友達・兄弟のケンカ、そのとき親はどうするべき?
友だちとのいざこざや兄弟ゲンカ、親はどう対処したらよいのでしょうか?幼少期のうちに、親が取り組みたいケンカ対策を3つご紹介します。
目次
子どもはなぜケンカをするのか?
子ども同士のもめごとは、ほとんど場合、次のことが引き金です。
- 自分の意志を通したい
- 自分の権利を優先させたい(順番、場所、物の取り合いなど)
つまり、「自分寄り」の回答を得るためにケンカは起こりがち。人生のスタート時点では、みな多かれ少なかれ自己中心的なので、ケンカに発展しやすくなります。
そんな子どもたちも、3歳過ぎから学習を通して社会性を身につけていきます。
その学習には2タイプあり、子ども自ら経験で学んでいくものと、親から教えてもらうものがあります。
この2つは並行させる必要があり、はじめから「親が子ども同士のことには口を出さない」とすべてを任せてしてしまうのはNGです。子ども同士の人間関係は、自分たちで築き上げていければベストですが、はじめから子ども任せではうまくいきません。社会性の土台は各ご家庭で育む必要があります。
親がするべき3つのケンカ対策
子どもがケンカをしてしまうのは、その子にとってそれが有効な問題解決の手段だからです。手っ取り早く自分の意志を通すことができるので、「ケンカは効く」と判断されるためクセになりやすいのが問題です。この点からも、親の介入は必要です。
しかし、ケンカが起こってから介入をしても、効果は期待できません。悪化させないようにするのが関の山。
なぜなら、ケンカをいったん始めてしまったら、誰もが冷静さを失い、聞く耳を持てなくなるからです。
よって、親からの働きかけは、ケンカ以外のときに行うのが効果的。日常を通じ、ケンカに頼らない問題解決法を教えていくことが成功のポイントです。
その方法として、
- 夫婦ゲンカの際は、感情を押さえ、話し合いに持っていくようにする
- 絵本などの読み聞かせを通じ、良い教えを伝えていく
- ごっこ遊びなどを通じ、ケンカのない世界を体感させていく
この中で、とくに配慮すべきは夫婦ゲンカでしょう。夫婦ゲンカは、親の問題解決スキルを子どもに見せる場です。親が感情的にケンカをしてしまうと子どももそれに習うので、注意が必要です。
また、子どもは、反面教師的な学び方は苦手です。したがって、「そんなことでは友達がいなくなるよ」「いつか痛い目にあうよ」のようなしつけは、実は効果がありません。よい見本を見せたり、よい話を聞かせたり、という正統派のアプローチが子どもの心を動かすのです。
育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:https://megumi-sato.com/