メディア、ママ友… 流されないママになるためにすべきこと
カウンセリングをしていると、「私、周りに流されやすいんです」とおっしゃるママによくお会いします。裏を返せば、流されやすいママほど、悩みを抱えやすいとも言えるようです。
去年1年、「流されてしまってストレスが溜まった…」という方は、この記事でご紹介するコツを使って、今年は流されないママに変身していきましょう!
目次
流されやすい人に見られる特徴とは?
ママ友に、「英語教育は0歳からはじめた方がいい」と聞いて、「ならばすぐにでも」と思っていたら、テレビで、「まずは日本語を第一に」と聞き、そちらに流れる。幼稚園選びでも同じ、「どこがいいのか」「何歳からがいいのか」とまたまたブレる…。こんなご経験はありませんか?
ママをグラグラと揺らす情報源は、主に、メディアとママ友。ネット、育児書、ママ友情報に振り回され、右往左往してしまうのですね。
次のリストは、流されやすい人の性格的な特徴をピックアップしたもの。いくつ当てはまるでしょうか?
□周りに非常に気を遣う
□人の気持ちを第一に考えてしまう
□自分に自信がない
□争いごとやもめごとが嫌いだ
□頼まれると断れない
□何事にも大きなこだわりがない
□人づきあいがいい方だ
□理想が高いと言われる
□自分の意見を主張しない
□いつも頭であれこれ考えている
10個のうち、4つ以上当てはまる方は、きっと「私って流されやすいなぁ」と思ったことがあるはず。もし今、人間関係のストレスを抱えているという自覚があれば、それは、流されていることでのストレスかもしれません。
流されやすさの要因は自分軸と他人軸のバランス
流されやすいママには、ある共通項があります。それは、「自分軸と他人軸のバランスが崩れている」ということです。
自分軸と他人軸のバランスが取れていると、どちらも出過ぎず、引っ込み過ぎず、ちょうど次のような特徴が見られます。
【自分軸】
- 自分のやりたいことがハッキリ見えている
- 人との違いがあっても、それを受け入れられる
- ひとつひとつの物事に対し、自分なりの見解を持っている
【他人軸】
- 協調性に富んでいる
- グループワークをうまくこなせる
- 人との距離感を取るのがうまい
しかし、そのバランスが崩れ、どちらか一方だけが強くなり過ぎると、次のような現象が起きます。
【自分軸優勢型】
- 自己中心的な行動や自分本位の決断をする
- 相手の立場になって物事を考えない
- 常に話題の中心にいないと満足できない
【他人軸優勢型】
- 相手に合わせすぎてストレスを抱える
- イエスマンになってしまい、多くのものを抱え込む
- 「みんなと一緒」でないと不安になる
この最後の「他人軸優勢型」が、今回のトピックである「流されやすい人」の共通項です。
そのきっかけが幼少時の経験にあることも…
カウンセリングなどでお話を聞いていると、「自分軸が確立できていない」「他人軸で生きてしまっている」と悩んでいるママは、ご自身のお母さまが強い力を持っていたというケースが少なくありません。
- 小さい頃から、「あれしなさい、これしなさい」とたくさん言われた
- いい子でいること、いい学校に行くこと、いい成績を取ることなどを強いられた
- 何事も親が決めることが多く、自分で選ぶチャンスが少なかった
このように、過度に管理され続けたことで、自分軸を形成する機会を失い、他人の顔色を見て動くクセがついてしまったのです。
流されないママになるための自分軸強化法
流されないママになるために必要なのは、やはり「自分づくり」です。根本的な取り組みとして、まずやっていきたいのが、自分の思考グセを改善していくこと。
流されやすい人というのは、長年の他人軸優勢のクセで、心の中で次のような“ぼやき”を繰り返している傾向があります。
どうせ私なんて
私のせいかも
私が至らないからだ
のような、自分を下に見る言葉。
あの人、私のことどう思ったかな?
こんなことをしたら、みんなどう思うかしら?
のような、相手の心を探ろうとする言葉。
なぜこのように考えてしまうのかというと、その人の考えや行動を方向づけているのは、「相手の動向」だからです。つまり、その人が何をするかを、他の人が決めてしまっている状態なのですね。
自分軸を強めるためには、自分なりの理由づけで行動する練習を繰り返すことが大事です。
たとえば、
「私は〇〇だと思うから」
「私は〇〇が好きだから」
「私は〇〇が適切だと考えているから」
今後、周りから情報を得たとき、「私にとってどうか?」「わが家には必要か?」と自分を中心に考えて決断していく習慣をつけていくと、これまでの「他人軸優勢型」の思考グセを、塗り替えていくことができます。
大事なのは、自己決断の場数をたくさん踏むことです。あなたを困らせてきた思考グセは、あなたの長年の相棒でもあったもの。だから、一晩で一気に塗り替えができるタイプのものではありません。でも、ゆっくりと時間をかけて、自己決断の経験を繰り返していけば、必ず、「自分軸が強まった」と実感できるようになります。
反面教師! わが子を流されやすい子にしないコツ
ここまでは、ママの自己改革について話を進めてきましたが、最後に、わが子を自分のように流されやすいタイプにしないためのコツをお伝えしたいと思います。
すでに書いたように、子どもは母親の影響を多大に受けて成長していきます。もしあなたが、お母さまからの過管理を「辛かった」と感じていたら、それをわが子には繰り返さないようにしてほしいのです。
子どもにはある程度の自由が必要です。自由度があることで、選択する機会を得られるからです。子どもができる決断を、親が代わってやってしまうと、子どもの自分力を奪ってしまうことになります。「〇〇ちゃんはどう思う?」「〇〇くんが決めてね」を積極的に使っていきましょう。
年初は、今年の育児目標を設定するのに絶好の時期です。「今年こそ、流されないぞ!」というママは、ぜひ、ママにとっても、お子さんにとっても、「私はこう思う」が増えるような抱負を設定してみてください。
育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:https://megumi-sato.com/