口が開いている、姿勢が悪い…実は噛み合わせが原因かも!気になる幼児の歯の矯正のこと
永久歯が生えてくると気になるのが、歯の噛み合わせ問題。5歳の娘も、「虫歯はないから大丈夫」と油断していたら、反対咬合の可能性を指摘されて大慌て…。
そこで今回は、麻布十番にある医療法人社団スマイルキッズベア キッズデンタル麻布の坂部先生に、幼児期の歯の噛み合わせと矯正のことについてお話しを伺いました。
目次
欧米では歯並びは身だしなみの一部!矯正をする幼児が増えている理由とは?
日本全体で見れば子どもの数は減っているのですが、ここ数年、親御さんの教育意識が高い都市部のエリアでは、幼児の歯並びを気にしたり、幼いうちから矯正をするお子さんが増えているという印象ですね。
「大人になったときに、わが子がどこに行っても恥ずかしくない歯並びにしてあげたい」と思う親御さんが増えているんだと思います。
昔から、アメリカのエリート層などでは「きれいな歯並びは大人の身だしなみの一部」とされていましたが、日本にもこうした考えが浸透してきたのかもしれません。
永久歯が生えてきたら、小児歯科の専門医に見てもらおう
一般的な1歳半歯科検診と3歳児歯科検診を過ぎたら歯医者に連れて行かない人、1歳半を過ぎたら定期的にフッ素コートをして虫歯チェックをしてもらっている人。わが子を歯医者に連れていく頻度も地域差や親御さんの意識でかなり違いがあります。
歯科医としては、乳歯が生えそろう1歳半を過ぎたら虫歯になるリスクが増える時期なので、数ヵ月に一度など定期的なチェックを推奨しますね。さらに、乳歯が抜けて永久歯が生えてきたら、一度噛み合わせの専門医に見てもらうことをおすすめします。
気をつけたいのが、今やコンビニよりも多いとされる歯医者ですが、日本小児歯科学会認定の専門医というのは意外と少なく、全国でも1700人程度だということ。通常の治療は問題ありませんが、心配な場合は噛み合せや矯正は専門医でみてもらうといいでしょう。
3歳以降と6歳以降。年齢で異なる噛み合わせの治療
一般的に、乳歯が生えそろうまでの噛み合わせの問題は自然に治るケースが多いといわれていますので、3歳以前には特別な理由がなければ治療をしないことが多いです。
一方、3歳以降に反対咬合などの噛み合わせに問題があったり、6歳以降に永久歯の大きさと顎の大きさのバランスの問題が表面化してきた場合は、器具を使った矯正治療が必要になるケースが出てきます。
顎の大きさ、舌の位置はトレーニングや器具で治せる!
矯正は一時的に治っても、その人の骨格や呼吸などの癖(=筋機能)を改善しないと後戻りすることがあります。特に成長過程である幼児にはその癖が治せる時期なので、私は早いうちからトレーニングすることは意味があると思っています。
もちろん、「長期的な治療はお子さんの負担になる」といった考え方もありますので、本格的に矯正をしようと思った場合は、治療法や費用を含め納得のいく専門医で行ってください。そのためには、いくつかの歯医者で見てもらって話を聞き比較検討するといいと思います。
舌の位置を正し、上あごを広げる幼児用のマウスピース。毎日のトレーニング課題と並行して、寝るときなどに装着をして慣らしていくそう。
こちらが一般的な幼児の矯正器具。歯形をとって歯の位置を正したり、顎を少しずつ広げていきます。
歯の全面に装着するタイプの矯正器具は、永久歯が生えそろう中学生頃からの着用が一般的だそう。
口が開いている、姿勢が悪い…実は噛み合わせが原因かも!
明らかな出っ歯や歯並びの悪さをのぞく“噛み合わせ”は、ママのチェックで簡単に見極められるものではありません。ただ、「よくぽかんと口が開いている(口呼吸)」「猫背で姿勢が悪い」場合、実は噛み合わせが原因であることも少なくありません。
口を閉じるというのは、ぎゅっと意識をしてつむるものではなく、本来は自然に無意識にできるもの。舌を上顎にぺたっとつけてしまえている状態なんです。でも、これらができないのは、何らかの原因があることが多い。つまり、呼吸を確保するために口が開き、気道を確保するために猫背になってしまうんです。
ママが毎度注意しても治らない場合は、一度専門医で見てもらい、原因を解消するといいかもしれませんね。ちなみに、口呼吸を見極めるポイントをはこちら。
<口呼吸かどうかのチェックポイント!>
・上唇がいつも乾いて色が白っぽい
・上唇と皮膚の境界がはっきりしていない
歯並びも虫歯も日ごろのケアが何より大事
きれいな歯を保つためには、歯並びはもちろんですが、虫歯予防も欠かせません。
幼児が虫歯になる原因は
・歯磨きがしっかりできていない
・甘いもののとりすぎ
の2つ。
誰かにもらったチョコレートを1回食べたからといって、すぐ虫歯になるわけではありません。重要なのは、甘いものを食べないことではなく、口の中に甘いものが残る時間と回数と考えてください。
規則正しい時間におやつを食べることは、子どもの体と心を満たす上でもとても大切です。「3歳までにチョコや飴を食べなかったから虫歯にはならない」なんてことはありません。お母さんのおっぱいだって、ご飯にだって虫歯になる糖が含まれているんですから。
あとは、仕上げ磨きは歯医者が「もう大丈夫!」と言われる8歳くらいまでは行ってあげてください。
それまでは、子どもはどうしても歯ブラシを噛んでしまったりするので、自分用は歯磨きが楽しくなるような好きなキャラクターのものを使い、歯医者で売っているような高品質歯ブラシを、仕上げ磨き用として使い分けるのがおすすめです。
いかがでしたか。噛み合わせと虫歯予防、どちらも気になるフレーズがいっぱいでした。
ちなみに、坂部先生の4人のお子さんたちは、「お菓子を普通に食べていますが、一日一回、しっかりと歯を磨いているから誰も虫歯はありませんよ」とのこと。
それと、余談ですが、スポーツ飲料にはスティックシュガー20本分、ミニサイズの某乳酸菌飲料には約4本分の砂糖が含まれているという資料を拝見して驚愕した私。知らず知らずのうちに糖分過多になっていることもありそうだなと。「子どもがお菓子を食べるときはお茶か水にしよう!」と改めて心に誓いました。
キッズデンタルでは目黒、成城、麻布の3院で歯並び相談も予約受付中!気になる方はご相談を。