幼少期が肝心!オランダ流4歳からはじめるゲームで遊ぶときのルールとは?
オランダでは何事も、すべて禁止というのではなく「自由と責任」を一緒に教えます。売春や大麻も合法化されていて、その危険性も学んだうえで個人が選択できるようになっています。
オランダでは4歳の誕生日を迎えた子からその子のタイミングで小学校に入学しますが、ゲームやアプリも1年生から「当たり前」のものとして教室に置かれ、子どもが遊ぶ玩具の1つとなっています。ここでは、ゲームやアプリを上手に使うためのオランダ流ルールを紹介します。
教室ではタブレットで学ぶのが当たり前
目次
どの教室にもタブレットやデジタルボードが置かれ授業にも活用
一般的に日本の学校などは、「ゲームはよくないもの」として排除しがちです。排除し過ぎた結果、余計にゲームにハマってしまったり、中毒になってしまったりということはないでしょうか。
幼少期から、数々の玩具の一つとして、そして便利で魅力的なものの危険性もある道具の一つとして、きちんと付き合い方を教えていけばそういった心配はありません。
オランダの小学校には、4歳から12歳(1年生から8年生)までの子が通っています。オランダの学校も、日本と同じで6歳から読み書き計算が始まります。4~5歳クラスでは、遊びを通して文字や数字に触れたり、社会性を育んだりします。
室内遊びは、自分の名前が書かれたマグネットをやりたい遊びに貼る、「選択遊び」の形式です。
その遊びのなかに、タブレットやデジタルボードがあります。タブレットはどの教室にも2~3台しかないのですが、ケンカになることはありません。順番を守って使っていますし、使うチャンスは毎日あるからです。
デジタルボードは各教室に1台ずつあり、どの教室もこれを使って授業をしています。タブレットにもデジタルボードにもたくさんのゲームが入っていて、パズルや文字遊びが人気です。
文字遊びは、アルファベットを上手になぞると花が咲いたり、花火が打ち上がったりするもので、遊んでいるうちに自然とアルファベットを覚えることができます。
そのほかにも教室内での砂遊びや、本格的なおままごとセット、大小さまざまなブロックなど、魅力的な遊びがたくさんあります。
デジタルボードやタブレットのゲームは1人でやるものが多いですが、ほかの遊びは友だちと一緒にできますし、でき上がったものを先生がほめてくれたり、皆に紹介してくれたりします。友だちや先生など、人との触れ合いの方が楽しいと感じられる環境です。
図書館の開放的なスペースでスタッフとともにゲーム体感
6歳になり本格的な読み書きや計算の学習が始まると、学習でタブレットを使う機会が多くなります。
教科書会社が作成したアプリで国語・算数・理科・社会などの問題を解き、どの教科でも正解するとポイントが貯まる仕組みのものが人気なようです。たとえば、日本のクイズ番組にもよくある国名や歴史の年号を答える3択クイズもあり、こういった学習ゲームをしながら知識を身に付けていきます。
オランダには学習以外のゲームもたくさんありますが、驚くのは図書館に多くのゲームがあることです。貸出用のいわゆるテレビゲームもありますし、からだを使って遊ぶ体感型のコンピューターゲームもあります。
図書館のパソコンにもたくさんゲームが入っていて、「ゲームをしに来てね!」というチラシまで置いてあります。
家にこもって1人でスマホゲームをするよりは、図書館のように開放的な場所でゲームをした方がよいという配慮なのではないかと思います。図書館では10代の若いスタッフが子どもたちゲームを教えてくれていて、人との触れあいや会話も楽しめます。
図書館ではスタッフゲームを教えてくれる
親子一緒にくつろぐ時間を大事にするのがオランダ流
「テレビやゲームはなるべくやらせたくない」と言う母親ももちろんいますが、そのぶん、親が水遊びや公園遊びなどを一緒に楽しんだりしています。
日本と違ってオランダは夕食の準備に30分程度しか時間をかけないこともあり、夕飯直前でも子どもが食べたければ一緒におやつを食べたりもしています。このように親子が一緒にくつろぐことができれば、子どもがスマホゲームなどに熱中する時間を減らせるのかもしれません。
家庭でも、もしカードゲームやボードゲームなどをやろうとお子さんが誘ってきたら、夕飯を一品減らしてでも一緒にゲームをする時間を作ることが大切ではないかと思います。
家庭では親子でのカードゲームなどがおすすめ
まとめ
ただ禁止するのではなく、学校でも図書館でも家庭でも、あえてゲームができる環境を整えているオランダのルールがおわかりいただけたでしょうか。
幼少期から「自分のことは自分で決める」という考え方を徹底させていて、大人も世論や流行に流されることなく自信をもって子育てができると思います。
まずは自分の子育てに自信を持ち、家庭のルールを徹底しつつ、親子一緒にカードゲームなどで遊んでみることが第一歩かもしれませんね。
世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。