子どもの枕、ちゃんと選んでいますか?
「子ども用の枕は小さい頃のまま」という方は意外と多いのではないでしょうか? 最近では、肩こりや不眠、頭痛に悩むお子さんも増えているといいます。そこで、正しい子ども枕の選び方について、枕の専門家である整形外科医の山田朱織先生にお伺いします。
山田朱織先生
16号整形外科院長、医学博士、㈱山田朱織枕研究所代表取締役社長、マクラ・エバンジェリスト、日本整形外科学会専門医。これまでの脊椎に関する研究を元に、世の中の「姿勢」に対する概念を変えるような様々な具現化物を、製品として提供する「姿勢革命」をモットーに、さまざまなメディアで日々情報を発信中。
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目次
子ども枕はいつから使うべきか
当院には、大人から子どもまで、日々首が痛い、肩がこる、頭痛、寝違えたなど、たくさんの方がいらっしゃいます。そんなときは薬や注射をするのではなく、日常生活のケア、特に正しい寝姿勢の大切さをお伝えしています。
「子ども枕はいつから必用か」とよく聞かれますが、私は、1歳以下の乳幼児以外、立って歩く幼児には何らかの枕は必要です、とお答えしています。
特に小学生以降である6歳以上からは、頭と大きさのバランスが大人に近づいていくので、ふかふか枕やドーナツ枕ではなく、それぞれの高さにあった枕を使いましょう。
子どもの枕「合う合わない」の見極め方とは?
「朝起きると首や頭が痛くて学校へ行くのが嫌だ」という6年生の女の子がいらっしゃいました。使っているのは低反発の柔らかめの凹凸のある枕です。お話を伺うと、「朝起きたら枕が頭からずれ落ちている」と言います。
枕の高さが合っていないとずれ落ちてしまます。これは首に負担がかかっている状態ですので、使用を中止して、体に合った高さの枕に整える必要があります。
こちらの女の子には「朝起きると頭が痛い」という6歳の弟さんもいらっしゃいました。朝起きるとうつぶせ寝で枕は飛んで行っている状態だそうです。高さの合う枕に代えても症状が改善されない場合は一度専門外来での受診をしてみてください。
ちなみに、子どもの寝相と小児の発達について科学的に悪影響を及ぼすような研究結果は現在のところ出ておらず、発達にどう影響するかまでは言及できません。
ただ、私の意見としては、寝相が悪くてかつ、本人が朝何かしらの症状や、疲労感やだるさのようなものを訴えるときは問題があると考えますので、受診するなどして解決してあげましょう。だるさを上手く伝えれない小児は、朝から“だらだら”してやる気がないように見えるケースもあります。
どんな枕を選べばいい?
枕の調節方法は、大人も子ども基本的には一緒です。
その1 体格に高さがあっていること
その2 適度な硬さと平らな形で一晩中、寝姿勢を維持できること
その3 メンテナンスができること
特に子どもは、体の柔軟性が高く、寝ながらよく動くので、スムーズな寝返りができるよう厳密に調整をしてあげてください。以下でお伝えするような手作り枕の場合は、1日使うと形が崩れてしまうことがあるので、その都度正しい折り畳みに整えてあげましょう。
ここでも正しい高さの見極め方は、「寝ている姿勢を見て、枕が頭から落ちていないかどうか」。落ちていたら少し高さを低くしてみてください。また、子どもは身長体重がどんどん変わっていきますから、それに合わせて適宜調整していくことをお忘れなく!
自宅でできる「玄関マット枕」の作り方
私のクリニックで開発した「整形外科枕」というオーダーメイドの枕がありますが、子どもには適宜微調整が可能な、手作りの「玄関マット枕」がおすすめです。
【玄関マット枕の作り方】
_用意するもの
① 玄関マット(80×50㎝)1つ
② タオルケット(大判で毛足の短いもの)1枚
_作り方
① の玄関マットは、3つ折りの蛇腹織にして土台にします。②のタオルケットを縦に2つ折りにして天地を重ね、①の上に蛇腹織して重ねて置きます。めくれる側を首の方へ置きましょう。
_チェックポイント
その1:枕の上に寝て、のど(呼吸)は苦しくないか、後頭部は痛くないか、角が当たっていないかを確認する。
その2:寝た状態のまま、鎖骨に手をクロスにあて両ひざを立てます。左右を向いて額、鼻、顎、胸、がほぼ1直線になるようかどうかを見ます。
その3:寝がえりのスムーズさを確認します(左右2回ずつ)。肩と骨盤がほぼ同じように動くかをチェックしてみてください。高さを丁寧に調節しながら、寝返りがスムーズになる高さにしてください。
大人には整形外科枕がおすすめ!
ハンドメイドでできる枕もいいのですが、特に大人が数週間使うと凹んできてしまい、せっかく治った症状が再発してしまうことも。そこで、長く使える枕を研究開発し、完成したのが「整形外科枕」です。もっともこだわったのは、中にたくさんの素材を何枚も重ねて一人一人に合わせられるようにしたこと。人間の体は年齢とともに変わってくるので、適宜変えられることが重要となります。
現在6万人以上の方が使用して高い効果を実感しています。店舗でプロの計測による購入はもちろん、現在はこれまでのデータ分析により、体格や症状などのデータを入力するだけで来院なしでも郵送で届けることができます。詳しくはこちらを(https://makura.co.jp/)
さらに、こちらの枕、10月24日より、『整形外科医 山田朱織の枕 Doctor’s Pillow』として、全国のコンビニ(ローソン・ファミリーマート・セイコーマート)で販売開始しております。適度な硬さと素材、ミリ単位で高さを調整できる独自のシートにより、自然な寝返りを実現しました。睡眠でお悩みの方、ぜひこの機会にお試しください!』
※一部売り切れなところもありますのでご了承ください。
いかがでしたか。枕を使う時間は人生の1/3。大人はもちろん、今まさに体が成長しているお子さんにとって質のいい睡眠を得るために、枕選びもぜひ意識されてみてください!
※個人の症状により異なるので、これらはあくまでひとつの参考としてください。