食べ物にコスメに衣類…ママが知っておきたいオーガニックの基礎知識!
野菜にフルーツ、ベビーウエアなどの衣料品からコスメまで。巷にあふれる「オーガニック」製品。でも正しい知識がないと、なんちゃってオーガニック製品である場合も…。
そこで、オーガニックコンシェルジュである吉村雅子さんに、子育て世代のママが知っておくべきオーガニックの基礎知識をお聞きしました。
目次
そもそもオーガニックって何?
オーガニックとは、簡単に言うと、化学的なものをできるだけ使わず、自然の循環を大切にして環境負荷をより少なく配慮した考えのことでそれが私たちの健康や安全にもつながっていくという考えを持つことです。
お子さんをお持ちのお母さんですと、子どもの健康や安全というものは何ものにもかえがたいところですので、近年は多くの方が意識するキーワードとなってきています。
ただし、オーガニックには定義があり、ただ化学肥料や農薬を使わないというだけではなくオーガニックや有機を名乗るには2年間以上(多年生は3年間以上)継続して化学肥料や農薬を使わない土づくりを行った土壌で育てた作物、遺伝子組み換えの種は使用していない作物、また畜産物では飼料もそのようなオーガニックや有機のものであること、抗生物質などを病気の予防目的で使わない、ストレスをかけない飼育であることなどの基準があり、最終的に第3者機関の認定を受けたものであるという高い基準があります。
添加物や農薬の種類が他国よりも多い日本。それらを使った食品が多いからか、一概には言えませんが、昔の日本や他国に比べると子どもがアレルギーの問題を持っていたり、すぐに風邪をひいたりすると悩まれてるお母さんが多いと言われています。
オーガニックの野菜とそうでない野菜を比べると、採れた時の元気のよさが確実に違います。自然の循環の中で育った野菜たちはやはり自身の力によってとても元気、そして味もしっかり。そのかわり土から離れているので鮮度命です。
一方、農薬や化学肥料漬けの野菜は一見元気そうに見えいつまでも長持ちしますが、それはやはり自然の力ではなく、化学的なものによって無理やりなのですよね。お子さんに例えると薬漬けで育つより、自分の持っている力で元気な子の方が嬉しいですよね。
わが子も小さい時にオーガニック食材に切り替えてから、風邪をひいたり、病気をほとんどしなくなりました。人間の身体も自然の一部であると考えるとオーガニックのほうが身体に合うのは当然ですよね。
オーガニックや無農薬なら100%安全ではありません!
オーガニックなら安全・安心イメージがあるというところから、そのことを知らない生産者などが認証を受けずにオーガニックを名乗る商品を作ったりすることもあったりしますので全てが100%安全なものと言い切れないのが実状です。
しかし、日本でオーガニックの認証を受けたものには食品、食加工品、畜産品ですと有機JASマークの表示が義務付けられていますので、オーガニック商品の購入するときの目安にされるといいと思います。
また一方、無農薬として販売されている野菜や加工品がありますがそれが安全かというと…こちらも100%安心、安全と言い切れるものでもありません。
有機JASマークの認定を受けるには、実に多大な資料の作成や管理に時間を要することもあり、認証を受けることにこだわらず、いいものを作ろうと環境を守ろうと頑張っていらっしゃる生産者さんもおられます。
無農薬という表示についても100%安全、安全であると言い切れないというのが実状です。そういった場合はその生産者さんの背景や商品に対するストーリーなどを見聞きし、自身で判断、納得していく必要があります。
ですので、より品質の保証されたオーガニックや有機商品を求めるには、オーガニック認証を受けた有機JASマークのついている商品を目安に購入されるとよいと思います。
衣類、化粧品…正しいオーガニック製品の見極め方とは?
日本では食の部分でのオーガニック認証は厳しい基準で進んでいますが、衣類や化粧品については残念ながら法の整備がされていないのが現状です。特に化粧品については微量でもオーガニック素材のものが使われているとオーガニックやナチュラルの表記がされているものがほとんどです。
化粧品などについては海外の方がオーガニックの考えが進んでいますので、海外の認証機関の認定を受けた時につけられるマークを目安に選択されるといいでしょう。
日本のメーカーの中には、海外の高い基準を目安に『無添加』『100%天然素材使用』と独自で表記されているものもありますので、パッケージの裏側の成分表示を確認して化学的なものが使われてないことを確認して購入されるとよいと思います。
衣類やタオルについては、オーガニックコットンを使用したものがありますが、日本ではオーガニック綿花の栽培はほとんどされておりません。
日本のメーカーでは海外の認証を受けたオーガニック綿花を使用したものが基本となっておりますので、やはり、メーカーさんの想いや背景を知ることがより品質の高いオーガニック製品を見極めるポイントとなってきます。
オーガニックコットンを使用した肌着やタオルなどは、繊維の状態が自然なのでコットンの天然油分を保ち、繊維も弾力性があるので肌触りが優しくお子様や肌の弱い方にもおすすめです。
心地よいオーガニックライフを送るには背景を知ることが重要!
はじめにもお伝えしましたが、オーガニックとは自然の循環を大切にして環境負荷をより少なく配慮した考えを持つことが基本です。食料品、化粧品、衣料品を選ぶ際に、ひとつの目安にするといいのは生産者さんの想いやその背景にあるストーリーを知るということではないかなと思います。
心地よいオーガニック商品と出会うと必ずファンになりたくなるような生産者さんの想いやストーリーが見えてきます。オーガニック商品をただ手にするというところから、一歩踏み込んでその背景を知ることでより楽しく豊かなオーガニックライフを送ることができるのではないかなと思います。
お母さんが自然の循環を理解し、楽しんで心地よく過ごすことが、わが子の健康や安全につながっていく近道なのではないかと思います。
とはいえ、日本ではまだまだオーガニック商品の普及率が低く、作られるのに手間がかかるものも多いので値段も高めだったりします。私の場合ですと、外食でオーガニックを求めるのはほぼあきらめるとして、家庭での食事に使う野菜や調味料などを極力オーガニックなものになるように選んでいます。
いきなりすべてをオーガニックにするのはなかなか難しいと思いますので、できるところからオーガニックを取り入れて、心地良さを体感しながらオーガニックに慣れ親しんでいかれるのがよいのではないでしょうか?
吉村 雅子
料理家、管理栄養士、オーガニックコンシェルジュ。同志社女子大学食物学科管理栄養士専攻卒。長年、企業広報誌や雑誌などの広告媒体に、野菜や果物を中心に使った心と身体に優しく響く料理やお菓子レシピ、食生活提案を行っている。
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