ママ必見!今どきパパが失敗しがちな叱り方&子どもを伸ばす4つの叱り方【理想のパパになる 第5回】
子どものしつけのために行われた叱り方が、行き過ぎていたため、大きな事件となったのは記憶に新しいと思います。
日常の生活の中で、子どもを叱らなくてはならない場面は、どうしても出てきますね。そのような時、どのように叱れば、いいのでしょうか。
目次
パパが失敗しがちな叱り方とは
男親はどうしても厳しくなりがちです。特に同性の息子に対しては、過度に厳しくなることも。ですが、恐怖で支配しても根本的には何の解決にはならない、ということを忘れないでください。
「怖いから」「厳しい罰があるから」パパの目の前ではおとなしくしていても、見つからなければ大丈夫、という発想が生じてきます。また「厳しい罰」は、どんどんエスカレートしていく恐れもあります。
「叱る」ということは、子どもの行為に対して、注意、指導をするために行われるのであって、親のいら立ちや感情をぶつけて「怒る」こととは異なります。そのことをまずは念頭に置き、次に理想の叱り方を考えてみましょう。
一度「今、本当に叱るべき?」かを考えて
子どもを叱る前に、その言動は本当に「叱るべき」なのか振り返ってみましょう。
「いつもガミガミ、子どもを怒鳴っている」と、感じている親は結構多いようです。ですが、子どもを叱らなければならない場面というのは、日常の中でそんな多くはないと私は思っています。
おおまかに言って、子どもを叱るべき場面は次の2つのみと思ってよいでしょう。
1.自分の身に危険が及ぶ行為をしたとき
道路に急に飛び出した時、アイロンやポットなど熱いものに触ろうとした時などは、しっかり「危険」であることを伝え、注意する必要があります。
2.人に迷惑をかけたり、傷つけたとき
- 公共の乗り物の中で騒ぎ、周囲の人の迷惑をかけた時
- 公園ですべり台を待っている時に、順番を抜かして先に滑ろうとした時
- 友達の持っているおもちゃを無理やり取り上げ、自分が遊ぼうとした時
など、人に迷惑をかけたり、嫌がること、傷つけることをした場合は、相手の痛みを説明し、強い口調で子どもの目を見てしっかり叱りましょう。
子どもを伸ばす4つの叱り方
1.具体的に叱る
「8時を過ぎてもテレビを見ていることがいけない」「おもちゃを乱暴に投げて、壊したことがダメなこと」と、行為を具体的に指して叱りましょう。
2.即、その時に叱る。過去のことを持ちださない
「昨日も弟を叩いていたでしょ!」「先週、学校の帰り、寄り道していたでしょう!」などと、その時叱らず、時間が経過してから思い出したように叱ったり、過去のことを持ちだし、いつまでもしつこく言ったりしない。その時、すぐに叱ることが大切です。
3.態度、表情、口調全て一致させて集中して叱る
親が何かをしながら叱ったり、真剣さが伝わらなければ、効果が激減します。叱る時は、態度も一致させ、親も叱ることに集中しましょう。
4.「いけない」理由をきちんと説明して叱る
頭ごなしに叱るのではなく、なぜ叱っているのか、なぜいけないことなのか、きちんと理由を説明して叱りましょう。
「あなたはダメな子ね!」「あなたのこと嫌い!」と子ども自身を否定するような言葉を言わず、どういう言動、行為がダメで、どのようにすればいいのか、具体的に示してあげてください。
ママとパパどちらかは一歩引いて見る役に
ひと昔前までの日本では、「父親は怒ると怖い存在」、「母親はかばってくれてくれる優しい存在」というような父性と母性のイメージが定着していました。ですが昨今は、厳しくしつけるママに対し、「それくらい、いいだろう」と甘いパパ、という家庭も増えてきています。
どちらでも各家庭の状況でOKだと思いますが、大切なことは、両親ともに子どもを責めない、ということです。そうなると、子どもは居場所がなくなります。
どちらかが叱れば、どちらかは「今度から危ないことは止めような」「もう、弟が嫌がることはしないわよね」と、声をかけることが大切です。
パパとママで連携を図りながら、上手に子どもを伸ばす叱り方をしたいものですね。
▼【連載】理想のパパになる
第1回「短い時間でも子どもの心にパパの存在感を刻み込むマジックワード」
第2回「プロ直伝!2歳までの新米パパが陥りがちなNG子育てとは」
第3回「遠くの自然より近所の公園!パパにしかできない外遊びを極めよう」
第4回「理想の父と娘の関係とは?パパが涙する娘の成長を感じるとき」
公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA
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