わが子の個性が分かる!持って生まれた「9つの気質」を知ると子育てが楽になる
育児書によく書いてある「個性を大切に」という言葉。たしかに「おっしゃるとおり!」なのですが、いざ実践しようとすると、どの部分をどう大切にすればいいのか悩んでしまいます。
この記事では、我が子の個性をキャッチしやすくするツールをご紹介し、その子らしさを踏まえ、親に何ができるのかについてお伝えしていきます。
目次
「その子に合った対応をしましょう」って言われても…
家族が大所帯だったひと昔前までは、子育ての知恵は、母から娘へと代々受け継がれていたものですが、最近は、核家族が増え、自分の親に頼る以上に、育児書やネットの育児情報を探す人も多いと思います。
育児書には、0か月からの育児のポイントがステップごとに書かれ、ネットでは、キーワードを入れれば、あらゆる育児情報が検索できます。
でも、「育児書通りにやったのに、うちはうまくいかない」「上のお兄ちゃんのときは大丈夫だったけど、下の子には通用しない」ということ、ありませんか?
改めて、育児書を読みなおすと、最後は、こんな風に締めくくられています。「個人差があります」「個性を大切に」「その子に合った対応をしましょう」と。「それが分からないから育児書を読んでいるのに!」「結局、個性で締めくくられちゃう…」と困ってしまうママもたくさんいます。
あいまい言葉の代表例が「個性」、どう理解すればいい?
わが子の「個性」、分かっているつもりでも、具体的に言葉で表そうとすると難しいものです。ママだから、「この子はこういうときはこう反応するだろう」「だから、先にこうしておいた方がいい」のような、「わが子のトリセツ」のようなものはあるものの、客観的にわが子の個性を見ることはあまりありません。
「個性」というのは、その子の様々な気質や性分が複雑に絡み合ってできているものなので、言ってしまえば、ママを迷わすあいまい言葉の代表例。このつかみどころのない「個性」も、もっと分かりやすく分解すれば、対処しやすくなります。
その“分解”に役立つ「9つの気質」というものを、ここでご紹介しましょう。そして、読み進めながら、わが子の個性診断にトライしてみてください。
トーマス博士の「9つの気質」で個性診断にトライ!
アメリカの精神科医のトーマス博士らは、人間には9タイプの気質的特徴が、幼少時の段階ですでに備わっているということを明らかにしました。その9つの側面とは、
1. 活動の活発さ
例:身体の動きがアクティブ、おとなしい、テンションが高い、など
2. 集中力の持続性
例:1つのことに没頭できる、気が逸れやすい、飽きっぽい、など
3. 粘り強さ
例:へこたれない、言い出したら聞かない、すぐあきらめる、など
4. 新しい環境への反応の仕方
例:新しいことにワクワクする、もじもじする、など
5. 規則正しさ
例:身体機能(睡眠、食事、排泄)が規則的、ルーズ、など
6. 変化に対する順応の速さ
例:環境が変わったときの順応が早い、ゆっくり、など
7. 五感の敏感さ
例:外的な刺激や内的な刺激に敏感、あまり気にしない、など
8. 喜怒哀楽の激しさ
例:よく笑う、よく泣く、感情を外に出さない、など
9. ベースの気性
例:機嫌がいい、気難しいところがある、など
これを元にした個性診断が次の表です。お子さんの様子を観察し、診断シートを完成させてみてください。
気質の特徴 | わが子の様子 |
---|---|
活動の活発さ | 穏やか・普通・アクティブ |
集中力 | 続く・普通・続かない |
プラスの粘り強さ:あきらめずに頑張る | 強い・普通・弱い |
マイナスの粘り強さ:頑固に意地を張る | 強い・普通・弱い |
積極性 | 積極的・普通・消極的 |
規則正しさ | 規則的・普通・不規則 |
順応の早さ | 早い・普通・遅い |
五感の敏感さ | 低い・普通・高い |
喜怒哀楽①(笑う、喜ぶ) | 穏やか・普通・激しい |
喜怒哀楽②(怒る、泣く) | 穏やか・普通・激しい |
ベースの気性 | ご機嫌・普通・気難しい |
これらを組み立て、
・うちの子は、おとなしめで、1つのことに集中するのが好き。新しい環境は得意ではなく、ちょっと気難し屋
・うちの子は、アクティブで新しいことにワクワクするタイプ。でも飽きっぽく、ルーズなところもある
のように、「うちの子らしさ」を客観視してみてください。このまま伸ばしていきたい特性、逆に、「ちょっと気になるなぁ」という特性が具体化されてきましたね。
その子のカラーを変えようとすると子どもは困惑する
気質に関して、親が理解しておくべきことは、「基本的には変わらない」ということです。2歳くらいになり、外遊びやお友達遊びをするようになると、つい他の子との違いが目につくようになり、
・〇〇くんはあんなに集中できるのに、うちの子はすぐに気持ちが逸れてしまう
・〇〇ちゃんは物怖じしない性格なのに、うちの子は引っ込み思案だ
などと感じやすくなります。
そして、気になる部分を「何とか変えたい!」と思って、子どもにプレッシャーをかけてしまうことがよくあるのですが、育児においては、変えられる部分と変えられない部分があります。気質は後者。消極的な性格を積極的には変えられないし、五感に敏感な子を鈍感にすることはできないのです。
しつけの権威であるマッケンジー博士も、「育児の悩みは、変えられないものを変えようとして疲労困憊、自信喪失をしているケースが非常に多い」と指摘しています。
受け手である子どもにとっても、そんなママからのプレッシャーは、自分色を否定されているように感じられます。青をいきなり赤に塗り替えられたら、困惑してしまうのも当然です。
経験値を高めることが苦手克服に役立つ
では、変えられるのは何か? それは親の対応や接し方です。基本的に、親が「困ったな」と感じる気質の部分は、場数を踏むことで、カバーできる傾向がありますので、ママはそれを踏まえて、お子さんと接していくことが望まれます。
たとえば、
「うちの子は引っ込み思案なんだ。だから、まめに公園に行って、少しずつ場慣れをさせよう」
「うちの子は自分の意思を頑固に押し通そうというところがある。だから、きちんとルールを設定して、それをしっかり守らせることで、引き際を学んでいかせよう」
根本的な性分は変わっていなくても、経験値が高まることで、「できる」ようになることは増えていきます。それを踏まえると、先の個性診断で見えてきた「ちょっと気になる部分」は、「封じ込める」のではなく、「経験値を高める」のが得策と言うことが分かります。
親は、「あの子のこの部分がこうだったらいいのに」と思うと、それを何とか変えようとしたり、押さえ込もうとしたりしてしまいますが、その部分こそ、大事に受け止めて育んでいきたい気質特性です。
「個性」と捉えると抽象的ですが、それを分解して具体化し、気質の1つ1つにフォーカスした対応をしていくことで、ママも子どもも楽になってきます。
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育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:https://megumi-sato.com/