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小学校・中学校、これからの受験はどう変わる?「最高の子育て」セミナー 後編

小学校・中学校、これからの受験はどう変わる?「最高の子育て」セミナー 後編

先日ハイアットリージェンシーで行われた伸芽会の「最高の子育て」セミナー。

後編では、第二部TOMAS入試対策本部の伊藤先生による「これからの時代を生き抜くために必要な力と中学受験・大学入試制度」、さらに第三部の伸芽会教育研究所の飯田先生による「私立・国立・公立小学校の現状と、伸芽会の幼小一貫教育」の模様をお伝えします。

まずは、第二部TOMAS入試対策本部の伊藤先生による「これからの時代を生き抜くために必要な力と中学受験・大学入試制度」からスタート。

2020年からいよいよ日本の教育改革が始まります!

2020年以降の戦後最大と言われる日本の教育改革。これにより、今の小学6年生以下の子どもたちの大学入試制度も大きく変わります。なぜか。それは、求められる学力が変わってきたからです。

今後は、必ず正しい答えがある今までの学力テスト(認知能力)だけではない、まさに非認知能力が問われていきます

プログラマーにYou Tuber、これらは私たちが子どもの頃にはなかった仕事ですよね。これからの時代を生きる子どもたちには、こうした新しい仕事を生み出せるような力が求められてくるんです。

小学校低学年は「どれだけ気軽に間違えられるか」が重要に!

長年、中学受験を見て来て思うのは、小3までの過ごし方が学力を左右するということ。そして、得点だけ気にする子は後伸びしないということ。低学年の時期にどれだけ100点を取れるかではなく、どれだけ気軽に間違えられるかがとても重要なんです

ですから、親御さんも、特に小学校低学年のうちは、目先のテストの点数にとやかく言わないであげてください。正解不正解ではなく、「どうしてそのように考えたのか」のプロセスをしっかり見て、面白い発想があれば「そう考えたのか!」と褒めてあげてください。

親が幼少期のうちにすべきこととは?

では、幼少期のうちに「将来後伸びする学力」を身につけるにはどうすればいいか。それは、日常生活の中にある子どもの「なぜ?」から興味関心を深めてあげることです

「なんで大人はお仕事するの?」「なんで信号の赤は右側なの?」…。子ども扱いせずに、親子で対話してください。答えが分からなければ、「どう思う?」と問いかけ、一緒に調べてみてください。

これからの勉強とは、知識や技能だけではなく、自分で考えて判断して表現することが問われます。私は、分かる感覚の差=学力の差だと思っています。

お金持ちになりたい、世の中の役に立ちたい…「答えを覚える勉強」ではなく、「何のために勉強するか」の目的がはっきりしている子は受験勉強も乗り越えられるはずです。そのためには、幼少期に興味や好奇心をどれだけ持てるかがポイントになってきます。

最後は、第三部の伸芽会教育研究所の飯田先生による「私立・国立・公立小学校の現状と、伸芽会の幼小一貫教育」のお話を。

プロフィール
飯田道郎

1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。


これからは私学や国立校が改めて注目される

私は長年に渡り、小学校受験を指導してきました。第一部のボークさんの言葉を借りれば、私のパッションは、“日本で幼小一貫教育の流れを作ること”かもしれません。

第二部の伊藤先生のお話にあった、2020年以降の教育改革。これは、国立や私学の小学校にとっては追い風になることだと私は考えています。

決して公立校を否定するわけではありませんが、国立や私学の小学校では、何十年も前から、それぞれ独自の教えや考えのもとにハイレベルな教育プログラムを実践してきたわけです。

これまで平均的な学力を求めてきた公立校で、どのように一人一人の個性を伸ばすアクティブラーニング教育を取り入れていけるのか、これは簡単ではないと思います。

お受験の偏差値マジックに惑わされないで!

公立校が全国で1万9000校ある中、私学や国立は272校しかありません。全国の年長児の数からみると、受験をする人数はほんの一部です。その一部の方たちはみなさん、高い意識を持って努力をしてきた優秀な方たちです。

小学校受験を目指されている方にお伝えしたいのが、偏差値マジックに落ち込まないで、ということです。幼児は偏差値60でとてもハイレベルなんです。親御さんの中学高校受験の頃の偏差値とは違うということを覚えておいてください。

受験はゴールではないということ

毎年、この時期に目にするのですが、受験に合格したからといって、のんびりしすぎてその後の学習をおろそかにしてしまうと、入学時には振り出しに戻ってしまうお子さんがいます。これでは、せっかく身についた学習習慣が台無しです。

たとえば、正しいえんぴつの持ち方や姿勢で学習できる子は、集中できる距離を見つけているので、小学校以降の後伸びにつながります。幼児期に遊びながら図形の学習をしてきた子は、その後の分数の理解につながります。

受験をする、しないに関わらず、親御さんは幼小一貫教育を意識した、正しい学習習慣を継続して身につけてあげてください。

いかがでしたか。「後伸びする学習習慣」をぜひ幼児期のうちから身につけていきたいですね。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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