都市部の共働き世帯に人気! 小学校受験にも役立つ「保育園留学」とは?
1〜2週間ほどの期間、わが子が現地の保育園に通いながら家族で好きな地域に滞在し(リモートワークで仕事をし)、暮らし体験をする「保育園留学(https://hoikuen-ryugaku.com)」。園庭がない、自然がない、といった都心の共働き世帯に人気となり、園によっては半年先まで予約が埋まっていると言います。今回はそんな話題の「保育園留学」を運営する、㈱キッチハイクの住さんと広報の福田さんにお話を伺いました。
目次
保育園留学の3つの特徴
__保育園留学のサービスについて教えてください!
この取り組みは「こどもにとって今一番いい環境を選ぶためには?」という働く家族の想いから生まれました。2021年に立ち上げたサービスで、現在提携している保育園は北海道から鹿児島まで、全国31地域に及びます。1~2週間、大自然豊かな保育園にお子さんが通うことで、旅行でも移住でもなく暮らしを体験するプログラムです。
主な特徴は以下の3つです。
1 大自然の中でのびのび遊べる
現在の利用者は都市部からの家族が8~9割ですが、「園庭が広くない」「虫が苦手」といった悩みを抱える親御さんが、お子さんを海や山、畑があるのびのびとした環境で自然体験をさせてあげることができます。体験者第一号が弊社代表の山本なのですが、娘さんが苦手だった虫を触れるようになったり植物に興味を持つようになったと話していました。
2 暮らしながら仕事も子育てもできる!
旅行でも移住でもない「暮らしながら」というところがポイントです。お子さんが保育園に行っている間、親はリモートワークできる環境を整えた自宅で仕事をして、夕方以降や週末は地域の体験ができます。最近はお父様が育休を取って来られるケースも増えています。地域によっては、コワーキングスペースと連携をしているところも。
3 週末は地域ならではの体験が楽しめる
海の近くなら釣り、畑なら収穫体験、山ならスキー、など週末は地域ならではの体験が楽しめます。また、提携園の多くが過疎地域となっているので、地域にとっては経済貢献の意味合いがあります。1~2週間の保育留学を私たちは“やわらかな定住”と名付けていますが、将来的には移住につながるイメージを持たれる方もいます。最初から移住だとハードルが高いですが、年に1回地域の園に通うことで、子育て&住まいのグラデーションを作ることができるのです。
リピート希望率は96%!父と娘で参加する人も
__皆さんどのような動機で参加されるのでしょうか?
・普段子育てはお母さんが主導なので、この機会にお父さんとお子さんで参加される方
・3人兄弟の真ん中の子は上か下の子につきそうことが多いからと、真ん中のお子さんとお父さんで参加された方
・ご夫婦のどちらも東京出身で地方での子育てに憧れている方
などさまざまです。
地方だけではなく、青梅や御殿場など都心からも通える距離の園もありますから、週に1度通勤できる範囲や週末だけお父さんが来られる距離として、あえて近距離を選ばれる方もいます。
__リピート希望率は96%だそうですね!
3回目という方もいらっしゃいます。毎回新しい土地を選ばれる方と1つを何度もリピートされる方とそれぞれですが、「年に1回は行きたい」という方も多く、“第二の故郷”とおっしゃってくださる方も多いです。この2年で400家族、1200人以上の方が体験してくださいました
。
保育園にはその地域の魅力が凝縮されている
__どんな場所で生活するのでしょうか?
保育園に通いやすい立地であることはもちろんですが、お子さんが保育園に行ってる間も楽しめるような、その土地ならではの体験が実現しやすい宿、または家事の負担が減らせるように洗濯乾燥機付きの宿、「慣れない土地で毎日の食事作りは大変」という声から、お迎えのときに夕飯をテイクアウトできるところもあります。
__保育園ではどのようなことをするのでしょうか?
米どころの新潟ではお米を収穫して羽釜で炊いて食べたり(園の手すりに稲穂がかけてあることとも!)、海が近い園ではお散歩コースでイルカに会えたり、雪の地域ではかまくらの中に入って遊んだり。給食では特産物を自然に食べる。実は保育園は、その地域の魅力がぎゅっと凝縮された場所なんです。
長野県の上田市ではインターナショナルプリスクールの保育園留学もあり、英語がはじめてでも通うことができます。他にも、「非認知能力」「モンテッソーリ」「森のようちえん」「縦割り保育」など、気になる条件で探し出せますから、普段と違う条件の園にお試しで通うことができます。また、北海道小樽市では「発達支援の専門園」と提携しています。
__費用には何が含まれますか?
滞在中の保育費(給食費含む)と宿泊環境費(光熱費含む)が含まれます。自費でお支払いいただくのは、現地までの交通費と食費程度になります。留学の予約をすると、現地園とオンライン面談を行って、園や先生の雰囲気を感じたり、気になることを相談できる機会を設けています。必要なものや現地の病院、スーパーなどが書かれたmapとしおりがお知らせされます。
留学した親子、受け入れる側にも嬉しいメリットが
__保育園留学を体験してお子さんにどんな変化がありますか?
最初は緊張して泣いている子もいますが、数日経てばどの子も楽しそうに登園しています。子どもたちの適応力の早さには本当に驚かされます。と同時に、周りの環境が与える影響力は絶大です。例えば、虫嫌いな子が虫を持って帰れるようになったり、野菜嫌いな子が収穫体験で野菜を食べられるようになったり、異年齢の子たちと過ごすことで語彙が増えた、毎日たくさん遊んで帰ってくるので、普段見るテレビやYouTubeも見ないですぐに寝てしまう、という声も多く聞きます。
もちろん、受け入れる在園児たちにも「楽しい遊びを教えてあげよう」「こんなことをしたい!」といったいい刺激となり、コミュニケーションが生まれています。
__親の方にもいい影響がありそうですね。
そうなんです。都会で忙しく働きながら「子育てはこうじゃなきゃ」とある意味思い詰めてしまっている親御さんには、田舎でのんびり暮らしながら保育士さんと話すことで「頑張りすぎなくていいんだよ」と気持ちがほぐれたという声もありました。
また、小学校受験を見据えた方で、普段と違う環境で過ごす中で、わが子の新しい側面を知ることができたという声も聞きました。例えば、どちらかと言えば慎重派でインドアが好きな子だと思っていたお子さんが、自然いっぱいの新しい環境でのびのびとチャレンジする姿を見て、子育ての方針を見直すきっかけになったというケースもあると思います。
まだ間に合う! ねらい目は冬の保育園留学
__「保育園留学」のどんなところにやりがいを感じますか?
私は毎回、最終日の「バイバイの金曜日」の瞬間がいいなと思いますね。子どもたちはお友だちとのお別れを名残惜しみ、親も来てよかったと言い、保育士さんも留学終了書を渡すときに目を潤ませる。地域と人がつながる瞬間を作れるのはとてもやりがいを感じます。
都会での子育てだけじゃない世界を体験することで、ご家族の可能性が広がっていくのが、見ていてとてもいいなと思いますね。もちろん、受け入れる側にも地域の可能性も広がるといったいいことがいっぱいあるので、相乗効果のプロジェクトになっている点にも魅力を感じています。双方の「当たり前は当たり前じゃない」と感じる瞬間が、この仕事に関われる喜びです。
__今後の展望があれば教えてください!
今は主流となっている「大学生の留学」のように、保育園留学が新しいライフスタイルとして当たり前になるといいなと思っています。
また、現在北海道 厚沢部町に、保育園留学体験者専用の寮を作っています(2世帯分)。ログハウスのBESSさんと子ども主義にこだわって、園の先生や子どもたちにも手伝ってもらいながら作っているところです。将来的には賃貸として定住もできるよう考えています。2024年3月完成しますので、ご案内は来年5~6月の予定です。
__予約は数か月先までいっぱいなのでしょうか?
夏休みなどは早い段階で予約が埋まってしまいますが、実は保育園留学は冬が穴場なんです。雪国ならではの雪体験はぜひおすすめしたいですね(https://hoikuen-ryugaku.com/journal/03)。どの地域も、スタッドレスタイヤであれば普段通り運転できます。現時点では年度内毎の予約となっています。
来るまでのハードルはあると思いますが、来たら喜んでもらえる自信があります。ぜひ興味がある方はお問合せください!
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利用期間:2024/01/31まで
ぜひこの機会に保育園留学を体験ください。
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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