公開 / 更新
子育て

タピオカ粉を使い、ブラジルで人気の軽食「ポン・デ・ケージョ」を作ってみよう!

タピオカ粉を使い、ブラジルで人気の軽食「ポン・デ・ケージョ」を作ってみよう!

昨年、日本では台湾発祥のスイーツ「タピオカドリンク」が一大ブームを巻き起こしました。今年はコロナ禍の自粛生活中に自宅で手作りタピオカドリンクを試したという方も増え、日本でも輸入食品店や通販でタピオカ粉が入手しやすくなりました。

ブラジルにはタピオカドリンクとはまた違う、タピオカ粉を使ったさまざまなスイーツや軽食があります。今回はその1つであるブラジルで人気のポン・デ・ケージョのレシピをはじめ、タピオカ粉が素材の軽食を紹介します。

モチモチした食感のタピオカ粉は熱帯地域で育つ芋が原料

タピオカドリンクに入っている黒いモチモチとした粒はタピオカ粉と黒砂糖でできています。タピオカ粉は熱帯地域に育つキャッサバ芋の沈殿粉で、あのモチモチとした食感はタピオカ粉が持つ特徴です。

キャッサバ芋は実はブラジルが原産であり、キャッサバ芋の根茎から抽出した澱粉がタピオカ粉です。

ティピ(tipi’)は「残りもの」、オカ(oka)は「絞りだす」を意味する先住民の言葉に由来しています。

タピオカ粉はうどんの弾力を出すのに用いられたり、片栗粉の代用品として和菓子にも使われたりと、タピオカドリンクだけではない多くの活用法があります。ブラジルでもタピオカ粉の人気は高く、パンやスナック、スイーツなどによく使われているのです。

ブラジル発祥のポン・デ・ケージョは軽食の定番で作り方も簡単

ポン・デ・ケージョ(pão de queijo)はチーズパンという意味です。日本語の「パン」はポルトガル語由来の外来語で、deは「の」、 queijoは「チーズ」を指しています。日本の有名ドーナツ店で人気があるドーナツ商品のモチモチ食感も、このポン・デ・ケージョからヒントを得たといわれています。

ポン・デ・ケージョは、酪農が盛んなブラジルのミナス・ジェライス州を発祥の地とする軽食です。小麦粉がまだ高価だった18世紀に、ある農家が大量に余ったタピオカ粉を代用してパンを作り始めたことから生まれました。

現在はブラジル全土のパン屋や軽食店など、どこでも朝食やおやつとして売られています。ホテルの朝食でも必ず出され、子どもから大人まで愛されている人気の軽食です。

スーパーでは牛乳と卵を加えるだけのポン・デ・ケージョの素や冷凍タイプなど、オーブンで焼くだけで食べられるものも売られていますが、家庭でも一から簡単に作ることができます。発酵の必要もなくいたって簡単な調理方法のため、材料を測ったり、混ぜたり、丸める作業をお子さんと一緒に楽しむだけで完成させることができます。

ポン・デ・ケージョの材料と作り方(ピンポン玉くらいの大きさ27個分)

(材料)
・水100ml・牛乳100ml・サラダ油1/4カップ+手で丸めるとき用の量
・塩 小さじ1・タピオカ粉250g・パルメザン粉チーズ50g・卵1個

(作り方)
1. 鍋に水、牛乳、サラダ油、塩を入れてかき混ぜ、火をつけます。
2. 沸騰したら火を切り、少しずつタピオカ粉を加え、ヘラで大きなダマがなくなるまで混ぜ合わせます。はじめは大きなダマが出来ますが、混ぜるうちに小さくなっていきます。多少ダマが残っていてもOKです。
3. 生地をバットに移し、粗熱をとります。
4. ボールに卵とパルメザンチーズを混ぜ、粗熱の取れた3の生地に混ぜてこねます。このときにダマはほとんどなくなり、滑らかな生地となります。
5. オーブンを180℃で予熱しておきます。
6. サラダ油を手に塗り、4でできた生地をピンポン玉くらいの大きさに丸めて、クッキングシートかアルミホイルを敷いた天板の上に並べます。
7. オーブンで45分ほど加熱します。表面が部分的にきつね色になったらできあがりです。完全にきつね色まで焦がしてしまうと、固くなってしまうので、部分的にうっすらきつね色になるくらいまでが目安です。裏面がきつね色になっていたらOKです。

ブラジルのキャッサバ芋やタピオカ粉を使ったそのほかの軽食

キャッサバ芋フライ

タピオカ粉の原料であるキャッサバ芋フライも、フライドポテトと並ぶ人気の軽食の1つです。キャッサバ芋を切り、箸が通る程度まで鍋でゆでた後、きつね色になるまで油で揚げます。食べる前に塩を振ればできあがり。外はカリカリしていて、さつまいもとじゃがいもの中間のような風味です。

下の写真手前にある粉状の食べ物はファロッファと呼ばれていて、キャッサバ芋を原料としたマンジョッカ粉です。ご飯や、肉や魚につけて食べる、ブラジルでは定番の付け合わせです。

タピオカビスケット

昔からあるブラジルのスナック菓子で、サクサクの軽い食感です。タピオカ粉はアレルギーが出にくいので、日本でいう“赤ちゃんせんべい”として赤ちゃんから食べてもよいおやつとして知られています。

タピオカクレープ

溶いたタピオカ粉をフライパンに入れ、片面ずつ1~2分焼くというとてもシンプルなスイーツ。ブラジルでは、ポン・デ・ケージョ作りのときに使うタピオカ粉とは種類の違う粗引きタイプの粉で作ります。作るのが簡単なのでパンの代わりとして朝食に食べる人も多く、街角の屋台でも売られています。

クレープは練乳やジャムを塗ればスイーツとして、ハム、野菜、チーズ、ツナなど好みのものをはさめばスナックとしても楽しめます。タピオカクレープはグルテンフリーや低カロリーで、腹持ちもよく、ダイエットや健康に気を遣う人に人気です。

サグー

パール状の乾燥タピオカで、白くて粒の小さいものがブラジルでは主流です。これを鍋でゆでた後、ぶどうやいちごジュース、砂糖と煮た赤ワインと一緒にスプーンで食べます。こちらもレストランや家庭でよく作られるスイーツです。

台湾で人気がある黒い粒のタピオカドリンク店がブラジルに進出したのはつい数年前のことで、誰もが知るタピオカスイーツといえば、こちらではタピオカクレープやサグーになります。キャッサバ芋、ファロッファ、タピオカビスケット、タピオカ粉やサグーはどこのスーパーにも売られており、手軽に利用できる身近な食材です。日本にあるブラジルスーパーでも売られています。

まとめ

親子時間を活用し、ブラジル産の素材や歴史などについても話し合いながら、ポン・デ・ケージョ作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。溶けるチーズやカリカリに焦がしたベーコンビッツを、生地に混ぜ合わせるといったアレンジもできます。ポン・デ・ケージョ向けの組み合わせを、お子さんと一緒にいろいろと考えるのもよいかもしれません。

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • ホーム
  • 子育てのコト
  • タピオカ粉を使い、ブラジルで人気の軽食「ポン・デ・ケージョ」を作ってみよう! - SHINGA FARM

関連記事

新着記事