創造性や巧緻性、お金教育にプレゼンまで!学びの幅を広げる 子ども向け料理教室「リトルシェフクッキング」とは?

創造性や巧緻性、お金教育にプレゼンまで!学びの幅を広げる 子ども向け料理教室「リトルシェフクッキング」とは?

「親も知らなかった才能が開花するクッキングスクール」というコンセプトの新感覚料理教室「リトルシェフクッキング」を手掛ける、子ども料理研究家の武田昌美さん。小学校受験にも通ずる学びのヒントや、ママが気になるお菓子や好き嫌い克服のコツについてもお話を伺いました!

武田昌美さん
リトルシェフクッキング株式会社代表取締役、子ども料理研究家。料理を通じて子どもの才能を開花させ、挑戦する勇気・失敗への前向きな姿勢を養うことを目的とする料理教室「リトルシェフクッキング」を経営。2歳から19歳まで、のべ2000人以上の子どもに料理の楽しさを教えている。https://little-chef-cooking.com/

ただの料理教室ではない!クリエイティブなビジネススクール

__リトルシェフクッキングを始めた経緯を教えてください

娘が2歳頃、絶賛イヤイヤ期でなんでもやりがたり、卵も自分で割りたいと。仕方なく渡すともちろんぐちゃぐちゃ……でもすごく楽しがっていたのが印象的でした。そこで、試しに1週間毎日させてみたら、すごく上手に卵を割れるようになって自信満々な顔になったんです。「わずか2歳でも、練習すればできるようになるし、料理はこんなにも子どもの学びになるんだ!」と思ったのがきっかけです。

__料理教室ではなく「子どもビジネススクール」を掲げる理由とは?

このスクールは、お料理を手順通りに作って食べておしまい、の一般的なお料理教室ではなく、食をツールに色々なテーマで探求し、発信できるクリエイティブなリーダーを育てたいと思っています。年中さんから参加可能な「極KIWAMI」クラスでは、月ごとに定められた探求テーマの発見学習、料理&造形、プレゼンテーションまで行います。

たとえば、メープルシロップドーナツを作る授業では、メープルシロップの原料となる楓や産地のカナダについて世界地図で調べ、砂糖とメープルシロップの甘いの違いを体験し、甘い・しょっぱい・すっぱいのグループワークまでを行います。子どもたちは、「砂糖は溶けたときに甘さが来るね」「メープルは木の味がする!コクがある!」なんて言葉も発するようになるんですよ。

レッスンでは「失敗は成功のもと」が合言葉!

__武田さんが才能の芽を感じる瞬間とは?

ご家庭で料理をすると、「こぼしちゃダメ」「その手順じゃない」などどうしても親が口出し手出しをしてしまいますよね。そこでこのスクールでは、どんなに失敗しても絶対に美味しく作れるレシピを考案し、「失敗は成功の1歩前」を合言葉にレッスンをしています。そうすると、子どもたちも好きなように作業するようになるので、混ぜるのが丁寧な子、早く工程をこなせる子、盛り付けが独創的な子、など料理の過程でその子の光る「子どもの好きの芽」が見えてくるんです。その芽を徹底的に見つけて伸ばしていくことが、家族も知らない子どもの才能を開花に繋がると考えています。

たとえば、手の感覚の使い方が優れている子は注ぐのが上手なのですが、その子は必ずしも絵が上手とは限らない。つまり、指導次第で子どもの才能はまだまだ伸ばしていけるということなんです。

親御さんにも、「ここの部分がすごい得意でした!」とお伝えすると、皆さんとても嬉しそうなお顔になるんです。親御さんにも、できないことを気にするのではなく、得意なことを伸ばすという意識になっていただけたらいいなと考えています。

__実際に参加した方はどんな反応ですか?

ある4歳の女の子は、実は考えもしっかりあるけれど、緊張してしまい、ママが一緒でないと人前に出てお話しすることができませんでした。→そんな子がスクールに参加3回目にして、一人で前に出て発表ができるようになりました!すごく嬉しかったですね。

人に認められる体験と、成功体験を繰り返すことは大きな自信に繋がります。ですから、レッスンでは「皆の好きは正しいから恥ずかしいことじゃない」「お友達の好きにはそれいいね!と絶対言おう!」と何度も伝えることで、自分の好きがどれだけ価値があるかを知ってほしいと思っています。

伝え方にもこだわっていて、「これいいんだよ、なぜならば~」と惹きつける話し方を身に着けるべく、しゃべり方、声の大きさ、手の使い方なども教えています。大人でいうPREP方式のプレゼンの基礎ですね。

お料理=女の子なんてことはありません。男の子も真剣に逃げ出すことなく、課題に取り組んでいます。

ママが気になる子どもの食事のこと

__お菓子やジュースの制限は子どもにとってすべき?

うちではお菓子もジュースもダメというものは一切設けていません。ダメといったって食べたいと言う気持ちは抑えられませんし、小学校高学年以降になると、今までと同じように親が子のお菓子の分量を律するのは、難しくなると思います。

たとえば一緒に料理をすると、「クッキーにはこんなにたくさんのお砂糖を入れるんだ」とわかりますよね。「じゃあ10枚全部食べたらすごいことになるな」と感覚で覚えていけばいいんです。

__好き嫌いを克服するコツはありますか?

これはもう、時間をかけていくしかありませんね。ただ、「なぜ好き嫌いがあるとダメなのか」も教えてあげるのは効果的だと思います。私はよく娘に「大人になって好きな人ができたら、一緒にご飯に行ったときに食べられないものばかりだったら、楽しくないでしょう?」と話しています。食べなければダメではなくて、食べられた方が楽しいよという声掛けもしてあげてください。あとは野菜の切り口でスタンプをして遊んだりして、食材に興味を持つことも大切です。

幼児教室なし、料理学習のみでお受験に合格!!

__幼児教室に通わずに、娘さんが小学校受験に合格されたそうですね

はい。私自身が小学校受験経験者なのですが、自分的にはすごく辛かったので、娘に同じ思いはさせたくないという思いがあって……。とはいえ、娘に良い環境をと考えたときに通わせたい学校に試験があったので、「私の教育に関する考えがどこまで合っているのか試してみよう」と思って、幼児教室には一切通わず挑戦してみました。

__苦労した点や工夫したことはありますか?

情報が全くなかったことはやはり苦労しましたね。小学校受験経験者として、するべきことはなんとなくは知っていましたから、娘の好き(料理)を信じて、親子で考えて取り組んできたことを、願書や面接、試験で精いっぱいお伝えしました。そこで実感したのは、学校側も受験のプロなので、もちろん最低限のルールはあると思いますが、マニュアル通りよりも「感情のある言葉」は響くということ。ただ私の場合は特殊ケースなので、他の生徒さんは、幼児教室に通いながら、リトルシェフクッキングを体験学習として補う形で受験に臨まれる方がほとんどです。

好きなことがあるって素晴らしい!それを伝えて巻き込める力に

__これからの時代を生きる子どもたちに必要な力はどうお考えですか?

SNSやスマホの普及により、これからの子どもたちは、今以上に「好きを発信すること」がより身近で当たり前の時代になるでしょう。ですから、その1歩先の「好きを社会に還元できる子」が強いと思っています。好きというツールを使って何か行動できるか、それが人の役に立てるか、さらに感謝の対価(お金を稼ぐということ)を得られるかまで考えていかないといけません。好きを共感してもらうだけではなく、人を巻き込み動かす力が求められると思っています。

__お受験を視野にいれたママたちに伝えたいこと

お子さんの「好きの芽」を徹底的に探してみてください。小さいうちは自画自賛で全然いいと思います。受験はもちろん大切な経験ですが、結果や評価に惑わされすぎないでください。長い人生を生きる上で、答えはひとつではありません。

料理を通して、たくさん失敗して、体験して、考えて発信できる子がもっともっと増えてくれることを願っていますし、「リトルシェフクッキング」でそのお手伝いが出来たらいいなと思っています。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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