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子どもの好奇心を伸ばす!図鑑活用術【第3回 〜人体図鑑編〜】

子どもの好奇心を伸ばす!図鑑活用術【第3回 〜人体図鑑編〜】

これからの時代は「何か強みのある子が強い」と言われています。とはいえ、子どもの興味関心の伸ばし方は親がそのジャンルに詳しくないと難しいもの……。
そこで、各ジャンルのプロフェッショナルが集結する、KADOKAWA図鑑編集部の方々に「子どもの興味関心の引き出し方のコツ」を伺っていく新連載がスタート。第3回はこれこれまでととは角度を変えた「人体図鑑編」。図鑑編集部の松山さんと小荒井編集長にお聞きしました。

人体図鑑は読み物としても楽しめる!

__KADOKAWAの人体図鑑にはどんなことが載っていますか?
「かぜをひくと、熱が上がったりせきやくしゃみが出るのはなぜ?」「しゃっくりはどうして起こるの?」、人間の体には不思議に思うことがたくさんありますよね。そんな体のナゾを解き明かしながら、人体の奥深さを体感できる図鑑です。他社と違う点は、「心臓」「胃」など器官の名前ごとではなくて、「食べ物を取り込む(消化器官)」など、役割別でページを作っている点です。そうすることで、お子さんが一人で読んでも頭に入りやすいように工夫しています。もちろん、ダイナミックなビジュアルもぜひ注目していただきたいですね。
図鑑シリーズを通して3歳から楽しめるよう意識していますが、人体図鑑は年齢別に着眼点が違うので、お子さんから大人まで楽しめると思います。

また、章の最後に見開きで人体の発見と医療の歴史のコラムがあります。人が誕生してインド中国、西洋と医療がどう進化したか、さらにこの本を編集していたのがコロナ禍でもあったので、これまでの感染症の歴史についても載せています。見えない体の中を、人類がどう想像していったのかを調べるための図鑑でもあるけど、読み物として読んでも楽しめる内容になっています。

人体図鑑は読み物としても楽しめる!

自分の体のことだから子どもも興味を持ちやすい

自分の体のことだから子どもも興味を持ちやすい

__人体の中で子どもたちが興味を持ちやすい体の器官はどこでしょう?
もちろんその子によりますが、胃腸などの消化器官が興味を持ちやすいと思います。なぜなら、小さい子でも自分たちが毎日食べ物を食べて消化してうんちとなって排泄するという流れは知っているので、「それはどうなっているんだろう?」と自分の体の仕組みや不思議に関心を持つ子は多いと感じますし、親御さんも「どうしてだと思う?」とアプローチしやすいのではないでしょうか。

__他に、人体図鑑に興味を持つきっかけはありますか?
背の高さ、肌の色、目や髪の色など「自分とお友だちの体で違うところがあるな」とか、パパやママ、兄妹などの体を見て「男女の体の違い」から興味を持つお子さんもいます。他に、スポーツを習っていたりする子で「足が速くなりたいけど筋肉はどうついているんだろう?」「腕の骨のつくりってどうなっているのかな?」など、人体に関心を持ち始めるお子さんもいるようです。

__人体図鑑には性に関する違いも載っているんですね!
人間の誕生から成長の過程を追っている章のなかで、「男女のからだの違い」を説明しているページがあります。年齢とともに男女の体つきの違いが出てくるということと、どんな違いがあるのかが分かっていただけるかと思います。

__特におすすめのページはありますか?
他に、個人的には5章の「脳」ページも見ごたえがあると感じます。脳は人間が動いたり見聞きしたり感じたり考えたり、すべての行動に絡んでいるコンピューターのような器官です。興味深いトピックが盛りだくさんな内容になっているので、脳への導入編として興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

__特におすすめのページはありますか?

未就学児~小学校高学年まで!人体図鑑の年齢別活用法

__未就学児、小学校低学年、高学年とざっくりとした年齢別で、人体図鑑の楽しみ方(深め方)のアドバイスを教えてください!
【未就学児の場合】
まだ文字を読めない子もいると思いますので、こだわりがつまったイラストや写真を見ながらビジュアル面を堪能してほしいですね。腸内細菌のページには具体的な細菌のビジュアルが載っていますから「自分のお腹の中にこんな細菌がいるの⁉」とビックリしてもらえると思います。また、巻末にある「やってみよう人体6つのトライ」という親子で楽しめるチャレンジもぜひ試してみてほしいですね。

【小学校低学年の場合】
図鑑にはコラムやクイズがちりばめてあります。例えば、「お腹がグーグーなるのはどうして?」(答え:空腹になると胃が動いて、胃の中の空気がおされて音が鳴る)など日常の気になる質問に答えるトピックもあるので、明日学校でちょっと友だちに自慢したくなる豆知識や、大人も「へえ~知らなかった」と思うことも多いので、親子でクイズ感覚で楽しんでいただけると思います。

【小学校高学年の場合】
自由研究や調べ学習でテーマを決めて図鑑で調べていくのがおすすめです。たとえば、
両親の血液型から自分はなぜこの血液型になったのか、つむじや一重二重瞼の遺伝なんかを親族で調べてまとめるのも面白いと思います。また、中学受験に関わる人体のトピックはすべて含まれているので、先取り学習や確認用の副教材として使っていただける方も多いです。

タイプ別、人体図鑑から学びの広げ方

__人体図鑑に興味を持ったら他にどんな広げ方がありますか?
純粋に医療に興味を持った子は医療漫画や小説、ドラマなどに広がると思いますし、頭蓋骨や骨が好きになった子は博物館で他の動物の骨との違いを見に行くのも面白いと思います。細胞に興味を持った子は、宇宙や深海など見えないものをイメージする分野にアプローチするのもいいかもしれません。
また、この人体図鑑を通して「食の大切さ」を伝えたいというのがテーマでもあります。
監修者である坂井建雄先生も「食は体の資本です。健康に生きるためには、好き嫌いなく食べて丈夫な体を作ってほしい」とおっしゃっていました。この図鑑から、好き嫌いを見直すきっかけになってもらえたら嬉しいです。
さらに、これまで動物や昆虫などの図鑑にいまいちハマらなかったというお子さんも、人体図鑑は自分の体に関わることであり他の図鑑とは角度が違うので、興味を持ったという子も多いです。女の子やお母さんからも人気があります。

__図鑑から派生したおすすめの本もあるんですよね?
『からだおたすけ 食べ物辞典 こんなとき何食べる?』(KADOKAWA)
『からだおたすけ 食べ物辞典 こんなとき何食べる?』(KADOKAWA)
「足が速くなるためには?」「頭や目がよくなるには?」という子どもたちの願望から食と体に興味を持ってもらえたらという想いで作った1冊です。体のしくみや必要な栄養素や料理も紹介しています。人体図鑑から派生して、図鑑同様坂井先生に監修していただいた本です。

『かくれた能力を見つける! キミだけのスゴい脳のヒミツ』(KADOKAWA)
『かくれた能力を見つける! キミだけのスゴい脳のヒミツ』(KADOKAWA)
簡単な診断から、脳の個性を知り自分の脳にかくれた才能がわかります。脳の伸ばしたい部分を伸ばすトレーニングや、さらにスゴい脳に育てるヒミツがわかるコラムもたっぷり収録。自分の脳の強みと可能性を知って、眠っている才能を開花させようという1冊です。

いかがでしたか。ちょっと医学的で難しそうと思っていた人体図鑑ですが、お話を伺って、自分の体に起きていることととらえたら、どんどん興味がわいてくるなと感じました。家庭に1冊あると、お子さんからの「どうして?」にも答えやすいかもしれませんね。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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