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大人気のふるさと納税、知らないと損する落とし穴も!【知って得するお金のコト 第8回】

大人気のふるさと納税、知らないと損する落とし穴も!【知って得するお金のコト 第8回】

ここ数年、よく耳にする「ふるさと納税」。TVや雑誌でもよく取り上げられているので、気になっているママも多いのでは?

ふるさと納税は、自治体に寄付をすることで税金を減らすことができる制度のこと。しかも税金を減らせるだけでなく、寄付をした自治体から「お礼の品」として、美味しいお肉や野菜や旅行券などプレゼントされることで、人気に一気に火がつきました。

一体どのくらいオトクなのでしょう? また、注意点はないのでしょうか?

ふるさと納税って何がオトクなの?

ふるさと納税は、地方自治体に寄付をする制度のこと。大きな特徴として

【1】生まれ故郷や住んでいる地域以外でも、好きなところに何箇所でも寄付ができる
【2】寄付のお礼として、その土地の特産物や名産品がもらえることがある
【3】1年間で寄付した合計金額のうち2,000円を超えた一定分が、節税できる

の3点があります。

節税できる上にお礼の品がもらえるという点が、「オトクな制度」として人気を集めています。

納税者の収入によって節税できる金額は異なりますが、手続きをきちんとすれば、所得税や住民税を減らせ、実質的な負担額を2,000円に抑えることができるんです!

2,000円でどのくらい寄付できるの?

実質の自己負担が2,000円で寄付できる金額は、所得が高い方ほど多くなり、それだけおトクになります。

たとえば、年収300万円の共働き世帯(中学生以下2人)の場合、寄付できる最大金額は約27,000円ですが、年収800万円の同じ条件の世帯の場合は約129,000円となります。

ここで大切なのは、わが家が一番おトクに寄付できる金額を知ること!上限を超えて寄付をしてしまうと、2,000円以上負担することになってしまいます

ふるさと納税_寄付金額

それでは、ふるさと納税のおトクな仕組みの例を見てみましょう。

サラリーマンのAさんが2.6万円を、応援したいB市に1万円、C町に1万円、D町に0.6万円寄付しました。

(お礼の品)
・B市から黒毛和牛切り落とし1kg
・C町からは名産の米を10kg
・D町からは明太子が500g

(おトクになった金額)
所定の手続きを踏み、翌年6月からの給料から1年間にわたり、節税額24,000円の12等分である2,000円分、住民税が下がりました (後述する「ワンストップ特例制度」を使った場合)。

日頃は買わない高級品も、ふるさと納税の仕組みを使うと、2,000円で堪能できるんです!高い外食をするよりも、いいと思いませんか!?

最近では、ふるさと納税サイトも充実しており、興味がある自治体や、お礼の品などで検索をすることができるので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

ふるさと納税のはじめ方

それでは一体どのようにはじめればいいのでしょうか。ステップは全部で7つです。

ステップ1:節税できる上限金額の目安を知る
ステップ2:ふるさと納税サイトなどで、寄付する自治体を選ぶ
ステップ3:寄付を申し込む
      (確定申告しない予定の人は「ワンストップ特例制度」が便利!)
ステップ4:寄付する(クレジットカード払が可能な自治体が便利!)
ステップ5:お礼の品を申し込む
ステップ6:お礼の品を受け取る
ステップ7:確定申告が必要な人は確定申告をする

寄付する自治体によって、ふるさと納税サイトでお礼の品まで申し込むことができるところもあれば、一旦ポイントを手に入れて自宅にカタログが送られてきて後日お礼の品を選ぶところなど色々。少しずつ手続き方法が異なるので、申し込むときによく読んでくださいね。

また、ふるさと納税を使うには原則、確定申告が必要ですが、年収が2,000万円以内の会社員や、医療費控除など確定申告をしない予定の人は、「ワンストップ特例制度」を使うことで、確定申告が要らなくなります(ただし、寄付する自治体は5自治体まで)

なおワンストップ特例制度を使うときは、寄付申し込み後、「ワンストップ特例制度を使う」旨の申請書と、マイナンバーのコピーを自治体に郵送する必要があります。

ふるさと納税の注意点

そんなにおトクなら!と飛びつこうと思った方、ちょっとお待ちを。ふるさと納税には色々と注意点があり、場合によっては手間の割にはさほどお得ではない場合やメリットを受けられない場合も。

住宅ローン控除を受けている人は要チェック

年末ローン残高が大きく、その年の所得税・住民税全額が控除されている場合は、ふるさと納税の恩恵は受けられません。

また、住宅ローン控除を受ける最初の年は、必ず確定申告が必要になるため、「ワンストップ特例制度」は使えません。

年収によっては自己負担額が2,000円以上になることも

前述の「自己負担が2,000円になる最大寄付金額の目安」をチェックしましょう。

所得が多い方の名義で寄付すること

税金が減ることでおトクになる制度なので、そもそも払う税金が少ない人はあまりメリットがありません。ご夫婦であれば所得が多い方の名義で寄付しましょう。

自治体から送られる「寄付金の受領証明書」は必ずとっておく

確定申告で使います。なくしてしまった場合は、大半の自治体が再送付してくれますのですぐに連絡を。

家計を圧迫してまでするのは本末転倒

いくらおトクだからといって、今家計が苦しいのにふるさと納税するのは本末転倒です。なぜなら、節税の効果を得られるのは次の年だから、「今」使える現金がなくなるだけです。

どうしても寄付したい自治体があるなどの場合をのぞき、まずは支出を見直すなど家計改善をがんばりましょう。

おトクな制度「ふるさと納税」ですが、あくまでも寄付であり、カタログ通販ではありません。自分が本当に応援したい!お金をこんなことに使ってほしい!と思える自治体に、有効にお金を使ってもらえるよう制度を活用しましょうね。

▼【連載】知って得するお金のコト
第1回「学資保険には入るべき?知らないと損する保険のこと!」
第2回「子どもと学ぼうお金のコト【前編】子どもに伝えたい!お金の大切さ」
第2回「子どもと学ぼうお金のコト【後編】ジュニアNISAって何?」
第3回「お財布が別だと離婚率が高まる!? ~夫婦の家計管理で気をつけるべき3つのこと」
第4回「定額制VS報酬制!? 子どものおこづかい、どうしていますか?」
第5回「もらう、あげる、子どものお年玉で気をつけるべき3つのこと!」
第6回「子どもの自転車事故で9,500万円の賠償も!ママが入っておくべき個人自賠責保険とは?」
第7回「知らないと家計に大打撃!? ママが知っておきたい税金のこと2017年」

著者プロフィール

家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けにセミナーや執筆活動、個人相談などを通じて発信している。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。
講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。株式会社ライフヴェーラ代表取締役。

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