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保育園児と幼稚園児の差は?環境面・教育面から見てみる

保育園児と幼稚園児の差は?環境面・教育面から見てみる

保育園児と検索すると、「育ちが悪い、勉強習慣がない」などのキーワードが出てきます。果たして実際は幼稚園児と保育園児でどのような差があるものなのでしょうか。

幼児教室伸芽会で幼稚園児と保育園児を長年見て来られた、伸芽’Sクラブ 教育相談室課長の河原理恵さんのお話も必見です。

保育園は幼稚園よりも教育の質が低いのか

まず、保育園と幼稚園の環境面の違いについて説明したいと思います。

幼稚園は文部科学省所管の学校教育施設であり、保育所(園)は厚生労働省所管の児童福祉施設です。 幼稚園は満3才~小学校就学前の幼児を、保育園は0才~小学校就学前の保護者の事情で保育に欠ける乳幼児を対象とします。幼稚園は教育機関であり、保育園は保育機関であるということが、大きな違いなのです。また、預ける時間も幼稚園が14時頃までなのに対し、保育園は18時頃と長時間である点も異なります。

これにより、幼稚園=読み書きなどの教育をする場所で、保育園=読み書きなどはせず遊ぶ場所という認識が一般的でしたが、昨今の少子化や時代の流れを受け、保育園でも英語や体操、計算など独自に学びの機会を設ける園が増えてきました。

加えて、2018年の保育所保育指針の改定により、保育園も幼児教育施設として位置づけられ、幼稚園と保育園のどちらも「学習の基礎を育むこと」が重視されるようになったのです。

さらに、幼稚園でも放課後預かりを実施している園も増えていることから、環境面でも以前ほど保育園と幼稚園の差がなくなりつつあるのが現状です。

保育園に通わせる親は教育面の不安がある理由

保育園と幼稚園の環境の差はなくなりつつあるとはいえ、共働きで18時まで保育園に預けていては平日に習い事をさせるのはなかなか難しいものです。一方の幼稚園児は、多くのママが専業主婦のため、午後に家庭で過ごす時間が長く、外遊びをしたり、習い事をしたり、家でワークをしたりできます。つまり、幼稚園児と保育園児の差は放課後の過ごし方にあると言えます。

その結果、保育園のママたちは、「平日に何もさせてあげられない」と教育面に不安を抱く傾向が高いのです。

無償化になる3歳以降で、勉強系の習い事が急増

前述した通り、保育園ママたちの「勉強系を補足しなければ」という不安。土曜日に習い事を掛け持ちする子も多いですが、家族で過ごす貴重な土日がすべて習い事でつぶれてしまうのも悲しいですよね。そこで、最近は平日に送迎付きの習い事や幼児教室を利用するという人も増えています。

その理由としては、所得制限はあるものの、3~5歳児クラスは幼稚園や保育園、認定こども園の多くが月額2.57万円まで無料となったため、その費用を勉強系の習い事に補填できるからです。(幼稚園の預かり保育も最大月額1.13万円まで無償となっています)

実際に、伸芽会の受検対応型託児 伸芽’Sクラブでも、幼稚園児や保育園児が習い事として週2回~併用利用する人が増えているそうです。「特に幼稚園児は帰宅も早いので、放課後お母様が毎日、つきっきりで面倒を見るのは疲れてしまいます。また、幼稚園に通う前のお子さんの場合、子育ての悩みを第三者に相談できる場があることはとても大きいと思います。専業主婦のお母様方こそ、幼児教室を習い事のひとつとして気軽に活用していただければと思っています」(伸芽’Sクラブ 教育相談室課長 河原理恵さん)

幼児教室の見解。幼稚園と保育園児に昔ほどの差はない

同じ空間にいると、幼稚園児と保育園児では性格や行動の差があるのでしょうか?

「保育園児=乱暴でしつけがなっていない、幼稚園児=きちんとしている。そんなイメージがあるかもしれません。伸芽’Sクラブを利用されるお子さんたちを見ている限り、そういった差はないと感じます。もちろん、制服の有無や読み書きをする時間など生活習慣の違いはありますから、保育園児が最初は『椅子に長時間座るのが苦手』などもあるかもしれません。一方で、保育園児は集団生活や大人との関わりも慣れていますから、コミュニケーション能力が高い傾向があると感じます。幼稚園児らと一緒に過ごすうちに、正しい生活習慣を身につけ、幼稚園受験や小学校受験に合格されていく保育園児も増えています」
(伸芽’Sクラブ 教育相談室課長 河原理恵さん)

幼稚園児と保育園児の学力格差は「しつけ」の差

保育園出身と幼稚園出身の子、小学校以降の学力差は気になる所だと思います。

以前は、幼稚園出身者の方が、わずかに学力スコアが高いという結果もありましたが、近年ではその差がなくなりつつあります。それよりも、気になるのが「学力格差=しつけの差」という考え方です。一斉保育で読み書きや計算を受け身的に取り組んできた子よりも、自発的な遊びを優先し、遊びこむ経験が多い方が、非認知能力が高く、語彙力も豊かで「学びに向かう力」が高いという結果も出ています。(ベネッセ教育総合研究所「園での経験と幼児の成長に関する調査」より)

「保育園か幼稚園かという出身園よりも、強制するしつけではなく、子どもの主体性を尊重した共有型のしつけをしてきたか、といった家庭における親の意識やしつけの差が、その後の学力の差となって出てくると実感しています」(伸芽’Sクラブ 教育相談室課長 河原理恵さん)

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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