Twitterで話題の育児漫画が本に!『「どんなときでも味方だよ」って伝えたい!』 著者、さざなみさんにインタビュー
会社を辞めて専業主婦になり、趣味の漫画をTwitterに投稿し始めてわずか1年で、フォロワー5万4,000人の人気育児漫画家に。そんな、さざなみさんの漫画が1冊の本『「どんなときでも味方だよ」って伝えたい! 親子のコミュニケーション、試行錯誤中!』(KADOKAWA)になりました。
そこで、著者で2児のママであるさざなみさんに、子育ての悩みや夫婦で心掛けていること、SNSとの付き合い方などをお聞きしました。未就学児をもつママさん必見です!
目次
コロナ禍で書き始めた趣味の育児漫画が1年で本を出版するまで
__育児漫画本を出版された経緯を教えてください。
第二子を出産したタイミングで仕事を辞め、大阪から実家のある香川県に家族で引っ越しました。前職は専門職のフルタイムで夜勤もありました。
新天地で転職をして次女を保育園へと思っていた矢先のコロナ禍で中々思うように転職活動もいかない日々。そんなとき、元々イラストを描くことが趣味だったこともあり、独学でTwitterに子育て漫画を投稿し始めたのが2000年の1月頃。そこから、気づけばフォロワーが5万人にまで増え、本まで出版させていただくことになりました。まさに1年前には予想もしなかった展開で、自分でも驚いています。
普通の主婦の子育て漫画でTwitterに優しさの連鎖が生まれた
__これまで描かれたTwitterの子育て漫画で印象的な作品はありますか?
書籍にも収録している「長女の夜泣き」のエピソードは印象深いです。2歳になる直前、夜泣きがひどい時期がありました。夫も出張で不在、私も眠れない日々が続き心身ともにボロボロで、長女を抱いて着の身着のままでモーニングを食べに行ったんです。周りからみたらちょっと異様な光景だったかもしれません。私も罪悪感でいっぱいでしたが、そこにいらしたご婦人に「大丈夫よ、泣かせておけばいいのよ」と励まされたんです。そんな漫画を投稿したら、たくさんのコメントをいただき、「自分もしんどいママさんを見かけたら何か言葉をかけてあげたい」など、そのどれもが優しさにあふれていて。私の漫画で優しさの連鎖が生まれた気がしてとくに嬉しかったですね。
夜泣きの思い出
描いていてよかったなと感じる漫画は、「長女の性格」に関するエピソード。長女は2歳頃から完璧主義なところがあって、私が何かを褒めると自分では納得がいっていないみたいで怒って泣き出すように。今振り返るとそんなこともあったなぁという感じですが、そのときはかなり夫婦で悩んで、娘と向き合うきっかけとなった出来事だったので、印象に残っていますね。
SNSは孤独なママの休憩室。上手にリムーブして心を守ることも忘れずに!
__さざなみさんにとってSNSとは?
育児は孤独なので、私にとってSNSは休憩室。子育ての悩みを素直にさらけ出したり、同じように悩んでいる人からの情報を得る場です。ただ、Twitterで発信する側になってからはSNSに対する意識が変わりましたね。多くの人に届くことは楽しさでもあり時に怖さにもなります。「いかに正しく届けるか」「響いてほしい人にどうしたら届くか」を考えるようになりました。たとえば、フォロワーが増えてくると育児層じゃない人にも届く。そんなときにママじゃないいろんな立場の人が見ても「不快な思いをしないか」などを検証してから投稿するようにしています。
__SNSの情報との付き合い方で意識していることはありますか?
発信する前の頃ですけど、小さい子どもを育てながら休憩室として利用していたSNSでは「過激な投稿はあまり見たくない」と思っていて。そんなときは、たとえばEテレの「♯おかあさんといっしょ」が好きな人だけをフォローして、自分にとって癒される優しい世界にしていました。「一度フォローした人をはずすのは失礼」と思われている方もまだいるかもしれませんが、SNSはテレビをザッピングするように、そのときの自分の気持ちやブームで自分好みに相手をリムーブ(フォロー解除)していいんです。そうして、“心を守ること”が大切なのではないかなと思っています。
夫婦の役割分担。「お母さんは二人いらない」と気づいた
__さざなみさんご夫婦が育児で心掛けていることとは?
コロナ禍で夫の在宅時間が増えたので、育児や家事に関わってくれる割合は増えましたね。だた、丸っきり私のコピーをして「お母さんが二人」でなくていいと思っています。それでは子どもたちも息が詰まってしまいますから。私がどうしても細かい指導役になるので、夫にはおおらかに構えてほしいと頼んでいます。
お母さんがふたり?
夫は理系で私と悩む視点や考え方も違うので、なるほどと気づかされる時が多いです。先日Twitterで投稿した「たしざん41+1=?」の漫画
でも描きましたが、たしざんを間違えることが嫌な娘に「難しいから面白いんじゃない?」とアドバイスしていて、その発想に驚いてしまいました。
“具体的に、過程を褒める”のがわが家のルール
__家庭でのルールや教育方針はありますか?
やりたいことを自分で次々思いつけるよう、何かにつけて褒めすぎないようにしています。褒めるときは「具体的に褒める」「過程を褒める」がわが家のルールです。
また、長女の場合は、「やろうと思ったときにしかやらない」タイプなので、こちらからワークなどを押し付けても逆効果。今は自分のタイミングにまかせようと思っています。親としては、子どもを日々観察して、興味のある環境やステップを整えて、やる気になったタイミングで手助けしていけたと考えています。
__現在の子育てのお悩みは?
長女は幼い頃から失敗が大嫌いで、失敗しているところを私に見られるのが何より嫌。たとえばひらがなで名前を書けるはずなのに、自信が持てるまで私の前では書いてくれなかったり…。親としては「失敗しても全く構わない。誰もが失敗を繰り返してできるようになる」というマインドセットを吸収してほしいと思うのですが、中々上手く根付きません。プラス思考の夫に憧れているようなので、そのまま真似していってほしいと思っています。
__本の見どころを!
「わが子と言えども、自分とは別人。好みも感じ方も違う一人の個人なんだ」、その気づきから始まった私の育児です。この本は、夫婦で“子どもの気持ちを知りたい!”という思いからあれこれ試行錯誤した等身大のエピソードをエッセイ漫画にしたものです。私は子育ての専門家でもない一人のママですが、この漫画を通して何かに共感したりほっこりした気持ちになってもらえたら嬉しいです。育児指南書ではないので気軽な気持ちで手に取っていただきたいです。
『「どんなときでも味方だよ」って伝えたい! 親子のコミュニケーション、試行錯誤中!(KADOKAWA)』は、全国書店で1月21日より発売。\1,000
いかがでしたか。さざなみさんは一人の主婦として何気ない子育ての日常を描いたものだとおっしゃっていましたが、たとえば「具体的に褒める」「過程を褒める」は、幼児教室でも実践している褒め方です。他にも“幼児教育のいろは”が細かく散りばめられることが多いなと感じました。親としても人としても、読む度に大切なことを気づかせてくれるさざなみさんの育児漫画、ぜひTwitter(@3MshXcteuuT241U)も覗いてみてください。