子どもの「好きなこと」を見つける方法とは? 習い事のヒントにも!
「これだけは誰にも負けない!」と好きなことがある子は「自信があって人に優しくできる」「自己肯定感が高い」「小学校受験でも強みになる」と言われています。
でも、わが子の“好き”を見つけることは簡単ではないため、何かよい方法はないかと悩む親御さんは多いものです。そこで、長年幼児教室で子どもたちを指導してきた伸芽会の麻生尚子先生と大西眞紀先生に、子どもの好きなことを見つける方法を教えていただきました。
目次
わが子の好きなことを見つけるための4つの方法
ポイント1 子どもをよく観察する
大西先生:子どもは日々成長していますから、興味関心がその都度変化していきます。それを見逃さないためには、わが子をよく見ることです。
たとえば親御さんがお子さまを公園に連れていって遊ばせながら、ずっとスマホをしていたりすると、その間にわが子が紅葉した落ち葉を手に取ってじっと見ていたことにも気づかず、せっかくの“好き”のヒントを見落としてしまうことになります。
まずはわが子が遊んでいるときに「何を見て触っているか、何に触れようとしているか」を観察する習慣をつけましょう。
麻生先生:子どもが遊ぶ時間を観察するのはとても大切です。そして、短い時間でもいいので一緒に遊んでみましょう。すると、「おもちゃAからBに移ってまたAに戻ってきた=今はAのおもちゃが好き」といった、わが子が今どんなことに興味関心があるかがわかるようになってくるはずです。
ポイント2 生産性のない“無駄な遊び”も大事にする
大西先生:大人からすると生産性のない“無駄な遊び”に見えても、子どもには意味があります。遊びは子どもの本能であり、大人にも必要な自己の解放です。
“ためになること”も大切ですが、幼児期はたとえば、「ボーっと雲を眺める」「砂場で一心不乱に山を作って崩す」といった一見“無駄なゴールのない行動や経験”から自分が好きなことを選び取っていくものです。
親はつい「どうしたらお山がもっと高くなるかな?」などと遊びに意味を見出したくなりますが、そこは焦らず見守りましょう。子どもが心を安らかにして遊ぶ時間が、自分だけの“好き”が見つかるヒントになることもあるはずです。
麻生先生:砂場遊びで「崩れてもまた作ればいい」という小さな失敗の経験は、心の成長にもつながります。子どもには大人から見た「意味のある遊び」も「意味のない遊び」もどちらも大切ですし、幼児期本来の姿は割合としては4:6でいいのですが、小学校受験を考えているご家庭であれば、5:5くらいを意識するのをおすすめします。
・遊びにおける親子の関わりに関しては、こちらの記事をご覧ください。
『「待てない親」が増えている!? 失敗に弱い、考えない、自信がないなどの悪影響も』
ポイント3 子どもの「目についたものに興味を持つ特性」を活かす
麻生先生:子どもはよく目にするものに興味を持つ傾向があるので、おもちゃを箱の中に片づけたり、図鑑を本棚にしまったりすると、その存在を忘れて遊ばなくなってしまいます。
それを逆手にとって、保育園や児童館の自由遊びコーナーのように、親が興味関心を示してほしい知育玩具や図鑑は表紙が見える状態にしてあえて目のつく場所に置いて環境設定してしまうのも効果的です。その際「これで遊んでね!」と強制するのではなく、ただ置いておくこと。すると子どもは自然と遊び出すはずです。
大西先生:図鑑や絵本は背表紙だと絵が見えなくて幼児はどんな本かイメージしにくいものです。本屋さんでいう“平積みの状態”を家の中で再現する作戦はとてもいいですね。
・図鑑でわが子を伸ばすコツに関しては、こちらの記事をご覧ください。
『子どもの好奇心を伸ばす!図鑑活用術【第1回 〜恐竜編〜】』
ポイント4 園の先生など、他者にわが子の様子を聞いてみる
麻生先生:子どもは家の中と幼稚園や保育園では遊ぶ友達や遊び道具など環境が異なるため、「家では飽きっぽいと思っていたのに園ではあるおもちゃに夢中になって遊んでいる」といったように、親の知らない遊び方をしていることがあります。
送迎の際など園の先生に誰と何でどんな風に遊んでいるかを聞いてみると、わが子の意外な一面や今関心のあることを知ることができるかもしれません。
習い事でわが子の好きなことを見つけるには?
__わが子の好きなことを深めるために習い事をさせたいと考える親御さんに、アドバイスをお願いします。
大西先生:才能を開花させるためには、ゴールデンエイジと言われる 10 歳前後までが習い事を始めるのに適した時期と言われていますが、特に女児は5歳を超えると、精神性が育ち、自分が整っていく感覚や磨かれていく心地よさ、同じ目標を持つ友達と心を通わせる嬉しさを感じられる子が多いものです。たとえば、
【活発な女の子】→所作や体、脳内が整感覚が養える「整う系」の習い事
【繊細な女の子】→自由な発想と自己表現を楽しむ「自己表現系」の習い事
【競争意識が穏やかな女の子】→自分の憧れの目標に向かってコツコツ頑張る「芸術系」の習い事
など、お子さまのタイプ別で選ぶのもおすすめです。
・女の子の習い事の選び方に関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
『5歳女の子(年長)の特徴とは?子どもの成長を伸ばす接し方』
・男の子の習い事の選び方に関してはこちらの記事をご覧ください。
『【5歳の男の子の特徴】おすすめの習い事や接し方、自立心を育む非認知能力の伸ばし方』
麻生先生:幼児期の習い事は、親がさせたいものと子どもがやりたいものが違うことがよくあります。ではどうやって決めればいいか。私は可能であれば、「親がやらせたいもの」と「本人がやりたいもの」両方をさせてあげるのがいいと思います。どちらもやってみないとわかりませんが、本当にやりたいこと(続けたいこと)は、どんな習い事でも自信につながります。
もし、どうしても親がさせたい習い事があるのであれば、本人がどうしたらやる気になるか、楽しい・頑張ろうと思えるかお子さまの立場になって工夫して働きかけていきましょう。
・小学校受験を見据えた習い事に関しては、こちらの記事もご覧ください。
『令和の小学校受験に役立つ習い事とは? 幼児教室のプロが語る!』
子どもの“好き”は変わるもの!親は成長に応じた環境設定をすればよい
__自分から「好きだから習いたい」と始めたことを「やっぱりやめたい」と言われたら親はどう対処すればよいでしょうか?
麻生先生:親は「せっかく好きって言ったから始めたのに……」と言いがちですが、幼児の好きなことはその都度変わるものです。親はそれを理解した上で、ある程度様子を見てから本格的に習うなど段階を踏むのも手段の一つです。
・習い事のやめどきについては、こちらでも詳しく解説していますのでご覧ください。
『「習い事」何をいつまで続ける?習い事の「やめどき」問題』
大西先生:親としては「習い事が上達する」「地頭をよくする」「非認知能力を伸ばす」など子どもを伸ばすことに意識が向きがちですが、“無駄な遊び”でもお話したように、親が先回りしすぎると自分は何が好きか、何がしたいかを決められない子になりかねませんから注意したいですね。
麻生先生:何より大事なのは、「好きなことや夢中になれることを今すぐ、無理に見つけようとしなくてもいい」ということ。幼児期や学童期のさまざまな経験の中で、自然と見つかっていくように親は成長に合わせた環境設定をしていくことが大切なのではないでしょうか。
・自分で決められる子にするために親ができることは、こちらの記事をご覧ください。
『「自分で決められない子ども」原因と必要な経験、親の接し方』
・わが子の「強み」を見つける方法はこちらの記事をご覧ください。
『令和の今必要なのは、「強み」を生み出す育て方!』
「自己肯定感」と「自信」は違う!子どもの自己肯定感を育む親の関わり方
SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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