知育玩具が借りられる地域密着型児童施設!フランスの「おもちゃ図書館」とは?

知育玩具が借りられる地域密着型児童施設!フランスの「おもちゃ図書館」とは?

フランスには児童館のように自由に親子で立ち寄れて、図書館のように知育玩具やボードゲームを借りられる「リュドテック(Ludothèque)」という施設があります。国中に数多くあり、フランス人の子育てになくてはならない存在になっています。今回は子ども向けおもちゃ図書館の「リュドテック」について紹介します。

■館内で自由に遊べ、さまざまなイベントも楽しめる

リュドテックは1934年に初めてロサンゼルスに設立され、その後ヨーロッパでデンマークやスウェーデンで開館。フランスでは1968年に、最初のおもちゃ図書館がブルゴーニュに造られました。

リュドテックは図書館のように市や地域、あるいはアソシエーションなどが運営していて、館内で自由に遊べ、知育玩具やボードゲームの貸し出しができる公共施設です。児童館と同じように室内には子どもの遊び場もあり、多くのイベントも開催されるので、フランスの親はとても助かっています。
何歳からでも利用でき、館内にある多くの室内大型遊具や仮装衣装、知育玩具やボードゲームなどで遊ぶことができます。おもちゃの貸出以外にも、ボードゲームのルール説明会やゲーム大会、復活祭のチョコレート卵探しやクリスマス会などを企画してくれるので、長い学校休暇中に活用できてとても便利です。
さらに保護者向けには、「知育玩具と幼児の発達」「メディアと子育て」「兄弟喧嘩の対応の仕方」といった子育てに関する専門家の講演会が定期的に開催されます。「ベビーマッサージ講座」「リトミック教室」「ボードゲーム大会」など、子どもの月齢や年齢にあわせた親子で参加できる年間プログラムも開催されるので、常にチェックが欠かせません。

■学校や地域イベントへの出張も可能

リュドテックは「おもちゃ司書」という特別な資格を取得している専門家や、知育おもちゃやボードゲームに関して専門的な訓練を受けた人たちが中心になって運営しています。そのため子どもたちは良質なおもちゃに出会え、自由に選んで遊べるのです。
そのほか、学校や地域のイベントに出張して、大型遊具やフランスの伝統的なおもちゃを設置してくれるサービスもあります。野外でも子どもたちを積極的に楽しませてくれるなど、地域で大活躍しています。
このようにリュドテックは地域や家族と親密に関わりながら、子どもの成長や育成をサポートしてくれる子育ての頼もしい味方なのです。

学校や地域イベントへの出張も可能

■専門家が選んだボードゲームなどを貸し出し

リュドテックの最大の魅力は、おもちゃの専門家が選んだ知育玩具やボードゲームを貸し出してくれることです。それにより子どもは本当に好きなおもちゃに出会うことができ、自宅におもちゃが増え続けることがなくゴミも出さずに済みます。

プログラミング思考を発達させるボードゲームも豊富にあり、購入にはなかなかまで踏み切れないこうした知育おもちゃを事前に利用体験できることはとても助かります。ボードゲームは実際に遊んでみないと自分に合うかどうかわからず、ルールも細かくて子どもだけで使いこなすのは難しい面があります。リュドテックでは借りる時に使い方を丁寧に教えてくれるので、家に帰ってから子どもだけですぐ遊べるのです。
子どもも借りているという認識があるため、おもちゃやゲームを使った後は必ずきちんと片付けています。パズルやボードゲームのコマはとても細かく数も多いので、1つでも紛失したら大変なことになってしまいます。そのため、いつもより丁重に扱っているようです。

専門家が選んだボードゲームなどを貸し出し

■まとめ

知育玩具やボードゲームは楽しいだけでなく、プログラミング思考の促進や子どもが必要な社会的スキルを身につけるのにも役立ちます。遊びを通じた経験や知識は文字を介した学習方法よりも時には効果的であり、良質な知育玩具は子どもの成長を促すために重要といえます。
ただ、こういった知育玩具は高額なものが多く家庭で購入するには限界があるうえ、選ぶことも簡単ではありません。リュドテックを利用すればこうした悩みも解決できるため、フランスの親にとっては子育てになくてはならない場所といえます。
<参照URL>
https://www.kananas.com/associationdesludothequesfrancaises/

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

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