【男の子の育て方】ママの悩みにプロが説く「魔法の言葉」とは?
「女の子のお友達はじっとしているのに、なぜうちの子は落ち着きがないの?」 「どうしてママの言うことを聞いてくれないの?」子育て中のママなら誰しも悩むもの。
今回は、幼児教育のプロである伸芽会の飯田先生に、「ママが陥りやすいNGキーワード」や、「男の子の心に響く話し方」をレクチャーいただきます。これを読めば、きっと日々の子育てが少し、楽になるはずです。
1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+、朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。
目次
男の子と女の子で違う点を理解しよう
まず大前提として、
- 女の子とは生物学的に別物なので比べても無意味!
- 男の子は世界で一番お母さんが大好き!
ということを理解してください。
私はよく「つ」がつく年齢(~9歳)の男の子は、ママが一番ということを言うのですが、これは本当です。男の子はいつまでたってもママの袋の中に入っていたい“カンガルー”と同じなんです。
そのうえで、いかに「男の子の心に響く話し方や態度、言葉がけ」ができるか、そして「根気よく待てるお母さんが男の子を伸ばす」と心得てください。ママの機嫌がいいと、子ども(特に男の子)はどんどん伸びていきますよ。では、実際にお悩みにこたえていきましょう。
Q1 負けたくない気持ちをコントロールするには?
「とにかく負けず嫌い。じゃんけんに負けるだけでも大泣きしてしまうほど。カルタやトランプも勝つまで終われません。このままだと、集団生活でうまくやっていけるか心配です」(4歳男の子のママ)
これは簡単です。「かっこいい負け方」を教えてあげればいいんです。
まず、後出しじゃんけんでもいいから、あえて負け続け「〇〇クンはいつも勝つから、ママはつまらない!」と拗ねるとします。すると、「勝ってもつまらない」という気持ちになります。
次に、かっこいいチョキの出し方にこだわるなど、視点を変えてみます。男の子は単純なので、「もっとかっこいいチョキを研究しよう」とか「負けてもカッコイイんだ」ということに気が付くはずです。子どもの目線になって、負けじと遊んでみるといいんです。
Q2 一人遊びが好きで内弁慶。もっとたくましくなってほしい
「よくも悪くもとってもマイルド。一人遊びが好きで、お友達におもちゃを取られても取り返しにいけずもじもじ。おままごとも大好き。もうすこし男の子っぽくさせたいし、これから幼稚園で馴染めるでしょうか?」(3歳男の子のママ)
そんなに心配することはないと思います。幼児の場合、一般的に女の子の方が精神年齢の発達が早いので、「争いごとの多い男の子の遊びよりも僕はこっちの方がいい」と女の子がする遊びを選んでいるのだとしたら、精神年齢が高い証拠です。幼稚園などの集団生活に入ればきっと男の子とも遊ぶと思いますよ。
ただ、普段ひとりで遊ぶことが多い子は、どう声掛けをして仲間に入っていいかわからないことも。そんなときは、普段から「ねぇ」と自分から話しかけさせる癖をつけさせてみてください。「ねぇ」「なに?」「一緒に遊ぼう」「いいよ」など友達の輪に入るきっかけになりますよ。
Q3 落ち着きがない子。がまんを教える方法が知りたい
「言うことをちっとも聞きません。保育園では人のモノを横取りするし、道路は飛び出すし、じっと絵本を読んでいることなんて不可能。どうしたら落ち着きのある子になりますか?」(3歳の男の子のママ)
まず、命の危険があるようなこと(道路に飛び出すなど)は、1回できちっと叱りましょう。人の目を気にしてはダメです。「これをしたらママが怒る」というルールを常に明確に。
あとは、言うことをきかないというのは、たいがい「人と違うことをしてみたい」という男の子特有の目立ちたい心理であることが多いです。
たとえば、授業中じっとしていない子がいたら、私は一緒になって疲れ果てるまで追いかけまわしたりします。そして一言「走るの速くなったな」と耳元でささやきます(このちょっと褒めるがポイント)。すると、「この大人には勝てない」「目立っても意味がない」となり、だんだんにしなくなります。
5歳~6歳の秋は男の子の鍛えどき
男の子は簡単には懲りない生き物。ただ、あきらめずに根気よく教えたことは心に蓄積されていきますから、あるときぐっと開花する時期がやってきます。
私はよく「5歳~6歳の秋は男の子の鍛えどき」と言っています。子どもは無限の可能性を秘めていますが、「この子はやんちゃだから」「控えめだから」と周りからレッテルを貼られてその可能性をつぶしてしまうこともあります。
ですので、スポーツでも音楽でも勉強でもいいです。どうぞ、就学前のこの時期に、プロの手を借りたりしながら、心を刺激してあげてください。
男の子の心に響く魔法の話し方
最後に、「男の子に響く魔法の話し方」をお聞きしました。
ママが一番言ってはいけないワードが
- 〇〇ちゃんはできるのにどうしてできないの?
- (ここで走ったら)ダメだって何度いったらわかるの?いいかげんにしなさい!
- 〇〇クンなんて大嫌い!
どれもつい言ってしまいそうな言葉ですよね。これを、魔法のことばに言い換えます。
- これができたらもっとかっこいいのに!
- ここを走ったら危ないんだよ。でも、とっても走るの速くなったね。すごい!
- このお手伝いしてくれたら、ママもっと〇〇クンのこと好きになっちゃう。
いかがでしたか? “負けずに子どもじみてみる”、“プラスの言葉に言い換えてその気にさせる”ことが、男の子を上手に操るキーワードのようです。
さらに、“パパはかっこいいんだよ!”と普段からママがパパのことを憧れの存在にしておくのも大切だそう。できることから少しずつトライしてみてください。
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