小学校低学年・夏休み明けの9月1日に「学校行きたくない」親はどうする?
長い夏休みが終わり、2学期が始まる日、実は何の前触れもなく不登校になる子が毎年一定数います。
わが子がもし夏休み明けに「学校へ行きたくない」と言い出したら、親は戸惑い、心配をすることでしょう。そうならないためにも親は夏休みに、子どもとどのように関わればいいのか、考えておきたいものです。
「学校へ行きたくない」その主な5つの理由から対応法をお伝えします。
目次
2学期、子どもが「学校へいきたくない」主な5つの理由
小学校低学年の場合、以下が主な理由に挙げられるでしょう。
理由1、朝、もっとゆっくり寝ていたい
理由2、宿題ができていない
理由3、学校の勉強が分からない
理由4、学校で仲間外れにされている、いじめにあっている
理由5、両親の不仲など家庭に問題がある
知っておきたい5つの対応策!
対応策1 夏休み中も生活のリズムを崩さない
夏休み中は子どもが夜更かししていても、親もはつい大目に見てしまいがちです。
好きなゲームを夜遅くまでして、朝は遅くまで寝ている。そのような生活が続いていた中、2学期になり、朝早く起きなければならない生活が始まることは、子どもにとって嬉しいはずがありません。
夏休み中も、ある程度の規則正しい生活は習慣づけましょう。朝、地域のラジオ体操に行く、夜は〇時までには就寝するなど、夏休みの最初に約束を決めるのもよいでしょう。
また親もそれを実行できるように、声掛けをする、食事の時間を一定に定めるなど心がけましょう。
対応策2 夏休み初めに計画を立てる
夏休みの終わりに、宿題で焦らないように、最初に宿題の計画を立てるといいですね。立てた予定を毎日、意識できるように、目のつきやすい所に計画表を貼るのもよいでしょう。
宿題ができていない場合、親としては「宿題を今までしなかったあなたが悪いんでしょ!」と叱りたいところですが、それが理由で学校へ行きたくないと言った場合は、一旦は子どもの言い分を聞いてあげてください。
性格的に敏感なところがある子どもには、親の「あなたが悪い」の言葉が更に子どもを追い詰めます。
この場合は、とりあえず、先生にまだできていないことを正直に伝え、待ってもらうようにアドバイスしましょう。そして親が子どもの宿題に取り組めるように環境を整えてあげることも忘れないでください。
対応策3 1学期の学習チェックをする
学校の勉強が分からないという状況は、学年が上がるにつれて、大きな問題になっていきます。夏休みに入ったら、1学期の学習の総復習をしましょう。
各教科、単元ごとにチェックし、理解できていない所がないか、丁寧に見ていってください。そして、子どもがもし、分かりにくい個所があれば、教科書や参考書を読み直したり、何度も練習問題を繰り返すなどし、必ず解決しておきましょう。
対応策4 まずは子どもと充分話しあう
「学校で仲間外れにされている、いじめにあっているかもしれない…」。この問題は、大変デリケートで難しい問題です。日頃から、子どもとの会話を意識して行うようにし、いつもと違う様子がないか、親はよくみておきましょう。
先生に相談したくなるかもしれませんが、その前に子どもの言葉をじっくり聴いてあげてください。そのうえで、子どもが納得すれば、先生に相談するなど動きましょう、
対応5 親自身、自分を振り返ってみる
子どもの言動ばかりに目が行き、案外親自身のことは見えないこともあります。両親が不仲だったりすると、登校を拒否することもあります。それは心の不安定さからくる場合もあれば、親への反発心からくる場合もあります。
もし、「学校、行きたくない」に直面したら、まずは共感して話を聞く!
2学期が始まる直前、子どもがもし、「学校へ行きたくない」と言った場合、先ずは子どもの言葉に耳を傾け、「行きたくない」気持ちに、一旦は共感してあげてください。
それから理由を尋ねましょう。この時もし何も話さなくても、問い詰めたり、「学校へは行くもの!」と叱ったり、「頑張りなさい」と励ましたりせず、ゆっくり尋ねてあげてください。そして「行きたくない」原因から、適切な対応策を親子で話しあって、導き出してください。
もちろん、子どもの反応や、状況を見ての判断は必要ですが、上記の対応法は親の心に留めておかれるとよいでしょう。
アドバイスをされても、子どももその解決法は分かっていることが多く、問題はそれができないところにあります。
助言や励ましは、余計に本人に気持ちを重くしたり、自身を喪失させることに繋がりかねません。ですので気持ちに寄り添ってあげる方がよいでしょう。
子どもも辛いことを理解し、日頃からコミュニケーションを大切にする
学校へ行くことを嫌がる登校しぶりには、軽い場合もありますが、学校での交友関係、いじめ問題、教師との関係、学業不振、また家庭の問題など、さまざまな要因が複雑に絡まって起こる重い場合もあります。
親も戸惑い、心配し、心痛むことでしょう。ですが子ども自身も辛く、何らかの問題を抱えていることを理解してあげましょう。
公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA