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【保存版】幼児の転落事故はどう防ぐ? 年齢別! 家の中に潜む危険とその回避方法

【保存版】幼児の転落事故はどう防ぐ? 年齢別! 家の中に潜む危険とその回避方法

このところニュースになっている幼児のベランダ転落事故。他にも家の中には危険がいっぱいです。そこで、東京消防庁防災部防災安全課の方に、家の中に潜む危険やその回避方法についてお話を伺いました。もしものときに慌てないために、日ごろから役立つツールをダウンロードしたり、夫婦や家族で話し合っておきたいですね。

乳幼児の家庭で起きる事故の1位は「落ちる」

_乳幼児の家庭で起きる事故のうち上位5つを教えてください。

東京消防庁管内※1で、令和3年中の乳幼児(5歳以下)の事故種別ごとの救急搬送人員上位5つは下図のとおりです。誤飲などよりも圧倒的に多いのが1位の「落ちる」2位「転ぶ」という結果になっています。


※1東京消防庁管内:東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
※2中等症:生命の危険はないが、入院を必要とするもの

0歳~5歳、年齢別で家庭の中に潜む危険ポイントと注意点

__家庭の中では具体的にどんな場所に注意したらいいでしょうか?

年齢別で、お伝えしていきましょう。

【0歳】
ベッドや、人が抱いている状態から「落ちる」事故が多く発生しています。また、包み・袋、たばこ、玩具を「誤って飲み込む」事故も多く、なんでも口に入れてしまう特性が見てとれます。さらに、ポット・魔法瓶で「やけど」をする事故も注意が必要です。

(事故予防ポイント)
・ベビーベッドの柵はしっかりと上げる
・抱っこ紐は正しい装着をし、前に屈む時は子どもを手で支える
・飲み込む危険性のある大きさのもの、電気ポッドなどのコードは手の届くところに置かない
・電気ポッドなどのコードは手の届くところに置かない

飲み込み危険性のあるものの基準として、乳幼児はトイレットペーパーの芯(39㎜)を通る物なら飲み込む危険性があることを覚えておきましょう。
飲み込みそうな物ややけどの恐れのある物が子どもの手の届くところにないように日頃から整理整頓を心がけ、置き場所にも配慮しましょう。

【1歳】
一人歩きを始める1歳児は、階段や椅子などの家具から「落ちる」事故や、TV台、棚、ラック、机・テーブルに起因する「ころぶ」事故が多く発生しています。他にも、玩具やたばこを「誤って飲み込む」、手動ドアに「はさむ・はさまれる」、お茶・コーヒー類などによる「やけど」など、さまざまな事故が発生しています。

(事故予防ポイント)
・椅子にはチェアベルト、階段の上下には転落防止柵を活用する
・テーブルの隅などに熱いものを置かない

1歳児になると活発に動くようになります。子どもから目を離さないようにしましょう。

【2歳】
階段や椅子などに起因する「落ちる」事故が多く発生しており、自転車の補助椅子から落ちるケースも。また、「ぶつかる」事故、手動ドアに「はさむ・ はさまれる」事故や、カップ麺や味噌汁・スープに起因する「やけど」の事故にも注意が必要です。

(事故予防ポイント)
・自転車の幼児用座席に子どもを乗せたまま離れない
・自転車に乗るときは幼児用ヘルメットを装着する
・ドアの蝶番側に指はさみ防止グッズでカバーする

子どもの手足は狭い隙間でも入ってしまいます。ドアの開閉時は十分注意しましょう。

【3~5歳】
階段や机・テーブルで「ころぶ」事故が多く発生しています。また、2歳児と同じく、階段 や椅子や遊具から「落ちる」事故も多いです。また、玩具などを「誤って飲み込む」事故や、ナイフによる「切る・刺さる」事故にも注意が必要です。

・危険な行動は繰り返し注意して教える
・ナイフなどの鋭利な物は子どもの手の届く場所に放置しない

3歳になると運動能力も高くなり行動範囲も広がりますが、危険や安全の判断はまだ十分にできないので注意しましょう。

ベランダ転落事故を防ぐには環境作りと見守り・教育が不可欠!

__最近、子どもの転落事故が多く報道されているが、どんなことに注意すればいいでしょうか?

「窓やベランダ周辺の環境づくり」と「見守り教育」という2つの点での注意が必要です。

【窓やベランダ周辺の環境づくり】
・子どもが勝手に窓を開けたり、ベランダに出ないよう、手の届かない位置に補助鍵をつける
・窓やベランダの手すり付近に、足がかりになるような物(窓際のソファー、ベランダにプランターや椅子、テーブルなど)を置かない
・エアコンの室外機を設置する場合には、柵から60㎝以上離すか、上から吊るす
・窓、網戸、ベランダの手すりに不具合がないか定期的に確認する

【子どもの見守り・子どもの教育】
・小さな子どもだけ家に残して外出しない
・窓を開けた部屋やベランダでは小さな子どもだけで遊ばせない
・窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない

事故予防のために、夫婦や家族で日頃から確認しておきたいこと

__夫婦や家族で日頃から確認しておきたいことがあれば教えてください

その1 わが子の成長度合いやヒヤリハット体験を共有する

お子さんの日頃の「成長度合い」は共有しておいた方がいいと思います。「今日は寝返りが できた」や「つかまり立ちをしてテーブルまで手が届いた」といった情報は子どもの成長として嬉しい反面、注意しておく情報でもあります。ヒヤリハットなどの体験も自身のものだけでなく、他から得た情報も話し合って共有しておくといいでしょう。

その2 地域の「新米パパママのための応急手当講習会」も活用しよう!

また、東京消防庁には楽しみながら防災体験をすることができる都民防災教育センター、通称「防災館」が池袋、本所、立川に3ヵ所あり、1歳未満のお子様がいる方、これから親となる方などを対象とした新米パパママのための応急手当講習会を行っています。
いざという時のためにぜひ受講してみてください(予約制)。

さらに、立川防災館では日常生活で注意する点をAR技術により学ぶことができる「日常生活事故防止コーナー」があります。ご家庭での事故防止対策に役立ててください。


もしものときの応急措置に備えて役立つツールを確認しよう!

__応急処置の仕方や救急車を呼んだ方がいいのか迷った場合はどうすればいいでしょうか?

応急処置については、東京消防庁HPに掲載している「STOP!子どもの事故」や「救急アドバイス・倒れている人をみたら(応急手当の手順)」等をご覧ください。
また、救急車を呼んだ方がいいのか迷った場合は「#7119」に電話でご相談いただくか、自ら緊急性の判断ができる「東京版救急受診ガイド」を東京消防庁のHPで提供しています。
パソコンやスマートフォン、携帯電話から利用可能なのでアプリのダウンロードやHPをブックマークしておくと役立ちます。

STOP!子どもの事故
応急手当の手順
#7119

さらに、東京消防庁公式アプリでは、「ツール」の「救急サポート」で様々な応急手当をわかりやすく動画で閲覧できたり、「#7119」についても説明していますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

また、119番通報して住所と状況を伝えた後に、状況に応じて応急手当のアドバイスも行われており、その一つとして令和2年4月から導入された「Live119」は、スマートフォンを使って映像を見せながらリアルタイムでアドバイスを受けられたり、応急手当の動画が送られてくるサービスも。慌てないためにもこんなサービスがあるんだなと知っておくのは大切ですね。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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