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新型コロナで不安な子どもの質問、どう答えたら?英国・心理学者からのアドバイス

新型コロナで不安な子どもの質問、どう答えたら?英国・心理学者からのアドバイス

新型コロナウィルスの影響で、多くの子どもたちが不安な状態に陥っています。英国では、学校閉鎖による自宅待機や2メートル以内の交流禁止、祖父母との面会禁止、レストランや店の閉鎖などが続いています。

このような時期に、子どもたちの不安を取り除き有意義に過ごすには、どうしたらよいのでしょうか。英国の心理学者によるアドバイスをもとに、その対処法を紹介します。

子どもの質問にどう答えたらいいの?

6歳以上の子どもであれば、身の回りの変化を感じ取っているに違いありません。「なぜ、友だちに会えないの?」、「なぜ、祖父母に会えないの?」、「なぜ、学校に行くことができないの?」などの質問が飛び出すでしょう。

重要なことは、正直に答えることです。子どもの年齢や気質、理解力を考慮して、それに合った情報を与えることが大切です。新しい病気が流行していることや、医療関係者や科学者たちが解決のために毎日努力していることを伝えましょう。詳細を伝える必要はありません。今後どうなるのかわからないけれど情報が入ったら伝えると約束することで、子どもは安心します。

インターネットで子ども向けの面白いサイトを探してみるのもよいでしょう。例えば、歌やアニメが新型コロナについて説明しているユーチューブや、手洗いの必要性について解説しているアニメなどが役に立ちます。

怖くて外に出たがらない子どもにはどうしたらいいの?

病気を恐れて一歩も外に出たがらない子どももいますが、家に閉じこもるばかりでは健康にもよくありません。子どもの不安を取り除き、外に連れ出すようにする工夫が必要です。

最初に教えることは、自分や他人を感染から守る方法です。その後様子を見て、少しずつ外に連れ出すようします。例えば、最初は5分間だけ一緒に庭で散歩をしたり、遊んだりします。翌日は、時間を10分間に延長します。慣れてきたならば、町の通りを歩いてみるとよいでしょう。

他人のことを心配し過ぎる子どもにはどうしたらいいの?

英国では、多くの子どもたちが親戚や友達が病気にかかるのではないかと心配しています。調査によると、4歳から10歳の子どものうちの53%が「とても心配している」という結果が出ています。

心配し過ぎるようであれば、新型コロナの解決は子どもの責任範囲外であることを教えてあげてください。医療関係者や政治家、科学者たちが問題解決のために努力していることを教えます。

また、この時期は、私たちができることを話し合うよい機会にもなります。病気の蔓延で困っている人々に喜んでもらえる活動などを、子どもと一緒に考えてみるとよいと思います。例えば、手作りパンを近所の高齢者にプレゼントするとか、ごみ出しを手伝うなど、さまざまなアイデアが浮かびそうです。

病気について敏感になり、とても恐れている子どもには?

子どもが何度も恐怖感を訴える場合は、原因を探り、解決することが大切です。子どもが怖いと感じるのは当然なので、その気持ちをよく聞いた後、正しい情報を伝えて恐怖感を取り除きます。

今は小学生でもソーシャル・メディアを使う時代です。そこで得た誤報を信じてしまい、怖がっていることも頻繁にあります。1日にインターネットを使用する時間を限定したり、ニュースを聞く時間や回数を決めたりすることをおすすめします。

また、今、家族全員が力を合わせてこの危機と戦っていること、親が精一杯の努力をして子どもを守っていると伝えることが大切です。

子どもを楽しませるにはどうしたらいいの?

毎日の生活のなかに楽しいイベントを設定することで、子どもを不安から解放してあげることができます。

例えば、子どもが友だちと会いたがっている場合には、スカイプやズームを使って繋がってみましょう。スクリーンを通して一緒にランチを食べるなど、工夫することでその時間をより一層楽しむことができます。

運動も欠かせないため、60分程度の運動を日課のなかに入れましょう。子どもはゲームが大好きなので、例えばジョッギングやウォーキングをするときに犬や猫などの数を数えてみたりしてはどうでしょうか。屋内であれば、枕投げなども楽しいものです。

英国では、パズルやボードゲームも人気があります。子どもが興味を持ちそうな新しい遊びや活動を紹介するのもよいと思います。自宅待機の期間は家族の絆を深めるチャンスにもなると考え、ぜひ一緒に楽しんで下さい。

まとめ

世界的に蔓延している新型コロナウィルスにより、不安な毎日が続きます。けれども、このような状況下でも子どもたちが学べることはたくさんあるのです。例えば、人生は予想できるものではないこと、順応性や忍耐力の必要性、どのようなときでもポジティブ思考でいることなど、今後の人生で必要となる大切なライフスキルが身に付くと思います。

執筆者名/ラッド順子

<参考資料>
“How to keep your children happy in a crisis” The Times Saturday, April 25 2020

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

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