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子育て

東大卒ママたちが実践する、おうちでの読み聞かせ事情

東大卒ママたちが実践する、おうちでの読み聞かせ事情

今回は東大卒ママの会のメンバーたちが、絵本をどのように選んでいるか/読み聞かせの際何に気をつけているのかを紹介していきます。

絵本は買うor図書館? その頻度は?

まずメンバーに「絵本は図書館派か購入派か」を聞いたところ、皆図書館を利用するとのことでした。毎週または隔週で10〜20冊借りてきて、多くの種類の本に触れるようにしているそう。毎月絵本を届けてくれるサブスクを利用しているという声もありました。“絵本を読む”ということがいかに大切か。自身の幼少期を思い出し、それを実感しているので、自身の子どもにも絵本を読む機会を多く与えているのだと思います。

昨年出版した『東大脳を育てる3歳までの習慣』を執筆する際に、東大生OBOG257人に幼少期の絵本との関わりについてアンケートを取りました。その際に寄せられた声でも、「幼少期は1日10冊は読んでいた」「本にはお金をかけてもらった」「毎日数時間単位で読んでいた」など、読書に対する熱量がかなり高かったことが分かりました。

「特別な教育を受けていた」と回答する人たちが少数だったのに対し、「読み聞かせをしてもらっていた」という回答は非常に多く、そこから読書好きになったという回答が印象的でした。

絵本を選ぶ際は季節、身体、動物、植物をバランスよく!

では、読み聞かせの絵本はどうやって選べばよいのでしょう? 私たちがどんな基準で絵本を選んでいるかをご紹介してみます。

①季節を感じられる物語

日本には四季があり、季節ごとの行事や草花、食べ物等、季節を通して多くの事を学べる素敵な文化があります。季節を感じられる物語を選ぶと、日常生活の会話も膨らみます。物語に出てくる料理や工作を、一緒にしてみるのもオススメですよ。

②身体についての絵本

0〜2歳頃は歯磨き・トイレ・お風呂など生活習慣をテーマにしたものを選ぶのがオススメです。はじめは自身の身体について興味を持ってもらい、そこから「どうして歯を磨かないといけないのか?」「うんちはどうやって作られるのか?」など、興味を発展させてくれたら最高!3歳を過ぎてくると、たくさんの「なぜ?」が出てきます。身体の仕組みは大人が説明するのも難しいので、絵本の力を借りて子どもの疑問に答えてあげると良いですよね。

③動物についての絵本

ダンゴムシ・チョウなど身近な生き物から、動物園や水族館に行かないとなかなか見られない生き物など、幅広い生き物と出会えるのが本の楽しいところ。本を読んだら実際にその生き物に会いに行ってみましょう。本物を見ると、好奇心が刺激され、探究心が伸ばせると言われています(※1)。動物園に行かなくても、カタツムリやアリなど身近な生き物の絵本を読み、公園へ観察しに行くだけで、子どもの脳には大きな影響を与えるのです。

④植物についての絵本

散歩中に公園で見る植物から、普段食卓に出てくるような植物(野菜)まで色々な種類の絵本があるので、お子さんの好きそうな植物の絵本を選んであげるのがオススメ。そして絵本で読んだ植物には興味が芽ばえるでしょうから、さらに図鑑で調べたり、一緒にその植物を植えてみたり、自然科学への興味を広げてあげるチャンスに繋がります。

この4つのカテゴリーを意識して図書館で絵本を選んでいますが、4歳を過ぎてからは環境問題やLGBTなど社会問題を伝えられる絵本も選ぶようにしています。一見子どもには難しい内容でも、分かりやすく伝えてくれるのが絵本の魅力。早いうちから問題意識を持っておくことは、これからの社会を生きていく上で欠かせないと思っています。

年齢別おすすめ絵本

【0〜2歳向け】(3歳以降も楽しめます!)

「10ぴきのかえるのうんどうかい」
著:間所ひさこ 画:仲川道子(PHP研究所)
かわいいカエルたちが季節の行事を楽しむシリーズもの。

「とんぼのあかねちゃん」
作:高家博成・中川直子(童心社)
虫の視点で物語が進んでいきます。何を食べて、何が敵なのか、絵本の中を通して楽しく学ぶことができます。他にもカタツムリ、チョウ、カブトムシなどたくさんの種類があります!

「そらまめくんのベッド」
著:なかやみわ(福音館書店)
読んだ後に実際にそら豆を剥いてみて、「そらまめくんのベッドはどうなっているか な?」と親子で楽しんでみて下さい。

「ごんごろ じゃがいも」
著:岩佐祐子(童心社)
じゃがいもはどうやって育つのか?じゃがいもにはどんな種類があるのか?リズミカルな擬音語とともに楽しく紹介してくれます。他にもたくさんの種類の野菜の絵本があるので、旬の野菜の絵本を手に取ってみて下さいね。

上記4冊はどれもシリーズになっています。ぜひ他のお話も読んでみて下さい!

【3〜5歳向け】

「こいのぼりぐんぐんこどもの日」
作:ますだゆうこ 絵:たちもとみちこ(文溪堂)

「ひなまつりルンルンおんなのこの日!」
著:増田裕子、たちもとみちこ(文溪堂)
季節ごとの行事にまつわるストーリーの中で、工作や料理も紹介してくれている絵本。他にもイースターやハロウィン、盆踊りなどがシリーズでありますよ!

「みえた!からだのなか」
作:キャロン・ブラウン 絵:レイチェル・サンダース 訳:小松原宏子 監修:山内慶太
(くもん出版)
からだの中の様々な機能を分かりやすく説明してくれています。そして絵本をライトで照らして読み進めていく方法も、子どもの興味を引きつけます。夢中になって読み進めてくれるはず!

「いきもののお話25(かがくのお話25)」
作:山下美樹 監修:国立科学博物館(西東社)
全部で25話。それぞれ図鑑のような内容を絵本のストーリーにしてあります。各話最後には詳しい解説も載っているので、1人で本が読めるようになってからも長く楽しめると思います。かがくのお話25もオススメ!

「かがくのとも」(福音館書店)
子どもの自然科学への興味を引き出すのに最適なシリーズだと思っています! サブスクの元祖なのではないでしょうか。置いている図書館も多いと思いますので、一度見てみて下さいね。

読み聞かせの時に意識していること

絵本を選ぶ基準以外に、気をつけているのが「助詞をはっきり発音する」ということ。日本語は助詞の使い方で意味が変わってしまうので、0歳の時から助詞に気をつけて読んでいました。発語ができるようになったら、読み終わった絵本の内容を聞いてみたり、要約させてみたりすると国語力のアップにも繋がりますよ。

読み聞かせを聞いてくれない時はどうする?

なかなか子どもが読み聞かせに集中してくれないという時は、絵本を読む時間の習慣づけをしてみると良いかと思います。オススメなのは寝る前に布団の中で読む習慣。布団に入ったら絵本タイム。1日1冊からはじめてみましょう。上記のカテゴリーに縛られず、「うんち」や「新幹線」などお子さんの好きなテーマ・内容の絵本を選んで、(時にアドリブを入れながらなど)楽しく読むのが一番です! 本を読むのが好きになり、習慣がつけば、どんな本でも楽しんでくれるようになるはずです。

【最後に】

絵本の読み聞かせは、単なる朗読や教育なのではなく、親子の大切なコミュニケーションの一つだと思っています。絵本を読んでいる時間も、そこから派生する親子の会話時間も、一日の中で一番幸せな時間になるのではないでしょうか。お子さんとの思い出の絵本がたくさん増えますように、そう願って今回の記事を書かせて頂きました。

※1 西田 耕之助:「脳とにおい」(『環境技術』22巻10号)1993,pp.604-607
※画像は全て私物となります

★プロフィール
 yuu
 4歳の男の子を育てるワーママ。朝の30分を活用して子どもとの知育時間を楽しんでいます。インスタグラムでは、すきま時間にできる知育遊びやワーママライフを発信中(https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja

著者プロフィール

東京大学卒業(2011年~2012年度)の現役子育てグループ。主要メンバーは7名。東大OBOGたちへのヒアリングやアンケートを基に「東大生の幼少期の習慣」を分析し、現役ママの目線も取り入れて、“今すぐできる幼児教育”の実践方法を提案している。著書に『東大脳を育てる3歳までの習慣』(小学館)がある。SNSでも実践中の知育や自分たちの経験談を発信中。
https://www.instagram.com/todaimoms/
https://www.instagram.com/punyuugram/?hl=ja

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