過干渉は逆効果!?3歳~4歳を伸ばす親の心構えとは?
「何でも自分でやりたがる3~4歳こそ、親の関わり次第でぐんぐん伸びていくときです」と話すのは、伸芽会の佐藤眞理先生。身の回りのこと、家庭でのお手伝い、社会のルール、お受験でも問われる想像力など、この時期だからこそ身につけたい力を伸ばすヒントをお聞きしました。
目次
自分発信が苦手で幼い子が増えている
長年教室で幼児を指導してきて感じるのは、最近の子どもたちは、一人っ子や働くお母さんが増え、おじいちゃんおばあちゃんにお願いする機会が増えたこともあり、親や身近な大人が何でもやってあげてしまい甘やかされがちです。そうすると、子どもは考えることをしなくなりますから、受け身で幼いと感じられる子が増えているように思います。また、食べ物やおもちゃなどが十分に満たされているためか、「このおもちゃがほしい!」「今日はでこれをしたい!」といった何かを熱望する強い意欲も薄れているように思いますね。意欲は伸びようとする気持ちですから、この時期はぜひ大事にしてほしいです。
年中は遊びや体験で興味関心をどんどん引き出して
さまざまなことに興味を示し、自分でやりたいと感じる3~4歳は、体験次第で興味の幅がぐんぐん広がるときです。たとえば、教室でもよくする「箱の中身は何だろうクイズ」はご家庭でも手軽にできる遊びのひとつ。リンゴを中が見えないような箱に入れて音や手触り、重さなどから中身を想像して材質や形状などをイメージさせます。「どんな感じ?」と問えば自ら「ツルツルしているよ」「ここはザラザラしているね」などと気づき、遊びながら自然と語彙や表現力が伸ばせます。ここで大事なのは子どもの視点や気づきに大人が共感すること。「すごいね、いい発見だね。じゃあこれはどうかな?」と中身を変えてどんどん深めていきましょう。
お絵かきをする際も、ただ好きなものを描くのではなく、何かを見ながら描いてみたり、苦手な子はお母さんが描いた動物の顔に「耳を描いてうさぎさんにしてくれる?」などと一緒にやるのも手です。また、お絵かきで人の顔を描いたときには、目の形を見てみてください。よく人の顔を見ている子は、笑ったり泣いたり怒ったりの目の表情を豊かに描きますが、あまり見ていない子はただの••になっていたりします。
正解のない答えが入試でも増えている
幼稚園や小学校の入試で問われるのは、考えや気持ちを自分の言葉で伝えられることや、集団活動において友達と一緒に楽しめ、人と違うことを受け入れられること。最近では、「どんな気持ちだと思う?」「自由に作ってみて」といった正解のない問題を出す学校も増えてきています。想像力や創造性が問われているということです。ですから、親御さんはぜひ、テレビやゲームなど受け身な遊びだけはなく、人との関わりの中で自発的に気づき、遊びながら学ぶ機会を増やしてあげてください。
食事は社会性を教えるチャンス!
3~4歳頃から身につけていきたいのが社会のルールやマナー。特に毎日の食事は社会性を身につけるのにうってつけです。食べる姿勢、箸の持ち方、きれいな食べ方、途中でむやみに席を立たない、食べ終わったら片付ける…。とはいえ、まだまだ自分の感情や行動をコントロールするのが難しい時期ですから、お手伝いやごっこ遊びの中で食器を並べたりするなど、一緒に遊びながらルールやマナーを教えていくといいですね。少しずつ、家庭で我慢できる子にしていきましょう。
加点方式でわが子の自己肯定感をUP
何かを教えようとすると、親はどうしても口うるさく注意してしまいがちですが、この時期に大事なのは、何事も楽しんで遊びと思ってやらせること。評価や口出しをしてやる気をそぐような声がけはNGです。「ママとどっちが上手かな?」と評価は自分でさせ、できるようになったことは盛大に褒めてあげてください。子どものモチベーションを上げながら、自己実現の欲求を高めて、加点方式で自己肯定感をアップさせていくことが、3~4歳を伸ばすコツです。
いかがでしたか。子どもはもちろん、大人も幼い親が増えていると佐藤先生。世話や面倒を見るのが親ではなく、子どもの自立を促すのが親であり、きちんと自立できている子は幼稚園や小学校受験でも受かるものです、という言葉が印象的でした。
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