3歳、4歳、5歳年齢別でプロがアドバイス!幼稚園・小学校受験の合格の秘策は家でのお手伝いの“質”にあり!
幼稚園や小学校の受験で問われることの多くは、日々の生活の中で年齢に応じた“身につけておくべきこと”がきちんとできているかどうか。実際、名門校に合格された多くの子どもたちが、家庭でのお手伝いを積極的に行っています。
そこで今回は、幼児教育歴35年の伸芽会教育研究所の桑名先生に、年齢別でお手伝いの質を向上するコツをお聞きしました。お受験をする、しないに関わらず子どもを伸ばすヒントが満載です。
目次
子どもがお手伝いで鍛えられる能力とは?
子どもが、家庭でのお手伝いで学べることはたくさんあります。まず細かい作業や道具を使うことで、手先が器用になります。さらに、頼まれたお手伝いを言われたようにすることで、集中力もアップし、受験でいう指示行動(指示通りに課題を行う試験)にも効果があります。
また、何より大人に認められる喜びや達成感を味わうことで、やる気を増し、自己肯定感が強くなるでしょう。
特に、最近の子どもたちは、紐を結んだり、雑巾を絞ったり、ほうきで掃くといった昔ながらのお手伝いをする機会が減っています。実際そうした課題が試験で出ると、やったことがなく困ってしまう子も多いようです。
子どもにお手伝いをさせる際には、作業効率を考えたり、便利な道具に頼りすぎずに、あえて昔ながらの手法で取り組んでみることも学びの上ではとても大事だと思います。
3歳は“自分でできる!”を増やす時期
3歳になったらまず、身の回りのことが自分でできるように練習しましょう。自分で脱ぎ着する、洋服をたたむ、洗濯かごに入れる、などは時間がかかってもできるはずです。
また、おままごと感覚でできるお料理のお手伝いもいいでしょう。枝豆をちぎったり玉ねぎの皮をむいたり、ボールで食材を混ぜたりするのは大好きなはずです。掃除に関しては、雑巾がけをしたり、窓を拭いたり、ほうきで掃いたり、洗濯バサミをつまむこともできるでしょう。
お裁縫のまねごとで太い紐をビーズに通したり、お箸で丸めたティッシュペーパーをつまむといったことも遊びながらしておくと手先が器用になってきます。3歳はできることを増やして、褒め、やる気が高まる工夫をしてあげる時期と考えましょう。
4歳はお手伝いに “気づき”をプラスして
4歳になるとハサミなどの道具を上手に使えるようになってきます。今は子ども用の包丁もありますから、それらを使って野菜をカットしたり、大人と一緒に炒めるなど簡単な調理もできるでしょう。
その際、「同じ野菜でも切り方で形が変わるね」、「玉ねぎは切ると涙が出るね」「ジャガイモは沈むのにトマトは浮くよ」といった体験を通した気づきを大事にしてあげると学びがぐっと深まります。
また、料理の手順も理解できてくる頃。切って、炒めて、盛りつけるといった段取りを知ることは、勉強をする上でも物事の先を読む力や考える力が身につきます。「次は何をするんだっけ?」など流れを理解しながら一緒に料理をするのもいいでしょう。
掃除に関しては、雑巾をしぼる、ひねるといった動作を身につけてほしいですね。たとえば、カーテンを束ねるものをタッセルではなく紐やリボンにし、毎朝結ぶお手伝いを日課にするというのもひとつの方法だと思います。
5歳は道具を巧みに使い“仲間”を見分ける訓練を
5歳はさらに道具が自在に操れ、使い分けも理解できてくる頃。また、ものを比較して似ているところ(類似点)、違うところ(差異点)や同じ仲間を見分ける力をつけていく時期です。
たとえば、「このカレーはどの道具を使ってどのお皿に盛りつけたらいいかな」「お箸じゃなくて何が必要かな?」といった道具をセットすることもできますし、「このお料理を人数分お皿に取り分けてね」とお願いすることで数量の感覚も見につきます。
また、配膳もきちんとできてくる頃。料理をお皿に取り分け、飲み物をコップに注ぎ、トレイにのせて運ぶことでバランス感覚も養えますし、小学校に入ってから給食で配膳をするところも多いので、年長さんになったら少しずつ練習をしておくといいでしょう。
掃除に関しては、雑巾を固く絞れたり、蝶結びがきちんとできるといいですね。エプロンを結ぶ後ろ手で背中で結ぶ、靴紐を結ぶなど、何かを結ぶ機会を日々の生活の中で積極的に取り入れてあげましょう。
お手伝いは毎日続けなければ意味がない!
お手伝いは一度できたらOKではありません。「新聞を取る」など何でもいいので、まずは毎日できる役割を子どもに与えましょう。世の中には決まりがあり、決めたことは守るというルールを身につけることはとても大事なこと。
特に飽きっぽい男の子などは、お手伝いを毎日させるのが難しいという声も聞きます。そんなときは、「今日から4歳だね、じゃあ新しい係をお願いしようかな!」など誕生日をきっかけにするのも効果的です。
あとは無理のないお約束にし、できたらシールを貼る、点数制にするなど、ゲーム感覚でしていくのもいいでしょう。続けるためには“お手伝いを見える化”することは男女問わずとても効果があると思います。
いかがでしたか? 家庭という子どもにとっての小さな社会の中で役割やルールなど教えられることはたくさんあるんだなと改めて気づかされました。年齢に応じたできることから実践してみてください。