子どもの歯磨きを楽しくするアメリカ流の工夫とは?

子どもの歯磨きを楽しくするアメリカ流の工夫とは?

小さな子を持つ親にとって、子どもの健康管理は日々の課題の一つです。とくに、幼少期からの歯のケアには習慣化が求められますが、歯磨きを嫌がる未就学児にどう向き合うべきか悩むことも多いでしょう。そこで今回は、アメリカの親たちが実践する歯磨き習慣に注目。子どもが楽しく歯磨きに取り組むための工夫や考え方について探ってみます。

楽しく習慣化させることがポイント!

アメリカの親たちは、未就学児の歯磨き習慣を促すためにユニークな工夫を取り入れています。日本の親にも参考になりそうなアイディアとして注目すべきポイントは、「歯磨きを一日の『楽しい』ルーチンとして取り入れる」という考え方です。下記に例を挙げてみました。

・歯磨き後に絵本の読み聞かせ

アメリカでは「3B」(Brush, Book, Bed)というルールが一般的に知られています。「歯磨き→絵本→就寝」の流れを指し、子どもの生活リズムを整えるために用いられています。この方法は、ベッドに行く前の一日を締めくくるルーチンルールとして習慣化しやすいものです。

寝る前に絵本の読み聞かせを入れることで、子どもは歯磨きを楽しい時間を過ごす前の習慣として認識。自主的に歯磨きするようになれば、「歯磨きさせなくては!」という親のストレスも軽減されます。

・スマホアプリを使い達成感

さらに子どもが自分で楽しく歯磨きできるような工夫として、スマホアプリを使う家庭も増えています。例えば、タイマー機能付きのアプリではキャラクターが子どもと一緒に歯を磨き、タイマーが終わると達成感を味わえる仕掛けがあり、楽しみながら歯磨きの習慣を身に付けることができます。
日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、歯磨きアプリは忙しい共働き家庭に役立ちそうなアイディアです。

・好きなキャラクターグッズを活用

日本と同様にアメリカでも実践している家庭が多いのが、キャラクターグッズを活用することです。好きなキャラクターの歯ブラシや歯磨きペーストを使うことで、子どもがより愛着を感じて歯磨きが楽しくなるのは、日本もアメリカも変わりないでしょう。

・父親も一緒に参加
 
またアメリカでは、父親も積極的に子どもの歯磨き習慣にかかわる傾向が見られます。共働き家庭が多いこともあって、父親が夜の歯磨きルーチンを担当することがめずらしくありません。歯磨きの後に絵本を読んで寝かしつけるまでを、ひとつの流れとして行うことがよくあります。

これらの取り組みは、歯磨きを「楽しみとして取り入れる」ための工夫として参考になります。とくに、未就学児の歯磨きをどう習慣化させるか悩んでいる家庭にとっては、ヒントになりそうです。

歯磨き

多くの家庭が子どもの歯科矯正を実施

子どもの歯の嚙み合わせや矯正は、アメリカではとても重要な問題とされています。子どもが7歳までに矯正専門医の相談を受けることが推奨されていますが、これは乳歯から永久歯への移行期における問題を早期に発見し対処するためです。

整った歯並びは美しさや健康の象徴とされ、多くの家庭では子どもに矯正治療を受けさせます。経済的に可能であれば、親の責任として治療を受けさせるのが当然との考えです。

矯正などの治療方法も多様で、見た目を気にする子どもたちにも配慮されています。従来の金属製ブラケットから透明なマウスピース型矯正装置(インビザラインなど)まで、選択肢が豊富です。さらに、治療中のモチベーションを高めるための報酬制度や、矯正器具のデザインや色を選べるサービスなども導入されています。

矯正治療の費用は一般的に5,000ドル(約77万円)から7,000ドル(約108万円)程度ですが、多くの場合は保険が適用され、実際の負担額は軽減されます。このように、アメリカの子どもの歯列矯正はトラブルの早期発見と予防的アプローチを重視しており、さらに歯並びの美しさを尊重するという文化的背景によって支えられています。

※1ドル155.3円で換算(1/17時点)

健康な歯は、噛み合わせの正しさを通じて全身の健康状態にも影響を与えます。食べ物をしっかり噛めることで消化を助け、栄養を効率よく吸収できるようになります。また、顎の発達や顔のバランスを保つことにもかかわるといわれ、長期的には姿勢や呼吸にも影響を及ぼすとされています。

アメリカでは幼少期からの歯のケアがこうした全身の健康維持につながると考えられており、歯科検診が子どもの発育を支える重要な要素とされているのです。

アメリカの歯磨き粉はフッ化物入りが一般的で、虫歯予防に高い効果を発揮しています。ただ、アメリカ国内の最近の裁判例 を見ると、フッ素化合物の安全性や公衆衛生機関による方針について新しい議論も起きています。日本の親たちにとっては、フッ素のメリットとデメリットを理解し適切な選択をするための参考材料となるでしょう。

まとめ

子どもが進んで歯磨きしたくなるアメリカのアイディアは、日本の家庭においても実践可能なヒントとなりそうです。楽しく歯磨きをするためには環境づくりやさまざまな工夫が必要ですが、毎日の小さな習慣を積み重ねていくことが子どもの健康につながると信じて取り組みたいですね。

参照リンク
https://oralpeace.com/news/news-news/33862

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE

関連記事

新着記事