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子育て

ワークシート付き!「もう同じ失敗をしない! 」実現できる育児目標を立てるコツ

ワークシート付き!「もう同じ失敗をしない! 」実現できる育児目標を立てるコツ

新たな年がスタートし、今年の育児目標を掲げた方もいるのではないでしょうか? 中には、目標を立てたのはいいけれど、継続するのがなかなか難しい……そう感じている方もいるかもしれません。そこで今回は、せっかく掲げた目標を、今年中に達成するための秘訣を、心理学を使って解説していきます。

今年もまた同じ!? 反省と目標のよくある関係

私たちは、何かが終わると「反省」をし、何かが始まる前に「目標」を立てます。育児においても同様で、昨年末、「あれもやっちゃった」「これもやっちゃった」と猛省し、年が明けた今、「今年こそ、〇〇しないぞ」と決意している方もいるでしょう。

意外と多いのが、「毎年、同じ反省をし、同じ目標を立てている」というパターン。「あ、私のことだ」と感じた方もいるかもしれません。でもあなただけではありません。実はこのパターン、とっても多いのです!

たとえば、

前年の反省点:ガミガミと怒鳴り過ぎた

  ↓

だから今年の目標は、「感情的に叱らない」

  ↓

でも結局、今年もガミガミと怒鳴ってしまった……、来年こそは!
ですとか、

前年の反省点:子どもの前で笑顔でいられなかった

  ↓

だから今年の目標は、「今年こそ、やさしいママになる」

  ↓

でも結局、今年もムスッとした顔で過ごしてしまった……、来年こそは!

このような繰り返しは、年を経るたびに、猛省→自己嫌悪→あきらめへと展開しやすいので、さじを投げてしまう前に、修正が必要です。達成できないのは、自分にその力がないからではありません。ただ、実現しやすい形に落とし込めていないだけです。

目標を立てただけで終わってしまう2つの原因

せっかく決意した育児目標が、達成できずに終わってしまう主な理由は次の2つです。

1.「今年こそ、〇〇しない」など、否定形で目標化されている

2.具体的な行動に落とし込めていない

この2つを詳しく見ていきましょう。

1.否定形で目標化されているケース

先ほどの例の1つめ。去年、ガミガミと怒鳴り過ぎたので、今年の目標を「感情的に叱らない」としています。でも、このままでは行き詰ってしまいます。なぜなら、感情的に叱らない代わりに、どうすべきかが明言されていないからです。

そこで、「〇〇しない」という否定形を、「〇〇する」と肯定形に変換します。「感情的に叱らない」を、「言葉を選んで叱る」のように肯定形を使って置き換えるのです。そうすることで、やるべき方向性が見えてきます。これは、ママ自身の目標作りのときだけでなく、子どもたちの行動を改善したいときにもあてはまるのですが、行動を変えるには、「置き換え行動」が必要です。置き換え行動とは、自分がやめたい行動、子どもにやめてほしい行動の“代わりにする行動”のことです。

そのまま行動に移せるものであればOKですが、一般的に年始に決める目標はハードルが高い傾向があります。この例もそうです。感情的に叱りそうになっている自分を、1秒でクールダウンし、子どもを傷つけない言葉で叱るのは、今の段階では無理があります。そこで、何とか実践できそうな、「言葉をグッと飲み込み3回深呼吸」「とりあえずキッチンに下がる」のような行動を初期目標とします。「言葉を選んで叱る」をターゲットに置きつつも、まずは、今の自分が実現可能な置き換え行動からスタートすること、これで前に進みやすくなります。

2.具体的な行動に落とし込めていないケース

先ほどの例の2つめ。「今年こそやさしいママになる」という目標は、否定形ではない分、方向性は見えるのですが、具体性がありません。子どもの行動改善でも、「もっとやさしくなってほしい」「もっと自主性を持ってほしい」のような質的な要素をわが子に期待する場合は、

「友達におもちゃを貸す(=やさしい行動)」

「自分からあいさつをする(=自主的な行動)」

と、具体的な行動に落とし込み、それができたときにほめ、徐々に伸ばしていくことが目標達成のコツとされています。

ここでいうなら、「やさしいママが取る行動は何か?」を自分なりに具体化し、

「呼ばれたときは、『〇〇ちゃん、な~に?』と穏やかに返答する」

「ひざに乗せて、絵本を1日3冊読み聞かせする」

「お風呂で一緒に歌を歌う」

などの行動に落とし込みます。そして、その行動を取るように自ら意識し、「やさしいママ」を実現していきます。

どちらにも共通するのは、ちょっとがんばればできそうな行動だということです。その“ちょっと”を積み重ねることが、年末の大きな達成感へとつながるのです。

ワークシートで今年の目標を作ってみよう!

実現しやすい目標を設定するコツは、

● 「〇〇をしない」ではなく、「〇〇をする」という肯定形にすること

● 具体的で、実現可能な行動に落とし込むこと

これを踏まえて、実際に今年の目標を作りこんでいきましょう。

ステップ1:去年の育児の反省点ややり残したことは何ですか?
                                     

ステップ2:1の反省点を、今年はどう変えていきたいですか?
                                     
                                     

ステップ3:2を実現するために、具体的に、どんな行動を取りたいですか? 5つリストアップしてください

・_________________
・_________________
・_________________
・_________________
・_________________

*チェックリスト
3でリストアップした行動は、
□ 2を反映した行動になっていますか?
□ がんばれば、実現可能な行動ですか?
□ 毎日、取り入れることが可能なシンプルなものですか?

今日から取り入れていきたいのは、ステップ3です。まずは、ここに書いた5つを日々意識して取り入れるようにします。そして、完全にマスターしたら、少しだけ高いレベルの行動を5つプラスしましょう。こうやって、少しずつレベルを高め、理想形に近づけていきます。一気に365段の階段を上ることはムリでも、1日1段なら何とかなります。気づいたときには、ステップ2の「今年の目標」に大きく近づいているはずです。

なお、このワークシートは、ママ自身の目標作りのときだけでなく、お子さんの気になる行動を改善するときにもあてはめることができます。ぜひご活用ください。

著者プロフィール
佐藤 めぐみ

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:https://megumi-sato.com/

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