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リニューアル・オープン!東京現代美術館で感性をはぐくもう

リニューアル・オープン!東京現代美術館で感性をはぐくもう

2019年3月29日にリニューアル・オープンを迎えた東京都現代美術館。約3年の年月を経て、新しく生まれ変わった東京都現代美術館は、子ども向けの施設も新設され、まさに大人から子どもまでが楽しめるようになりました。

今回は、リニューアル・オープンを迎えた東京都現代美術館をレポートします。

来館者のメインは30代のファミリー層、だからこそのアプローチ

東京都現代美術館は、広大な敷地の木場公園に隣接し、まるで公園の中にあるような開放的なつくりの美術館です。

東京都現代美術館広報によると、来館者は30代のファミリー層も多く、今回のリニューアルは、さまざまな人に木場公園の続きのように普段使いをしてもらえる美術館をコンセプトに行われました。

子ども向けの美術書を集めた「こどもとしょしつ」をはじめ、家族で食事を楽しめるレストランやカフェ&ラウンジを設置し、家族そろって一日中楽しめる美術館になっています。

子ども向け美術書がギュッと集まった「こどもとしょしつ」

今回のリニューアルで注目されているのが「こどもとしょしつ」です。

東京都現代美術館の特徴の一つが、美術書を集めた図書室を併設していること。実は、こちらの図書室は、美術専門の図書室としては国内でも最大規模であるだけでなく、無料で一般に公開されているのです。

今回のリニューアルでは、その特徴をさらに生かし、子ども向けの美術書を集めた「こどもとしょしつ」が新設されました。エントランスからの光が差し込む開放的な空間には、国内外の子ども向け美術書が揃っていて、落ち着いた雰囲気の中で読書を楽しむことができます。

こどもとしょしつ

アート×レストラン。季節の離乳食まで楽しめるレストランも併設

今回のリニューアルでは、アートをコンセプトに食事を楽しめるレストランと&カフェ&ラウンジがオープンしました。

「100本のスプーン」

家族のはじめてのアート体験に寄り添いたいという思いで作られたレストラン。美術館のレストランとは思えないほど広い空間は、赤ちゃん連れのご家族も安心して利用できるようベビーカーのまま店内に入ることができたり、ゆったりとしたソファ席やボックス席が用意されています。

お子様の「お母さんと同じものが食べたい!」を叶えるためフードメニューにはハーフサイズもあり、親子で食事を楽しむことができます。

また、旬の素材を使った離乳食も無料で提供。シェフがレシピを考える離乳食は、赤ちゃんへの「料理」なのだそう。毎日店内で引かれる「だし」を使った優しい離乳食です。

お出かけ先の食事は、ママにとっては気になるポイント。これならば安心して食事を楽しむことができます。

「二階のサンドイッチ」

「サンドイッチは食におけるアートと額縁の関係に似ている」というのがお店のコンセプト。契約農家から仕入れる野菜や産地直送の新鮮な食材を使い、シェフが考案した料理の一皿をパンに挟んだこだわりのサンドイッチを楽しむことができます。

また、コーヒーや紅茶、アルコールのほか、自家製フルーツコンポートを使ったオリジナルドリンクなど豊富なラインナップで、中庭や木場公園などにテイクアウトもできます。

ミュージアムショップ横の中庭スペース

現代美術を体全体で体感する

戦後美術を中心に、近代から現代まで幅広いジャンルに及ぶ約5400点の作品を収蔵している東京都現代美術館。

高い天井が印象的な展示室内では、だれもが作品の息吹を感じられる目線で作品が展示されています。また、木場公園と続く緑あふれる屋外にも現代美術を代表する国内外のアーティストの作品が展示されており、体全体で現代美術を体感することができます。

現代美術は、常に変化し、様々な価値観や概念を持ち、多様性に満ち溢れてます。幼い頃から現代美術に触れ、様々な表現方法を体感することは、感性を養う良い機会となることでしょう。

宮島達男
1998年
「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」(部分)

名和晃平
2008-2009年
「PixCell-Deer#17」

美術鑑賞で子どもの感性を養うポイント!

美術を楽しむうえで大切なことは、さまざまな作品を見て触れて自由に感じることです。

大人になるとついつい知識を優先させる傾向になりがちです。例えるならば、旅行に行く前にガイドブックからたくさんの知識を得て、実際に旅行先では観光スポットめぐりと記念撮影ばかりして、帰ってきてしまうようなことです。

せっかく作品を鑑賞するのですから、そこで得たインスピレーションを大切にしましょう。インスピレーションはそのままにせずに、アウトプットすることが大切です。例えば、感想を共有しあったり、インスピレーションから自由に造形作品(工作)を作ってみたり、画用紙に自由にお絵かきをしたりしてみましょう。

また、お子さんに質問をしてみるものよいでしょう。「今日見た絵の中で何がおもしろかった?」「どこがおもしろかった?」「じゃあ、○○ちゃんならどうやってお絵かきするかな?」など質問をしていくとスムーズに楽しくアウトプットを進めていくことができます。

このようにアウトプットすることは、さらに感性を養い、磨くことにつながります。

また、海外では幼児期の美術教育では「造形」に力を入れる国も多く、様々なジャンルの造形作品を多く展示している東京都現代美術館は、造形芸術へのファーストアプローチとしても有効活用できる場所です。

東京都現代美術館には、宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」など子どもの心にもダイレクトに響く作品が数多く展示されています。

公園に行くような感覚で、家族で作品を鑑賞し、感想を話し合ったりすることで、美術鑑賞を特別なものとせず、日常の一部として楽しめるようになるでしょう。

リニューアル・オープンしたばかりの東京都現代美術館では、関連イベントも開催されています。大型連休にもおすすめのスポットですので、ぜひ家族で美術館を楽しんではいかがでしょうか?

東京都現代美術館

著者プロフィール

クリエイティブディレクター。GUCCI、CHANELの日本法人勤務を経て独立。現在は、ファッション、ビューティー、子育てなどライフスタイルのコラム執筆、国内外ブランドPRコンサルタントを始め、メディアや企業スタイリスト、企業セミナー講師、PRモデルなどを行う。プライベートでは、ブラジル人の夫とインターナショナルスクールに通う娘の3人暮らし。主な取得資格として、学芸員資格、中学2種美術教育免許状などがある。https://www.karenstyle.jp

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