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子育て

「なぜなぜ期」を上手に切り返して、好奇心や自己肯定感を育もう!

「なぜなぜ期」を上手に切り返して、好奇心や自己肯定感を育もう!

「なんで空は青いの?」「どうしてママは洗濯ものを干すの?」「なんでじゃんけんで勝てないの‼」3歳前後から始まる子ども特有のなぜなぜ期を、上手に切り返しながら好奇心を育てるコツを伸芽会の飯田先生にお聞きします。困ったときに役立つ2つの魔法の言葉も必見です!

監修者プロフィール
飯田道郎

1960年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に伸芽会の創立者・大堀秀夫と出会い、入社。子どもの目線に寄り添い子どものやる気を引き出す人気教師として男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。本サイトのYoutubeチャンネルであるSHINGA FARMちゃんねるへレギュラー出演中の他、AERA with Kisds+朝日新聞 DIGITALなど多くのメディアにも取り上げられるなど、幼児教育業界の第一人者として活躍中。


「科学のふしぎ系なぜなぜ」は図鑑やネット、実体験で学びを深めよう

「虹の色って何からできてる?」「水はなんでつかめないの?」「恐竜はどうやって生まれたの?」「ヤッホーのこだまってなんで聞こえるの?」……。こうした、一言で答えるのが難しい科学や自然界の不思議系なぜなぜこれらの切り替えしのコツは、ずばり調べる楽しさにすり替えること

年齢によっては、正解を述べたところで理解するのは難しい場合もあるでしょう。ですから、「なんでだろうね、一緒に調べてみようか」でいいんです。

絵本や図鑑はもちろん、インターネットだってYouTubeだってかまいません。写真や動画で見ればインパクトが残りますよね。

ただ、これで終わらせてはもったいないので、たとえば恐竜であれば恐竜博物館、こだまであれば山に登ってヤッホーと叫んでみるなど、実際に体験できる場所へ連れていけると深い学びになります。幼少期から調べる習慣をつけておきましょう。

「行動系なぜなぜ」は、一度極論を試してみる

「なんで洗濯物を干すの?」「なんでご飯を作るの?」「なんでパパは会社に行くの?」といった行動系のなぜ。これは、単純にママやパパの気をひくための“遊ぼうのサイン”の場合もあります。とはいえ、忙しいママにとっては、今どうしてもその家事をしなくてはいけない場面があるでしょう。

口で説明しても「なんで~なんで~」と繰り返す場合は、極論を体験させてみるのも手。洗濯物をなぜ干すか?には「洋服が濡れていたらどんな気分がする?」と濡れた洋服を頭からかぶせてみてください。「気持ち悪くていやだ」と答えるはずです。「どうして掃除機をかけるの?」には掃除機の中身をざっと出して、「こんなに汚れたままでいい?」と可視化させればきっと納得してくれるはずです。

自分の失敗にイライラするなぜは、向上心がある証拠!

「なんで僕はじゃんけんに負けるんだ!」「どうしてもっと積み木が高く積めないの?」と自分に対してイライラするなぜなぜもありますね。側で見ている親御さんは「仕方ないでしょ、自分のせいなんだから!」と言いたくなると思いますが、なぜなぜ期の彼らにとっては逆効果となり、かえって大泣きしかねません。

そもそも、自分の失敗に対するなぜなぜは、お子さんに向上心がある証拠です。ですから、「もっと高く積みたくてイライラしてるのね、すごい!」「そこをなんでと思えるなんてかっこいい!」と、イライラポイントを逆に褒めてしまいましょう。「怒られると思ったらなんかママに褒められた…でも嬉しい」とお子さんも気持ちが落ち着いてくるはずです。

子どものイライラには乗らずに、魔法の言葉で煙に巻く

なぜなぜ期は、お子さんの好奇心や自己肯定感を育む大事な成長の機会。一番大切なのは気持ちに寄り添える心の余裕でしょう。そうはいっても、時間に追われているときに限って、ハードななぜなぜが発生したりするもの。そんなときにぴったりな2つの魔法の言葉をご紹介しましょう。

その1 「なんでだと思う?」のなぜ返し

これは王道の返しになりますが、考える力を養う近道です。「私はこう思うんだけど、ママはなんでだと思う?」と、お子さんが自分でなぜかを考えてから質問できるようになるといいですね。そのラリーが親子で続くようになれば、立派なディスカッションになります。

その2「一生懸命頑張っているからだよ」

なんで~のループにはまってしまって出口が見えないときは、この言葉を。虫も風も雨も電気もママも(!!)一生懸命がんばっているんです。ややその場しのぎに思われるかもしれませんが、「そういうものなの!」と子どもに当たってしまうよりは、この言葉でいったん流すのも時には必要です。

お子さんも「そうなのかー」と納得してくれるはずです。時間があるときに、一緒にそのなぜを調べてあげるといいですね。

いかがでしたか。なぜなぜは好奇心や自己肯定感を育む大事な機会ととらえ、「イライラすら褒めてしまおう」というのは飯田先生ならではの斜め上を行く発想だなと感じました。

心の余裕が大切だと頭で分かっていても、常にわが子の気持ちに寄り添えるわけにはいかないママにとっては、“2つの魔法の言葉”を上手に使いつつ、最終的には“自分で調べる楽しさ”に気づいてもらえる子になってもらえたら嬉しいですね。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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