仕事に勉強に、集中できないのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」米田まりなさんにインタビュー!
リモートワークにリビング学習で、食事をしようと思うとダイニングが荒れ放題……。そんなお悩みを解消すべく、東大卒の収納コンサルタント、米田まりなさんにお話を伺いました。
「無理に捨てなくていい」「子どもを収納の先生にしてしまおう」など、目からうろこのアドバイスは必見です!
脚本家の祖父・研究者の父の影響を受け、モノ に囲まれた幼少期を過ごす。東京大学経済学部卒業 後、Eコマース領域の事業投資を担当。18年 より株式会社サマリーに出向、収納サービス「サマリーポケット」 の運営に従事。現在は大手不動産デベロッパーで働く傍ら、 プライベートで整理収納アドバイザー(1級)の資格を活かし、副 業としてイベントや雑誌監修、記事執筆など多方面で活躍中。著書に『集中できない のは、部屋のせい。』(PHP研究所)などがある。X(@komedamarina)、note(@m_komeda)、voicy(@komedamarina)
目次
米田流、リビング&学習机で集中力を高めるポイント
__小学生の頃から在宅での集中力で成果をあげてこられた米田さん。幼少期の家庭学習はどのようなスタイルだったのでしょうか?
「東大生の8割がリビング学習」という報告もありますが、私もリビング学習と机での学習を併用していました。それぞれのポイントをお伝えします。
■学習机での集中力を高めるポイント
・デスクの上、理想は「モノがゼロ!」
・しっかり足がつき、高さを調節できる椅子を
・足元のキャビネットは不要
・デスクライトやカレンダー、時計などは机の面積を奪う要因
私は小5の引っ越しを機に、カフェにあるような広くて大きな机にしてもらい、それを大学受験まで使っていました。その際、キャビネットを別の場所に移して足元を広くしたのも、長時間の集中力につながっていると感じます。学習机にキャビネットはマストと思われるかもしれませんが、かがむのもしんどいし、案外活用されにくいもの。たとえばベッドサイドに置いて、テーブルや小物入れ代わりに使うのもいいと思います。
もうひとつ、子どもの成長によって合う机と椅子の高さは変わってきます。1cm変えるだけでも座れる時間が変わると言われています。ですから、椅子はしっかりと両足がつき、高さを上下できるものを選びましょう。また、今は学習にPCやタブレットが必要なことも多いので、スペースが狭いと、それだけで勉強する気力を奪ってしまいます。机の面積をとにかく広くすること。机の上はゼロが理想です!
■リビング学習の注意点
リビング学習のポイントは「動線」です。最近はテレワークの親御さんも増えたので、通常の食事に加えてダイニングテーブルが仕事の書類、郵便物、などでカオスになりがちです。そんなダイニングで勉強をやる気にさせるためには、「食事が終わったらテーブルの上をゼロ」にすること! 家族全員のフリースペースと考えます。そのためには、
・ダイニングテーブルの近くに棚を置く(家族1人1段)
・食器棚に書類やノートを入れるのもあり
・リビングでやる勉強は漢字やドリルなど細切れでもできるものが◎
・リビング内にランドセル置き場や勉強道具置き場を作って、学習のハードルを下げる
などがあります。
私は集中力という意味では、勉強できる場所は多い方がいいと思っています(場所が変わると気分が変わって集中しやすい)。ダイニングや自室以外に、ソファーやお風呂の中や車の中でもOKです。ただし、子どもは視界に入るものから手をつけてしまうので、ゲームやテレビなど学習の邪魔になるものをできるだけ視界に入れないのがポイント。ゲームを箱にしまう、テレビをプロジェクターにするなど、あえてすぐ使えない状況を作ってしまうのも手です。その代わりに図鑑や本を目に入る場所に置いていきましょう。
学用品は定位置と仮置き場で誰でも戻せる収納を
__部屋が散らかる原因は子どもの学用品だったりしますが、どのように整理収納すればいいでしょうか?
人間は出し戻しが楽だと収納できますし、勉強や仕事にも切り替えしやすくなります。ですから、お子さんのお習字セットや絵具セットなども定位置を決めるのが理想です。床に置いたり壁にかけるとかえって散らかる原因になります。おすすめは、空の3段ボックスや箪笥の上に仮置き場を作って、そこから定位置に戻すこと。枝状のラックも便利なようでカオスになりがちです。玄関で上着や帽子、カバンをかけたとしても、あくまで定位置に置くまでの“ちょいおき場”として使うようにしましょう。
無理な断捨離不要! 米田式片づけ4つのメソッド
__とにかく片づけが苦手! と言う人におすすめの方法はありますか?
私は幼少期から祖父母や父が本好きで、よい影響を受けました。それもあって、とにかく捨てればいい、という考えではありません。片づけは筋トレと同じ。性格ではなくスキルです。無理に捨てる必要はないので、
① 今あるものを全部出す
② 頻度別に分ける
③ 定位置を決める
④ 使ったら戻す
この整理と収納が整っていれば、普段の整頓は5分でできるのです。
まずは、財布やポーチの中身から①~④のタスクを実践して、片づけできた!という達成感を味わってみましょう。
■mailサーバーの整理のコツ
基本的には財布の時と同じですが、データ類で意識したいのが「アーカイブ」の使い方です。
今は用済みのデータはアーカイブフォルダに入れておけば、データは復元できます。
メールも、フォルダのカテゴリーを分けすぎるとかえって探せないことがあります。意識したいのは“次のアクション”です。「いつか探す」「今日中に返信」「1週間以内に返信」「アーカイブ」の種類に分けて整理していきましょう。
部屋は「書類」「衣類」「冷蔵庫」の整理で見違える!
__部屋の片づけを「何をどこからやるといいか」ポイントを教えてください。
私がおすすめしたいのが、書類、衣類、冷蔵庫のドアの整理です。
■書類整理のコツ!
ここでも、
① 今あるものを全部出す(不要なものは捨てる)
② 頻度別に分ける
③ 定位置を決める
④ 使ったら戻す
です。
期限切れの書類は捨てる、保証書だけ必要であればそこだけ切り取る。ネット上に取り扱い方法がある場合は、その書類も捨ててOKです。テキスト類はスキャン代行サービス「スキャンピー」もおすすめです。
■衣類の整理収納のコツ!
収納の基本は「余白」です。とはいえ、収納が少ないマンションなどは「衣替えや季節外のフトンが押し入れに鎮座していて、余白がない」ということもあるはずです。そんなときにおすすめしたいのが、使わない洋服や季節のモノを一時的に預ける「サマリーポケット(https://pocket.sumally.com)」です。段ボール1箱330円~で押入れを買い足すイメージです。中のものは写真を撮って送れば、指定したものをクリーニングして返送してくれたりします。私は今読まない本や愛着があるものたちを「数百円の家賃」と考えて活用しています。他にも、クリスマスツリーやキャンプグッズ、浮き輪などの季節品を預けるのもおすすめです。大物だとスーツケース(800円)やゴルフバッグ(900円)なども預けられます。
■冷蔵庫製収納のコツ
冷蔵庫のドアが手紙だらけのタスクボードになっていませんか? 一見便利なようですが、たとえば来月の遠足のお知らせを、冷蔵庫を開け閉めする度に1日に何回も目にする必要はないですよね?やはりスキャンしてデータ化しておくことです。
忘れそうな場合には、LINEの「リマインくん(https://reminekun.com)」がおすすめです!
① 自分用なら「忘備録」などのグループラインを、家族でシェアしたいなら家族のグループラインに「リマインくん」を招待し友達追加します。
② 忘れたくない情報は、「リマインくん、明日の朝8時に学校に電話することを教えて!
とLINEすれば、翌日その時間になったらリマインくんからLINEが届きます。
テレワーク中に家事や子どものto doを思い出したらそこに書いておけばいいし、写真のアルバムに給食の献立や学校行事の予定表を入れておけば、買い物の時短にもなります。
グループ全員に通知が行くので、「リマインくん、19時に、パパに牛乳買って来てと伝えて」と送れば、パパに通知が行くのです。
「完璧コース」と「直前コース」、大掃除は家族を上手に巻き込もう!
■完璧コース
家じゅう完ぺきにするなら片づけは20時間かかると言われています。一見膨大に感じますが、土日に1時間1ヵ所ずつ×20回です。ここでも「出す、わける、定位置を決める」を基本にやっていきましょう。
■直前コース
あまり時間がない場合は、洗面所や学習机など、生活する上で目につく場所(困る場所)からやっていきましょう。その場合、家族に「片づけて!」だとどうやっていいかわからないのでNG。理想は、家族が行事として同じ時間に片づけることです。「パパは靴箱」「○○ちゃんは机の何段目」「ママは食器棚」など、1人1ヵ所分担するのがおすすめです。
「全部出して、頻度でわける、どこにおく?」を一緒に行って、わかってきたら各自で。
高学年くらいになれば、お子さんでも1人でできるようになります。片づけを一緒に見てあげることで、お子さんが今何を大切に思っているかが気づけることもあります。おもちゃや本、机の中など、半年に1回はモノの定期健診だと思って親子の対話の時間としてやってみてください。
__「モノについてもめた夫婦は7割!」だそうですが、第三者にお願いする際のポイントはありますか?
もちろん、アドバイザーとして片づけのプロに頼んでみるのも賛成です。ですが、定価は1万~2万円。そこで私がおすすめするのが、わが子をアドバイザーにして、片づけをアクティビティにしてしまう作戦です。夫婦間だと「なんで捨てないの?」と喧嘩になりがちですが、お子さん(小学校高学年なら完璧にできるはず)の言うことだとすんなり聞けるのもの。お子さんに「いつ使いますか?なぜ持っていますか?」を10秒以内に判断してもらうだけ。その後、よく使うものだけを戻せばOK。お子さんも先生役なら気分がいいので乗ってくれることが多いです。終わったらお子さんにちょっとしたご褒美をあげてくださいね。1回4ヵ所と決めて、この作業を週末に5回行えば、20時間分確保できることになります。
__最後に読者の方にメッセージを!
10月9日に『片付けてるのに片付かないので、東大卒の整理収納アドバイザーに頼んだら部屋が激変した』(大和書房)というコミックエッセイが発売になります。洗面所からはじまり主人公と一緒にリバウンドのない空間が作れるロールプレイング型のエッセイです。週末に1回、家族行事として取り組めば年末までに間に合うはず! 2024年はちょっと直すだけでコスパが楽になる整理収納を目指しましょう。
__SHINGA FARM読者にサマリーポケットから期間限定のお得なクーポンがもらえる!
はじめてのご利用で、保管料5ヶ月無料(1,650ポイント)がもらえるおトクなクーポン! クーポンコード:SHINGA23
有効期限:2024年12月31日まで
公式サイト:https://pocket.sumally.com/
※ボックス保管料最大5ヶ月について:エコノミープランのレギュラーボックスを1箱預けた場合の想定となります。(月額保管料330円(税込) × 1箱 × 5ヶ月保管=1,650円)
忙しいママに朗報! プロが伝授する、今どき整理収納の時短テクニック