小学校3年生と5年生の2人の男の子の子育てに奮闘する、青木裕子さん。今回、雑誌フラウのWEB連載をまとめた著書『3歳からの子育て歳時記』(講談社)が発売。本に込めた想いや日々の子育て、さらに2度の小学校受験経験者でもある青木さんに、小学校受験の体験談についてもお話を伺いました。

プロフィール
青木裕子さん
慶應義塾大学を卒業し、TBSテレビにアナウンサーとして入社。現在はフリーアナウンサー、モデル、ナレーションと幅広い分野で活躍。プライベートでは2児の母として子育てに奮闘中。著書『3歳からの子育て歳時記』(講談社)が現在発売中!
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3歳からの子育て歳時記

受験をする人もしない人も共感できる1冊に

__フラウWEBで連載を始めた経緯とこの本に込めた想いを教えてください
今どきの子育てって「〇〇しちゃダメ」など禁止事項が多いと感じたことがありました。一方で正解もないから不安が増えるばかり……。そんな風に思って子育てしているのは、きっと私だけじゃないはずだと思って。私は小学校受験を考える中で“体験”を重視することになりましたが、受験をする・しないに関わらず、子どもと一緒にできることを読者の方と共有できる場になればと、フラウWEBでの連載がスタートしました。

今回それを1冊の本にまとめることになりましたが、大前提として私の子育てが正解だなどということは決して言えません。そこで、エビデンスという意味でも、いろいろな立場の先生方のご意見を知りたいと思い、小学校受験(オンラインサロン「コノユメサロン」代表の大原英子先生)と中学受験(「スタジオキャンパス」代表の矢野耕平先生)、探究学習(「探究学舎」代表の宝槻泰伸先生)というそれぞれの分野の専門家の先生にお話を伺いました。結果的に、受験をする・しないなどどんな選択をされる方にも活用していただける本になったのかなと思っています。

受験をする人もしない人も共感できる1冊に

幼児期の学びや体験が今の子どもたちの土台になっている

__本の中で、「今改めて幼少期を振り返ると、幼児期はかけがえのないものであり、幼児教育ってとても大切だと思う」とありましたが、青木さんは幼児教育の大切さをどのように捉えていますか? 
息子たちが小学生になった今、あの密に過ごした二人三脚の幼児期は改めて「いい時間だったな」と思います。とはいえ、私もまだ子育ての途中なので、「幼児期のあの体験が後に役に立った」とまでは言い切れないのですが、親が知らないことや友達と過ごす時間も増えて、親からどんどん離れていく今の姿を見ていると、手や口を出せない分、それはそれでまた別の辛さがありますね(笑)。息子たちそれぞれに、日々いろんなことが起きていますが、本人たちがどう感じてどう対応するか、そのベースとなるのが幼児教育なのかなと思っているところです。

2度の小学校受験を振り返って感じること

__「母親の気持ちはぶれやすいし、何かと学びに結び付けたくなる。“名もなき教育”に振り回されていた」と本にはありましたが、2度の小学校受験を振り返って、今どんなことを感じていますか?
大変なこともたくさんありましたが、今一番思うのは「小学校受験をして本当によかった」ということです。受験の機会がなかったら、わが子の教育について夫婦で真剣に考えたり、学びのための体験に取り組んだりしていなかったと思うからです。
子どもたちと濃密に向き合えた時間は、子育ての大切な思い出になっていますね。それこそ、受験をしなかったら、柏餅作りを家でやろうと思わなかったと思います(笑)。

一方で、特に小学校受験って未知の世界だと思われがちだし、まだまだ偏見も多い。でも、受験に関わらず、どんな選択をした人にとっても、自分が選んでいない子育ての情報を知ることって悪いことではないし、むしろプラスになることもあると思っています。それがこの本を通して少しでも感じていただけたら嬉しいですね。

子どもとの体験遊びは「VIPの接待を楽しむ」くらいの気持ちで

__本の中では、味噌作りに柏餅作り、キャンプに潮干狩り……と、ご家族でさまざまな体験をされていましたが、幼児期の体験で意識していたことはどんなことですか?
一番大事にしているのは「一緒に楽しむこと」。でもそのためには予約をしたり持ち物や行き方を調べたり事前準備が必要ですよね。わが家の場合はそういったことがすべて私主導だったので(夫は見守り&現場担当)、ある意味そこも仕事ととらえて、「VIPの接待を楽しむ」くらいの気持ちで裏方に徹するといいかなと思います(笑)。

どんなに一生懸命準備をしても、悪天候によってキャンセルになったり、子どもが思ったよりハマらなかったりするのはよくあること。“損な役回りだ”と思うことも多々ありましたが、そこもVIP相手だと思って「期待しすぎないこと!」。経験をさせたいというのは親の想いですから。そんなときは「私よくやったと思う!」と自画自賛したり、ママ友に話す笑い話の種になったと考えるようにしたりしていました。

私が体験遊びに出かける際に意識していたことの一つが、自分の荷物は自分で準備するよう子どもたちに伝えること。たとえば、山登りでは、遭難したときのことを考えるよう話し、子どもが自分で準備をして自分で荷物を持つようにしていました。他にも、たとえば料理を手伝ってもらう際、全部はうまくできなかったとしても、「自分でできた!」と達成感を感じられるよう工夫することなども必要かなと思います。

子どもとの体験遊びは「VIPの接待を楽しむ」くらいの気持ちで

最終的に夫婦は役割分担、適材適所。ママ主導だっていい!

__受験や学校選びなども青木さんが主導でされていたそうですが、疲れたりイライラしたりすることはありませんでしたか? ママ主導の子育てをされている読者にアドバイスがあれば教えてください。
教育も遊びも旅行も全部私主導ですから、当然疲れたり夫にイライラしたりすること、ありますよ!!が教育に熱心だったり家事育児をさらっとこなしたりするパパをうらやましく思うときも正直ありましたが、私自身何かを調べるのは嫌いじゃないし、私の考えはちゃんと聞いてここぞというときは意見してくれる夫なので、「私に全部決めさせてくれる」とプラスに考えるようになりました。最終的に夫婦は役割分担、適材適所、チームかなと思っています。

無関心は違うけれど、タイプが違う夫婦の場合、一つの物ごとに対してどうアプローチするかの違いかなと。うちの夫は焦らないし動じないタイプで、それは私にはない部分でもあります。「受験合格のためには夫婦が同じ方向を見て協力しないとダメ!」などという記事を見たりして、焦る方もいるかもしれませんが、正解の形はないし、それぞれでいいのかなと思っています。実際息子たちは長男が夫タイプ、次男が私タイプ。同じ性別で同じように育てていても、性格は違うんだなと感じます。

__本の中で「大変なこともあるけれど、子育てが好き」とありましたが、お子さんたちが巣立ってからの夫婦のありかた、自分のために使う時間など、どのように考えていますか?
最近、ママ友ともよくその話題になります。でも正直、今はまだそこまで考えられないですね。夫とは性格も趣味も真反対なので、子どもたちが巣立ったら、それぞれがやりたいことをやる夫婦になるのかな、とは思いますが。

私は、子育てをするだけで立派な一大プロジェクトだと思うんです。SNSなどで、仕事も家事も育児も美容も趣味もパーフェクトに頑張っている方々を見ると、すごいなと思うことはあるんですが、私は会社員時代からいろいろなことを同時に大切にするのが苦手で、大きなプロジェクトに熱中して、終わったら少し燃え尽きるということもありました。。だから、きっと、今は子育てに全力投球する時期でもいいかなと思っています。、またいつか次の目標がみえてくるのかな、と。

__最後に子育て中のママさんにメッセージをお願いします
正解がなくて迷うことばかりの子育てですが、私なりの経験から、親子で前向きに楽しく過ごすためのちょっとした工夫のアイディアを詰めた本を作りました。何より、経験豊富な先生方のエビデンスが本当にためになるので、困ったときの子育てのヒントになったり、何かのお役に立ったりしたらうれしいです。

    

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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