登下校や習い事の行き帰りをAIが見守る! 親子の次世代コミュニケーションツールに注目
2019年2月、“小中学校は持ち込みを原則禁止”とされている携帯電話やスマートフォンについて、文部科学省がその指針を見直す方針を明らかにしました。
新たな指針は今年度中に作られるそうですが、現状はまだ禁止の学校もありますし、小学生に携帯電話を持たせるのは時期尚早と考える親御さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、何も持たせないまま1人で屋外を歩かせるのは少し不安を覚えるもの。そんな方々のニーズに応えるべく開発された『GPS BoT』は、AIが子どもの行動を見守るというサービス。今回は『GPS BoT』の生みの親である八木啓太氏に、製品の魅力や開発の裏話を聞かせていただきました。
大阪大学大学院修了後、富士フイルムに入社して医療機器の機械設計に従事。デザインを独学し、2011年に株式会社Bsize(ビーサイズ)を設立。自然光を再現するLEDデスクライト『STROKE』(グッドデザイン賞など国内外のデザイン賞を多数受賞)、ワイヤレス充電器『REST』を手掛け、“一人家電メーカー”として注目を集めた。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』に“ひとりメーカー”考証として協力。Bsize (https://www.bsize.com/bot/gps/)
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「GPS BoT」とは…?
専用の端末を見守り対象の子どもに持たせておくと、携帯電話回線に自動接続し、子どもの位置情報を保護者のスマホに送るAIを内蔵した見守りロボット。登録しておいたポイントに到着or出発したときのプッシュ通知が届き、子どもがどこを移動しているのか最短で1~2分おきに見ることができます。
また、端末のAIが子どもの生活パターンを学習し、塾などの立ち寄り場所も自動で特定。端末の大きさは5×5×1.9cmで、子どもの手のひらサイズ。ランドセルやバッグのポケットに入れておけば、登下校だけでなく、習い事の行き帰り、お友達の家や公園に遊びに行くときなども見守れます。
端末は4,800円【税抜き】、月額の利用料は480円【税抜き】。
親は充電して子どもに持たせるだけ。AIが全自動で見守り、行動範囲の逸脱時にもお知らせ
“一人家電メーカー”として話題になった八木啓太氏が、『GPS BoT』を開発するに至ったきっかけは、自身がパパになったことだったそう。
「これまで家電を作ってきた僕の3つ目のプロダクトとして、世の中の切実な課題にお応えできるものにチャレンジしたいと考えていたときに、息子が生まれました。そして両親が高齢になってきたのもあり、子どもや高齢者をテクノロジーで上手くサポートできるものがこれからの社会に必要じゃないかと思い、開発しました」
AIやIoTのテクノロジーを取り入れ、見守ることに特化したロボット。2017年4月に発売されるまで2年間も試行錯誤を重ねた。
「試作を重ねるごとによりシンプルになり、最終的にはボタンも何もない形になりました。AIを搭載した端末は壊れやすいんじゃないかと思われるかもしれませんが、実はとても頑丈に作られています。落下実験も何度も行っていますし、生活防水機能も備えています。わんぱくなお子さまにも安心してお使いいただけます。親は充電して子どもに持たせるだけで、『GPS BoT』が全自動で見守ってくれます」
新しい機能も継続的にアップデート! ユーザーと共に作っていけるサービス
出荷台数は3万6000台を超え、4月の新学期でさらに注文が増えているところ。ユーザーからの声も多く寄せられていると言います。
「うちの3歳の息子も幼稚園バッグに入れています。バス通園なので、幼稚園を出た時間や、雨でバスが遅れてることなどもわかり、妻がタイミングよくバス停に迎えに行けると言っています。また、『GPS BoT』を持つことで『ママが見ているのがわかって安心』と言って、1人でバスに乗れるようになったという声もありました。子どもが1人で出かけるとき、勇気が出るお守りになっているというのは嬉しいですね。昨年6月に起こった大阪府北部地震の際には、電車が止まった場所がGPSでわかって迎えに行けたとか、学校に到着しているのが確認できたと聞きました。日常のノンバーバルのコミュニケーションツールとして役立てばいいなと思って作ったんですけど、有事の際にも活躍できたというのは、自信になりましたね」
今後もユーザーのニーズに応えるべく、さらに改良されていくとのことです。
「『GPS BoT』は、お客様に日々使っていただき、我々も継続的に新しい機能を開発していけるものです。端末の本体の中にもソフトウェアが入っていまして、遠隔からもアップデートできるので、商品を買い替えずともレベルアップできます。これは我々の製品の強みでもあり、お客様と一緒に作っていけるサービスという意味ではすごく手ごたえと可能性を感じております。
普段の行動範囲を離れた場合に通知でお知らせする新しい機能も4月に追加しました(※行動範囲の提案は1ヶ月程度の継続ご利用データが必要です)。
当面はこのBoTシリーズを進化させていくことに注力し、子ども向けだけでなく、高齢者向けのサービスを作ることも考えています。『GPS BoT』は、監視ツールではなく、緩やかなコミュニケーションツールですので、その頃合いの良いところが受け入れられているのではないかと思います。なくてはならない生活インフラになれるよう、これからも頑張ります」
予想外の行動をとる子どももすぐに発見できる『GPS BoT』
筆者も、長男が小学生になったときから『GPS BoT』ユーザーのひとりです。入学当初はよく通学路を間違えて帰ってきていたのですが、『GPS BoT』のおかげですぐに探しに行けました。
また、下校中に同じ場所で30分近く動かなかったことがあり、これはもしや何か起きたのでは!?と慌てて迎えに行ったところ、ダンゴムシに夢中になって眺めていたということも。無事で何よりでしたが、もし万が一のことが起きた場合、1~2分前のわが子の位置を確認できるのはとても助かります。
同じく『GPS BoT』利用者のママ友のエピソードをご紹介します。
ある日、子どものアイコンが通学路から外れたスーパーの上にあり、“まさかスーパーにいるわけない”と思いながら向かったところ、なんと、友達数人とスーパーにいるのを発見。「暑かったからスーパーで涼んでた」というからびっくり!
子どもは時として、親の予想を超える行動をとることがありますよね。そんなときも見守れるのはありがたいところです。
キッズケータイか、スマートフォンか、防犯ブザーか、『GPS BoT』か。それぞれのご家庭の方針や生活スタイルにあったアイテムを選んで、子どもの外出を見守れるといいですね。