腰痛、膝痛、股関節痛、ぽっこりお腹の原因も!産後の骨盤底筋ケアとは
特に2人目などは、上の子のお世話もあり産後すぐから動き出さざるを得ない、というママも多いはず。でもちょっと待って。産後1年までにきちんと骨盤をケアしないと、将来さまざまな不調をきたす原因になることもあるんです。
そこで、「骨盤の歪み」「骨盤底筋の鍛え方」など、意外と知らない骨盤のあれこれを、骨盤ヨガのインストラクターに教えていただきました。自宅でできる簡単なヨガポーズも必見です!
ヨガ哲学と解剖学にも熟知したヨガインストラクター歴6年。専門は月のリズムとヨガ、骨盤調整ヨガ、パワーヨガ、ラージャヨガ、リストラティブヨガ、マタニティヨガ、産後ヨガ。自身の出産後はママ向けのヨガクラスも多数開講中。http://ameblo.jp/yogini-aocchi
目次
産後はなぜ骨盤が歪むのか?
巷でよく聞く「骨盤の歪み」。でも実際は骨自体が歪むわけではなく、出産で開いた骨盤(恥骨と仙骨、尾骨)が正しい位置に戻らないズレからくる周りの靭帯や筋肉の不具合、というもの。
このズレはわずか数mmでも筋肉には大きく影響してしまうんです。そのままにしておくと、のちに重い更年期障害になったり、直腸脱や子宮脱(骨盤底筋群のゆるみにより肛門部へ腸が下がったり、膣から腸や子宮が出てしまうこと)など大病の原因にもなりかねません。
とはいえ、出産は女性にとって最大のデトックスと言われています。安定期に入ったら出産の日までヨガはやって大丈夫。むしろ股関節や骨盤周りを柔らかくしてあげた方が出産後の回復が早いと言われています。
この機会を利用して正しくケアすれば、出産前よりも美しい体が手に入るチャンス。そして産後2ヵ月はしっかりと休んで骨盤と子宮が元に戻ろうとする力を邪魔しないようにします。
こんな不調も骨盤の歪みが原因かも…
産後の腰痛、尿漏れ、冷えや肩こり…さらに、足の付け根やひざの内側、外くるぶしの痛みに腱鞘炎…これらの不調も骨盤が正しい位置に戻っていないことや骨盤底筋の過緊張(コリ)が原因だったりします。
産後は赤ちゃんを片方の腰に乗せて抱いたり(左右がずれる)、授乳や赤ちゃんのお世話で猫背の状態(骨盤が後傾になる)が続きがち。そういった状態が続くと、骨盤を支えている骨盤底筋がゆるんだり硬く凝り固まったりします。
まずは骨盤底筋の状態をセルフチェック!
座ったときに、椅子とお尻の間に手を入れて坐骨の内側を触ってみてください。何とも感じないのが正常なので、痛気持ちかったり凝っているなと感じたら、骨盤底筋群が硬くなっているのかもしれません。
肩こりのようなイメージでお風呂上りや気づいたときにマッサージをしてあげるだけでずいぶんと解消されてきます。
坐骨で座る、寝るだけでぽっこりお腹も解消!
ヨガなどでよく聞く「坐骨(左右それぞれのお尻にある骨盤下部の骨)」。これを意識して座る(寝るときも骨盤を意識して仰向けになる)だけで、おなかに圧がかかります。
イスに座るときは、お尻全面(尾骨)でなくこの坐骨をつけて座ると、骨盤が引き上げられ子宮が本来の位置におさまり、膣がキュッと引き締まった状態をつくることができます。
腹筋よりも腰への負担が少なく何倍も効果的なので、自然にこの座り方ができるようになると、気になる下腹が引っ込みウエストラインがすっきりとしてきます。デスクワークが多いワーママは常に意識すれば、知らず知らずにぽっこりお腹が解消されているかもしれません。
【坐骨で座る姿勢はコレ!】
まずは鏡の前でこのポーズを参考に正しい姿勢を習得してみてください。
〇坐骨で座れている姿勢(坐骨から垂直に骨盤が立っているイメージ)
×お尻全面で座ると骨盤が後に傾いてしまいます(ダメな例)
×腰が反って骨盤が前に傾いている姿勢(ダメな例)
1日5分!歪みを解消する簡単ヨガポーズ
骨盤底筋を鍛える目安としては、出産6ヵ月~1年は引き締めを意識する時期、1年を過ぎたら引き締めるだけではなくゆるませることも意識し、締めるゆるめる両方の感覚がわかること、コントロールできること、骨盤底筋群が柔軟であることが大切です。
自宅でできるヨガポーズをご紹介します!
<ゆるめる呼吸>
腹式呼吸をベースとした骨盤底呼吸という呼吸法。上の写真を参考にしながら、坐骨を意識して座ります。吸うときに骨盤の内側から風船が膨らむように、下腹も脇腹も膨らみ骨盤底筋群も下方へ広がります。
そして今度は、吐きながら風船が縮むように、骨盤が元のサイズに戻り骨盤底筋群を内側に引き上げます。
1日15回~を目安に。いつやってもいいのですが、朝起きる前や寝る前が効果的です。
<締めるポーズ>
その1:ビラーサ
産後の骨盤底筋群や太腿内側の引き締め、骨盤後傾の方に効果的なのがこのビラーサというポーズ。
割座の状態で座りゆっくりと背中を床に倒して仰向けに寝ます。両ひざが開かないよう腿の内側を意識し、腰部が反り過ぎないように下腹を引き締めたまま呼吸することで腸腰筋を伸ばしていきます。
その2:太鼓橋のポーズ
骨盤底の引き上げに効果的なのがこのポーズ。
仰向け立膝から両足を骨盤幅(手拳ひとつ分くらい)に開き、床からお尻と背中を浮かせ、肩と肩甲骨を背面下で寄せ合いながら両腕を組みます。肋骨を顎の方へ引き上げながら骨盤を膝の高さまで上げていきます。
ポイントはひざの骨盤幅をキープしたまま前面へ押し出しながら、ひざやつま先ががに股にならないように内腿を引締めを意識することです。
スポーツクラブに通ったり、ランニングをする時間がないママは、1日5分、こんなポーズを意識してみてください。何歳からはじめてもOK。腰痛や便秘が解消されたりと、続けるうちに、体の変化を実感できるはずです。
また、足の内側の筋肉を鍛えることも骨盤には効果的です(子どもにも踏ん張る力が鍛えられます)。親子で、家族で相撲ごっこをしたりと、遊びながら意識してみてください。
いかがでしたか? ママが健康でいることが子育てには何よりも必要不可欠。忙しさに翻弄されてしまいがちですが、1日5分でも日々のセルフケアもしっかり行いたいですね!