イタリアのおやつに塩味が好まれる理由は？子どもの肥満予防にも！

2024.12.23 公開

子育て

イタリアのおやつに塩味が好まれる理由は？子どもの肥満予防にも！

イタリアではピザやパスタといった国民食だけでなく、豊かな食文化が日常生活に深く根付いています。そのようななかでも、とくに注目されるのが「メレンダ」（間食）の習慣です。甘いスイーツが思い浮かびがちですが、実はイタリアでは塩味のおやつが人気。なぜ塩味の軽食が好まれるのか、その理由や背景に迫ります。

イタリアの「メレンダ」文化はご褒美としての間食

イタリアの「メレンダ」文化はご褒美としての間食
イタリアで「メレンダ」と呼ばれるおやつの時間は、ただの間食ではなく、大切にされる文化的習慣の1つです。メレンダタイムは1日に2回あり、午前10時頃と午後4時頃に設けられることが一般的です。これは、1日を通してエネルギーを均等に摂取することで、健康的な食生活を支えるためとされています。

栄養学的な見地からもイタリアでは1日5食（朝食、午前中のおやつ、昼食、午後のおやつ、夕食）が推奨されており、これが血糖値の安定やコレステロール値の低下などの健康効果をもたらすと言われています。そのため、子どもから大人までメレンダを楽しむ習慣は、長年にわたって受け継がれてきました。

メレンダという言葉の起源は、ラテン語で「値する」という意味の「merere」に由来します。歴史的にはおやつは努力に対する「ご褒美」として認識され、とくに子どもたちが宗教的な学習を終えた後に、塩味のビスケットやブレッツェルを与えられていたという記録があります。また、19世紀には畑で働く農民たちが労働の合間に活性化やエネルギーを補給するために間食を取り入れるようになり、これが現在のメレンダ文化の礎を築きました。

塩味のスナックはメレンダタイムの定番

塩味のスナックはメレンダタイムの定番
一般的に、おやつと言えば甘いものを思い浮かべるかもしれませんが、イタリアでは必ずしもそうではありません。子どもたちには、ヌテッラ（ヘーゼルナッツとココアパウダーが入ったスプレッド）をパンやラスクに塗った甘いおやつが定番である一方、塩味のおやつも非常に人気があります。フォカッチャやスキアッチャータといったオリーブオイルと塩味の平たいパン、切り売りピザ、サルーミ（ハムやサラミ）を挟んだパニーノは、メレンダタイムに欠かせない定番です。

調査によれば、イタリアの親が子ども（5～13歳）に与えるおやつのなかで、フルーツ、ヨーグルトに次いで、塩味の軽食が選ばれていることがわかっています。ほかの調査でも、イタリア人の半数近くが塩味のおやつを好むと回答しており、市販されている「理想のメレンダ」は「塩味で健康的、低カロリー」であることが求められています。ガッレッテやタラッリなどの固焼きパンやクラッカーなどの塩味のスナックがその代表的な例です。